投稿日:2024年11月20日

QC7つ道具を使った調達購買の品質管理法

はじめに

製造業において「調達購買」は、製品の品質とコストに直結する重要な業務の一部です。
高品質な材料や部品を適正価格で調達することで、企業全体の競争力が強化されます。
そのため、調達購買部門の役割は極めて重要です。
この記事では、調達購買の現場でよく活用されるQC7つ道具を使った品質管理法について詳しく解説します。

QC7つ道具とは

QC7つ道具とは、品質管理を行う際に使用される代表的な7つの手法を指します。
これらは製造現場だけでなく、調達購買部門でも有効に活用されている方法です。
以下にQC7つ道具の概要を説明します。

1. 散布図

散布図は、二つの変数間の関係を視覚的に示すグラフです。
調達購買では、価格と品質の関係を分析する際に有用です。
仕入先の選定において、価格の割に品質が良い部品を特定するために使用されます。

2. パレート図

パレート図は、原因を重要度の高い順に並べた棒グラフです。
調達購買業務で発生する不具合や問題点を特定し、優先順位を付けて改善策を講じる際に役立ちます。

3. ヒストグラム

ヒストグラムは、データの分布状況を把握するための棒グラフです。
調達部門での納入品の品質データを評価するために使用します。
受け入れ基準を満たしている品がどれほどあるか、視覚的に確認することができます。

4. 管理図

管理図は、プロセスにおける変動を監視するためのツールです。
調達における供給元の安定性や品質基準の維持を確認します。
納期や品質に異常が見られないかを判定し、継続的に監視することでリスクを早期に発見できます。

5. チェックシート

チェックシートは、データを収集・整理するための表形式の用紙です。
調達購買業務でのトラブルや改善点を記録するのに使用されます。
日々の業務フローを可視化することで、無駄や問題点を洗い出すことが可能です。

6. 層別

層別は、データを異なる条件で分類することです。
調達業務で発生する問題の要因を洗い出しやすくし、効率的な解決策を見つけるために用います。

7. 特性要因図(フィッシュボーン図)

特性要因図は、原因と結果の関係を図式化したものです。
品質不良や納期遅れといった問題の根本原因を発見し、それに応じた改善策を考える際に役立ちます。

調達購買におけるQC7つ道具の活用事例

ここでは具体的な実例をもとに、調達購買部門におけるQC7つ道具の活用法について紹介します。

価格交渉における散布図の活用

価格と品質のバランスを評価するために、過去のデータを基に散布図を作成します。
例えば、同一カテゴリの部品を供給する複数のサプライヤーからの価格と品質データを視覚化することで、最適な供給元を判断する材料にします。
このデータを基に、サプライヤーとの価格交渉を行うことで、より良い条件での取引が可能になります。

サプライヤー評価におけるパレート図の活用

過去の納入トラブルや不具合のデータを基に、パレート図を作成します。
これにより、どのサプライヤーが最も多くの問題を引き起こしているかを特定し、そのサプライヤーとの交渉もしくは見直しを行うことで、品質向上を図ります。

品質データ分析におけるヒストグラムの活用

調達部門で受け入れた部品や材料の品質データをヒストグラムで可視化します。
品質基準内にあるかどうかを確認し、基準外のデータについてはさらなる調査を行います。
これにより、より効果的な品質確保が可能となります。

調達購買部門の品質管理が企業に与える影響

調達購買部門が製品の品質を左右するわけではありませんが、適切な供給を確保することが会社の信頼性に直結します。
特に、原材料や部品における品質問題は、最終製品の不良品発生率に大きな影響を及ぼします。
QC7つ道具を駆使することで、調達購買部門は製造プロセスの信頼性を支える重要な役割を担えるのです。

最新の業界動向と購買スキルの向上

近年、テクノロジーの進化により、調達購買の現場でもAIやビッグデータを活用したスマート購買が注目されています。
例えば、AIによるサプライヤー選定や価格予測モデルにより、従来以上に効率的な購買活動が可能になってきました。
また、持続可能性の観点から、エシカル調達やグリーン購買といった新しいスキルを身につけることも求められています。
業界動向を踏まえた上で、常に最新のスキルを磨くことが大切です。

まとめ

調達購買部門は、企業の生産性や競争力を大きく左右する重要な部門です。
QC7つ道具を活用することで、より高い品質管理が実現し、企業全体の利益にも結びつきます。
また、最新の業界動向を注視し、スキルを磨くことで、調達購買部門がさらなる価値を提供することができるでしょう。
今後も調達購買部門としての役割を最大限に発揮し、企業の成長に貢献していくことが求められます。

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