投稿日:2024年7月10日

生産技術者のコストダウンの見方・考え方習得

はじめに

生産技術者の役割は、多岐にわたりますが、その中でも特に重要なのがコストダウンです。
製品の品質を保ちながら、いかにしてコストを削減するかが着目されます。
この記事では、コストダウンを達成するための基本的な見方・考え方と具体的な方法について解説します。

コストダウンの基本概念

コストダウンとは

コストダウンとは、製品の製造にかかるコストを削減することです。
一般的には、原材料費、人件費、エネルギーコスト、設備費用などが対象となります。
コストダウンは、企業の収益性を向上させるために欠かせない要素です。

コストダウンの見方

トータルコストの視点

コストダウンを達成するためには、単なる製造コストの削減に留まらず、トータルコストの視点が必要です。
トータルコストには、材料費、設備費、人件費、物流費、品質管理費などが含まれます。
これらを総合的に見て、どこに削減の余地があるかを検討することが求められます。

品質とコストのバランス

コストダウンを進める際には、必ず品質とのバランスを考慮する必要があります。
品質を落とすことで生じるコスト(クレーム対応費用やリコール費用など)は、場合によってはコストダウン以上の損失を生むことがあります。
したがって、品質とコストのバランスを保ちながら進めることが重要です。

コストダウンの考え方

ムダの排除

生産現場において、ムダの排除から始めることが効果的です。
ムダには、「過剰生産」「待機時間」「不良品」「余剰在庫」「過度な加工」「無駄な動作」「搬送の無駄」などがあります。
これらを徹底的に洗い出し、排除することで大幅なコストダウンが可能です。

PDCAサイクル

コストダウンの実現には、PDCAサイクル(Plan、Do、Check、Act)の活用が有効です。
まずは、現状の課題を洗い出し、改善計画を策定します(Plan)。
次に、計画に基づいて実行します(Do)。
その後、実行結果を評価・分析し(Check)、必要な修正を行います(Act)。
このサイクルを回し続けることで、継続的なコストダウンが可能です。

技術革新の活用

最新の技術を導入することも、コストダウンには有効です。
例えば、IoT技術を活用した生産設備の効率化や、AIによる生産計画の最適化などがあります。
これらの技術を取り入れることで、従来の人手による作業を自動化し、効率化を図ることができます。

具体的なコストダウンの方法

原材料の最適化

原材料の最適化は、コストダウンにおいて重要なポイントです。
例えば、より安価な代替材料の利用や、リサイクル材料の利用を検討することが考えられます。
また、材料の使用量を最小限に抑えるための設計変更も有効です。

人件費削減

人件費の削減もコストダウンの重要な要素です。
労働力の効率化を図るためには、作業標準の見直しや、作業の自動化・機械化が効果的です。
また、労働時間の適正化や、多能工化(多くの作業を担当できるようにすること)も検討すべきです。

エネルギーコストの削減

エネルギーコストの削減も重要な視点です。
例えば、省エネ設備の導入や、エネルギーの効率的な使用方法を検討することが挙げられます。
定期的なエネルギー診断を行い、無駄なエネルギー消費を発見・削減する取り組みが求められます。

設備の効率化

設備の効率化もコストダウンに寄与する要素です。
設備稼働率の向上や、メンテナンスの効率化、設備の長寿命化を図ることで、設備コストを削減できます。
また、新しい技術を取り入れることで、さらに効率化を進めることが可能です。

実務に生かすコストダウン手法

現場改善活動(KAIZEN)

現場改善活動(KAIZEN)は、日常業務の一部として行うべきです。
現場の作業者自身が主体となって、日常業務の中で改善点を見つけ、逐次改善を行う仕組みを作ります。
小さな改善でも積み重ねることで、大きなコストダウン効果を生むことができます。

交配体制の整備

製造現場では、多部門との連携が重要です。
設計部門、生産部門、品質管理部門などが緊密に連携することで、全体最適を図ります。
情報の共有化やコミュニケーションの円滑化を図ることで、無駄の排除や効率化が進みます。

業務プロセスの見直し

業務プロセスの見直しも、コストダウンには欠かせません。
現状の業務フローを洗い出し、重複している作業や非効率な作業を見つけ出し、改善します。
ITツールの活用や、業務の標準化を進めることで、さらに効率化を図ることが可能です。

最新技術動向とコストダウン

IoT(Internet of Things)の活用

IoTにより、製造現場のすべての設備や機械がネットワークに接続され、リアルタイムでのデータ収集や監視が可能になります。
これにより、故障予知や生産効率の最適化が可能となり、コストダウンを図ることができます。

AI(人工知能)の導入

AIを利用したデータ分析により、生産計画の最適化や不良品の予測が可能になります。
これにより、無駄な生産や不良品の発生を抑えることができ、コスト削減に繋がります。

ロボティクスの進化

ロボット技術の進化により、従来の人手作業を自動化し、効率化が進んでいます。
特に、多品種少量生産に対応できる柔軟なロボットシステムの導入は、コストダウンに大きな効果を発揮します。

まとめ

コストダウンは、生産技術者にとって不可欠な課題です。
トータルコストの視点や品質とのバランスを考慮し、PDCAサイクルや最新技術を活用しながら、現場のムダを徹底的に排除することが求められます。
具体的な手法としては、原材料の最適化、人件費の削減、エネルギーコストの削減、設備の効率化などが挙げられます。
これらの方法を実践することで、持続的なコストダウンを実現し、企業の競争力を向上させることが可能です。

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