投稿日:2024年7月15日

CSR購買実践講座

CSR購買とは?その重要性と基本原則

企業が社会的責任を果たし、持続可能な成長を遂げるためには、CSR(企業の社会的責任)購買が欠かせません。
CSR購買とは、企業が供給者や調達の際に、環境や社会、倫理的な視点を重視する購買活動の一環です。
この概念は、単なるコスト削減や品質確保にとどまらず、持続可能な社会の実現を目指しています。

CSR購買の重要性は、次の3つの観点から語ることができます。

企業の信頼性向上

現在、消費者や投資家は製品の背後にある企業の価値や行動にも注目しています。
環境保護や労働者の権利に配慮する企業は、高い評価を受け、信頼性が向上します。
これにより、ブランドの価値が増し、長期的なビジネスの成功へと繋がります。

リスク管理

CSR購買を実施することで、供給チェーンの安定性が確保され、スキャンダルや法規制違反などのリスクが低減されます。
例えば、労働条件の悪い工場と取引していた場合、その情報が公開されると企業の評判に大きな打撃を与えます。
これを防ぐためにもCSR購買は有効です。

持続可能な発展

長期的な視野で見ると、持続可能な調達は企業の競争力を高めます。
環境保護、労働者の権利保護、地域社会への貢献などに取り組むことで、供給元の安定性が向上し、結果としてビジネスの持続可能な発展に寄与します。

CSR購買の実践ステップ

CSR購買を成功させるためには、具体的なステップに従うことが重要です。

1. 方針の設定

まずは、企業のCSR購買方針を明確にすることが必要です。
これには、環境保護、労働者の権利、倫理的な取引など、企業が重視する要素を含めます。
これにより、社内外に企業の意図が明示され、供給者もその期待に応えることが可能になります。

2. 供給者の選定

CSR購買の観点から適切な供給者を選定するためには、一連の評価基準を設けることが必要です。
これには、労働条件、環境への配慮、倫理的な企業行動などが含まれます。
評価基準に基づき、供給者を評価し、適切なパートナーを選定します。

3. 契約の確認と締結

供給者と契約を締結する際には、CSRに関する具体的な条件を盛り込むことが重要です。
例えば、環境保護に関する取り組みの報告や、労働条件の改善計画などを明示します。
これにより、供給者がCSR方針を守ることを確約します。

4. モニタリングと評価

契約後も、定期的に供給者をモニタリングし、その実績を評価します。
CSR購買の要素が適切に実行されているかを確認するために、現地調査や報告書の提出を求めることが考えられます。
評価結果に基づき、必要に応じて供給者とのコミュニケーションを図り、改善を促します。

5. 持続的改善とコミュニケーション

CSR購買は一度設定して終わりではなく、持続的な改善が求められます。
定期的に供給者との対話を行い、互いにフィードバックを交換します。
また、得られたデータや知見をもとに、さらに高いCSR基準を設けることも重要です。

最新の技術動向を活用したCSR購買

昨今、デジタル技術の進展によりCSR購買も新たなフェーズに入っています。

デジタルプラットフォームの活用

供給チェーンの透明性を高めるために、ブロックチェーン技術が注目されています。
これにより、供給者の行動や原料の調達状況をリアルタイムで追跡することが可能です。
また、AIを活用することで、膨大なデータから供給者の評価を自動で行うことが可能です。
これにより、迅速かつ正確な決定が行えます。

環境負荷の可視化

IoT技術を利用すれば、環境負荷をリアルタイムで把握できます。
供給元の工場で使用されている資源の量やエネルギー消費、排出されるガス量などを監視し、必要に応じて改善策を講じることが可能です。

クラウドサービスの導入

クラウドサービスを利用すれば、供給チェーン全体のデータを一元管理し、必要な情報を迅速に共有することが可能です。
これにより、供給チェーン全体の透明性が向上し、より効果的なCSR購買が実現します。

CSR購買の成功事例

実際の企業の成功事例を通じて、CSR購買の効果を具体的に理解しましょう。

アディダスの取り組み

スポーツアパレル大手のアディダスは、サプライチェーンの透明性向上に注力しています。
アディダスは、公式ウェブサイト上で供給パートナーの名前と所在地を公開し、労働条件や環境保護についての情報を提供しています。
これにより、消費者や投資家からの信頼を獲得し、有形の競争優位性を築いています。

ユニリーバのサプライチェーン戦略

ユニリーバは、「サステナブル・リビング・プラン」の一環として、供給者と共に持続可能な調達を推進しています。
同社は、全世界の供給者が環境や社会に貢献するよう、厳しい基準を設け、それに準拠する企業とだけ取引を行う方針です。
この取り組みは、持続可能な経済の形成だけでなく、新たな市場創出にも貢献しています。

まとめ:CSR購買の今後の展望

CSR購買は、企業が持つべき責任としてますます重視されています。
持続可能な発展を目指すためには、単にコスト削減や品質確保にとどまらず、供給チェーン全体での社会的責任の履行が求められます。
デジタル技術の活用により、さらなる透明性や効率性が追求され、CSR購買の実践がより効果的に行われるようになるでしょう。

企業がCSR購買を実践することは、信頼性向上、リスク管理、持続可能な発展といった多くのメリットを享受します。
これからの企業経営において、CSR購買は重要な戦略の一つとして位置づけられることが期待されます。

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