革製品の種類とそれぞれの加工法における違い【業界技術者向け】

革製品の種類

革製品は、主に使用される動物の種類、加工法、仕上げの方法によって分類されます。
それぞれの種類は、異なる特性と使用目的を持っています。

牛革

牛革は、最も一般的で広く使用される革の一つです。
頑丈で耐久性があり、多くの製品に使用されています。
たとえば、財布、ベルト、靴、バッグなどが挙げられます。
牛革は、その質感と耐久性から高級品にも利用されることが多いです。

羊革

羊革は、しなやかで柔らかい特徴を持っています。
そのため、衣料品や手袋に多く使用されます。
また、ラムスキンと呼ばれる若い羊の革は、特に柔らかく高級な素材として扱われます。

豚革

豚革は、通気性が良いことが特徴で、手袋や衣料品に適しています。
比較的安価であるため、カジュアルな製品によく使用されます。
ただ、表面がやや粗いことから高級品にはあまり使われません。

鹿革

鹿革は、非常に柔らかく、しなやかですが耐久性にも優れています。
このため、グローブやカジュアルジャケットなど、動きやすさを求められる製品に使用されます。
また、その柔軟性から加工性が高いことも長所です。

エキゾチックレザー

エキゾチックレザーには、ワニ革、ヘビ革、ダチョウ革など珍しい動物の革があります。
これらは独特の質感と模様を持ち、高級品として扱われることが多いです。
その特異な外観からファッション性が高く、アクセサリーや靴に採用されることが多いです。

革の加工法

革製品は、製造工程で様々な加工法が施されます。
加工法によって、革の特性や用途が変わってきます。

ピットタンニング

ピットタンニングは、皮を植物のタンニンでなめす工程です。
この方法は時間がかかり、5ヶ月以上かかることもあります。
しかし、その結果得られる革は非常に耐久性があり、美しい自然な風合いを持っています。
高級商品に多く用いられます。

クロムなめし

クロムなめしは、クロム塩を使った比較的新しいなめし方法です。
最近では最も一般的な方法で、なめしの工程が2～3日と短く、量産に適しています。
この方法で作られた革は、柔軟性があり、鮮やかな染色が可能で、衣料品やファッション製品に多く利用されます。

コンビネーションなめし

コンビネーションなめしでは、クロムなめしと植物タンニンなめしを組み合わせた方法です。
これにより、短い生産時間で耐久性と美しい仕上がりが得られます。
多用途に使用され、中間の価格帯の製品に多く用いられます。

オイル仕上げ

オイル仕上げは、革に油脂を染み込ませ、柔らかさや防水性を高める加工です。
特に、使い込むことで味わい深い色合いに変化し、エイジングを楽しめるため、革製ブーツやアウトドア用の製品に多く用いられます。

パテントレザー

パテントレザーは、表面に漆や樹脂を塗布して光沢を持たせた革です。
その美しい光沢から、フォーマルな靴やバッグに利用されることが多いです。
耐水性もあるため、実用性も兼ね備えています。

スエード、ヌバック

この加工法は、革の内側や外側を起毛させて柔らかい手触りに仕上げるものです。
スエードは内側、ヌバックは外側を起毛させたものを指し、それぞれ異なる触感を楽しむことができます。
いずれもカジュアルなファッションアイテムに人気がありますが、水に弱いため取り扱いには注意が必要です。

革製品の選び方

革製品を選ぶ際には、まず目的や使用環境に合わせた素材選びが重要です。
日常的に使うアイテムには耐久性のある牛革が向いていますし、特別な場に向けたファッションアイテムにはエキゾチックレザーが重宝されます。
加工法によって、耐水性や柔軟性、質感などが異なりますので、用途に応じた選び方が求められます。

また、革製品はある程度のメンテナンスが必要です。
使用後は汚れを落とし、必要に応じて保革油などのケア製品を使って風合いを保つことが求められます。
これによって長く美しい状態を維持することが出来ます。

最終的に、自分のスタイルや予算に合った革製品を選ぶことが満足感を得られる最善の道です。
各加工法や素材の特性を理解することで、より適した製品選びができるでしょう。