投稿日:2024年6月20日

なぜなぜ分析の基礎編

なぜなぜ分析とは何か?

なぜなぜ分析は、問題の根本原因を探し出すための手法です。
この手法は「根本原因分析」とも呼ばれ、問題が発生した際にその背後にある本質的な原因を明らかにするために用います。
問題の表面的な現象にとどまらず、その背後にある原因を深く掘り下げることで、再発防止や改善策を講じることが可能になります。

なぜなぜ分析の重要性

なぜなぜ分析の重要性は、主に以下の点にあります。

再発防止

表面的な原因だけを対処するのではなく、真の根本原因を突き止めることで、同じ問題が再度発生する可能性を大幅に減少させます。

効率的な対策立案

問題の根本原因を理解することにより、効果的で持続的な対策を計画しやすくなります。
これにより、リソースの無駄を減らすことができます。

組織の学習と成長

なぜなぜ分析を実施することで、組織全体が問題解決能力を向上させることができます。
結果として、企業全体の成長や発展に寄与します。

なぜなぜ分析の基本ステップ

では、具体的になぜなぜ分析の手順を見ていきましょう。

1. 問題の明確化

まず最初に行うのは、「何が問題なのか」を明確にすることです。
この段階では、問題となる現象を具体的かつ詳細に記述し、共有することが重要です。
例えば、「製品不良が発生した」というように、大まかな問題を表現するのではなく、「製品の表面にキズが発生した」など、できるだけ具体的な表現を心がけます。

2. 初めの「なぜ?」を問う

明確化した問題に対して、最初の「なぜ?」を問いかけます。
例えば、「なぜ製品の表面にキズが発生したのか?」と尋ねます。
ここでの回答が、次のステップでの「なぜ?」の出発点となります。

3. さらなる「なぜ?」を繰り返す

「なぜ?」を5回繰り返すことが基本とされています。
最初の「なぜ?」に対する回答に対しても、「なぜその回答になるのか?」と次々に問い続けます。
このプロセスを通じて、根本原因にたどり着くことが目指されます。

4. 根本原因の特定

5回の「なぜ?」を繰り返した結果、最終的にたどり着いた回答が根本原因とされます。
この根本原因に対して具体的な対策を講じることが重要です。

5. 対策の実施と効果確認

特定した根本原因に対する対策を実施し、その効果を確認します。
効果が不十分な場合は、再度なぜなぜ分析を行い、問題解決のための更なる対策を検討します。

なぜなぜ分析の成功事例

実際の成功事例を通じて、なぜなぜ分析の有効性を理解しましょう。

事例1:製造工程での不良品発生

ある製造ラインで頻繁に不良品が発生する問題が発生しました。
なぜなぜ分析を行った結果、以下の根本原因が突き止められました。
1. 不良品の発生(なぜ?)
温度管理が不適切だったため
2. 温度管理の不適切な理由(なぜ?)
センサーの校正が不十分だったため
3. センサー校正の不十分な理由(なぜ?)
定期的な校正が行われていなかったため
4. 定期校正の欠如(なぜ?)
メンテナンススケジュールが不明確だったため
5. メンテナンススケジュールの不明確な理由(なぜ?)
担当者の手配が不完全だったため

この結果に基づき、担当者の手配を改善し、メンテナンススケジュールを明確にすることで不良品の発生が大幅に減少しました。

事例2:納期遅延の問題

あるプロジェクトで納期遅延が頻発し、顧客からのクレームが増加しました。
なぜなぜ分析を行った結果、以下の根本原因が突き止められました。
1. 納期遅延の発生(なぜ?)
材料の調達に時間がかかっているため
2. 材料調達の遅れの理由(なぜ?)
供給業者が安定していなかったため
3. 供給業者の不安定な理由(なぜ?)
業者の選定基準が厳格でなかったため
4. 業者選定基準の緩さ(なぜ?)
選定プロセスに改善点があったため
5. 選定プロセスの問題(なぜ?)
過去のデータを十分に活用していなかったため

この結果に基づき、業者選定の際に過去データを活用する手法を取り入れることで、供給業者の安定性が向上し、納期遅延が劇的に減少しました。

なぜなぜ分析を活用するためのポイント

なぜなぜ分析を効果的に活用するためには、以下のポイントに留意することが重要です。

ポイント1:協力体制の確立

問題解決には複数の部門や担当者が関わることが多いため、協力体制を確立することが重要です。
全員が共通の目標を持ち、組織全体で取り組むことで、より効果的な分析が可能となります。

ポイント2:中立的な視点

分析を行う際には、中立的な視点を持つことが求められます。
感情や先入観にとらわれず、事実に基づいて問題を追求することが重要です。

ポイント3:データの重視

なぜなぜ分析では、データが重要な役割を果たします。
信頼性のあるデータをもとに分析を進めることで、根本原因を正確に特定することが可能となります。

ポイント4:継続的な改善

なぜなぜ分析は、一度行えば終わりではありません。
継続的な改善を目指して、定期的に実施することが重要です。
これにより、組織全体の問題解決能力が向上し、より強固な体制を築くことができます。

なぜなぜ分析と最新の技術動向

なぜなぜ分析は、伝統的な手法ですが、最新の技術と組み合わせることで、さらに効果を高めることができます。

IoTとデータ収集

IoT技術を活用することで、現場のデータをリアルタイムで収集・分析することが可能となります。
これにより、問題発生の予兆を早期に察知し、迅速な対応が可能となります。

AIと自動化

人工知能(AI)を活用することで、大量のデータから重要なパターンや異常を自動的に検出することができます。
これにより、なぜなぜ分析の精度を高めることが可能です。

クラウドと情報共有

クラウド技術を活用することで、情報の共有が容易となり、複数の部門や担当者がリアルタイムでデータにアクセスすることができます。
これにより、より協力的な問題解決が期待できます。

 

なぜなぜ分析は、問題の根本原因を特定するための効果的な手法です。
再発防止や効率的な対策立案、組織の学習と成長に寄与します。
具体的なステップとしては、問題の明確化、何度も「なぜ?」を問い、根本原因の特定、対策の実施と効果確認があります。
成功事例やポイントを把握し、最新の技術を活用することで、なぜなぜ分析の効果をさらに高めることができます。
製造業において、なぜなぜ分析を効果的に取り入れることは、問題解決力の向上と持続可能な発展に直結します。

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