投稿日:2024年7月7日

調達・購買の教科書:調達・購買業務基礎編

はじめに

調達・購買部門は、製造業の中核を支える非常に重要な役割を果たしています。
適切な部品や材料を確保することは、製品の品質や生産効率に直結し、ひいては企業の競争力を左右します。
本記事では、調達・購買業務の基礎について詳しく解説します。
これから調達購買業務に携わる方や、既に業務に従事している方々が現場で活用できる実践的な知識やスキルを提供します。

調達・購買業務とは何か

調達・購買業務とは、企業が必要とする原材料や部品、設備、サービスなどを外部のサプライヤーから調達する業務です。
この業務は、製品の品質やコスト、供給の安定性に直接影響を与えるため、非常に重要です。

調達業務と購買業務の違い

調達業務と購買業務はよく混同されがちですが、それぞれに異なる役割があります。

*調達業務*: これはサプライヤーの選定や交渉、契約管理、関係構築など、より戦略的な活動を含みます。
調達は企業全体の供給網を管理し、リスクを最小限に抑えながら最適なコストで資源を確保します。

*購買業務*: 購買業務は、具体的な発注や納期管理、在庫管理などの実務を中心とした業務です。
調達部門が選定したサプライヤーから効率的に部材を買い付け、適時に適所に届くよう調整します。

調達購買業務の主なプロセス

調達・購買業務にはいくつかの重要なプロセスがあります。

1. サプライヤーの選定

まず初めに、信頼できるサプライヤーを選定することが重要です。
サプライヤー選定には、価格だけでなく品質、納期、アフターサポート、地理的条件など様々な要因を考慮します。
これには調達チーム全体の協力が必要です。

2. 交渉と契約管理

次に、選定したサプライヤーとの交渉を行い、双方が納得できる条件を設定します。
ここでの交渉力が、企業全体の利益に大きく影響します。
一度条件が合意すれば、契約を結びます。
契約には納期、品質基準、価格、ペナルティ条項などが明確に含まれている必要があります。

3. 発注と納期管理

契約後、実際の発注を行います。
発注書を発行し、サプライヤーとの間で納期を確認します。
この過程では、納期遅延や品質不良などのリスクを最小限に抑えるための管理が重要です。

4. 受入検査と品質管理

納品された部品や材料は、受入検査を行い、契約条件通りの品質を確保します。
品質不良が見つかった場合、速やかに対応し再発防止策を講じます。

5. 在庫管理

在庫管理は、部品や材料を過不足なく保管し、生産に必要なタイミングで供給する業務です。
適切な在庫水準を維持することで、コスト削減や生産効率の向上が図れます。

調達購買における最新の技術動向

調達・購買部門では、最新の技術を活用することで、業務の効率化や精度向上、リスク管理が可能となります。

デジタル化とERPシステム

近年、ERP(Enterprise Resource Planning)システムの導入により、調達業務全体のデジタル化が進んでいます。
これにより、サプライヤー情報や発注、納期管理、在庫情報などが一元管理され、リアルタイムでの情報共有が可能になります。
これにより、業務の効率化や透明性の向上が図れます。

AIと機械学習

AI(人工知能)や機械学習を活用することで、需要予測やサプライヤーリスクの評価、価格交渉の最適化が可能です。
例えば、過去のデータを分析し、将来の需要を予測することで、在庫管理の最適化が図れます。
また、サプライヤーの信用情報やパフォーマンスデータを基にリスク評価を行い、リスクの高いサプライヤーを事前に把握することもできます。

RPA(Robotic Process Automation)

RPAは、定型的な業務プロセスを自動化する技術です。
発注書の作成やデータ入力、在庫チェックなど、ルーチンワークを自動化することで、業務の効率化が図れます。
これにより、人手によるミスを減少させ、より戦略的な業務に注力することが可能です。

調達購買のスキルセット

調達購買部門で成功するためには、いくつかの重要なスキルが求められます。

コミュニケーション能力

サプライヤーとの交渉や社内の関係者との連携には、高度なコミュニケーション能力が求められます。
明確で効果的なコミュニケーションが、業務の円滑化と成果の向上につながります。

交渉力

価格交渉や納期調整など、サプライヤーとの交渉力は、企業全体のコスト削減や利益向上に直結します。
効果的な交渉戦略を持ち、互いにウィンウィンの関係を築くことが重要です。

分析力

データを分析し、最適なサプライヤー選定やコスト削減施策を講じるための分析力が求められます。
需要予測や在庫管理など、具体的な数値に基づく意思決定が必要です。

リスク管理能力

サプライヤーリスクや供給リスク、品質リスクなどを予測し、対策を講じるリスク管理能力が重要です。
リスクを最小限に抑えることで、安定した供給を確保します。

まとめ

調達・購買部門は製造業の中で非常に重要な役割を果たしており、その業務は多岐にわたります。
サプライヤーの選定や交渉、契約管理、発注と納期管理、受入検査と品質管理、在庫管理など、各プロセスを適切に管理することが企業全体の利益に直結します。
最新の技術動向や購買スキルを活用することで、業務の効率化や精度向上、リスク管理が可能です。
これから調達購買業務に携わる方々や、既に業務に従事している方々が本記事を参考にし、現場で活用できる実践的な知識やスキルを習得いただければ幸いです。

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