投稿日:2024年9月6日

無駄取り活動で現場改善を促進するステップ

はじめに

製造業の現場では、効率的な生産と品質向上が求められる一方で、常にその課題の裏に無駄があります。
この無駄を削減するための活動が「無駄取り活動」です。
現場の改善を促進し、生産効率の向上を達成するためには、無駄取り活動を効果的に行うことが不可欠です。
この記事では、無駄取り活動の効果的な進め方やポイントについて、現場目線で解説します。

無駄取り活動とは

無駄取り活動とは、生産現場における「無駄」を見つけ出し、それを排除するための取り組みのことを指します。
無駄は、製造業の生産プロセス全体に存在し、削減すれば効率と生産性が大きく向上します。
無駄には7つの種類があるとされ、これを「七つのムダ」と呼びます。

七つのムダ

七つのムダは以下の通りです。

1. 製造のムダ:製品を作りすぎたり、作り直しが発生する場合のムダ
2. 待ち時間のムダ:作業者や機械が稼働せずに待機するムダ
3. 動作のムダ:不要な動作や移動が発生するムダ
4. 運搬のムダ:材料や製品の不必要な運搬によるムダ
5. 在庫のムダ:過剰な在庫保有によるムダ
6. 加工のムダ:不必要な加工や複雑な加工が発生するムダ
7. 不良品のムダ:不良品の発生や手直しが必要になるムダ

これらのムダが含まれる作業やプロセスを改善することで生産性の向上を図るのが無駄取り活動です。

無駄取り活動のステップ

無駄取り活動を効果的に進めるためのステップを以下に示します。

ステップ1:現状分析

まずは現状を正確に把握することが重要です。
生産現場を詳細に観察し、どこに無駄が存在するのかを洗い出します。
この時、データの収集とヒアリングが重要です。
例えば、各作業の時間、待機時間、運搬距離などのデータを集めます。
また、現場の作業者からの意見や日々の問題点も大きなヒントになります。

ステップ2:無駄の特定

収集したデータとヒアリング結果を基に、無駄の特定を行います。
七つのムダに基づいて分類し、どの無駄が最も大きな問題なのかを評価します。
この評価は、発生頻度、影響の大きさ、改善の容易さなどを考慮して行います。

ステップ3:目標設定

次に、無駄を削減するための具体的な目標を設定します。
無駄が特定されたら、それをどの程度削減するのかを数値化します。
例えば「在庫のムダを50%削減する」や「待機時間を30%短縮する」といった具体的な目標を立てます。

ステップ4:改善策の実施

目標に基づいて改善策を実行します。
例えば、工場のレイアウトを見直す、作業手順の変更、機械のメンテナンスを強化するなど具体的なアクションを起こします。
この際、全スタッフが改善活動に参加し、共同で取り組むことが重要です。

ステップ5:効果の確認

改善策を実施した後、その効果を確認します。
設定した目標の達成度を評価し、無駄がどの程度削減できたかを確認します。
効果が確認できた場合、更なる改善を続けます。
効果が薄い場合は、異なるアプローチを試す必要があります。

ステップ6:標準化

効果のある改善策は標準化します。
つまり、改善後のプロセスや手順を文書化し、全スタッフに共有します。
これにより、改善が一時的ではなく継続的なものとなります。

ステップ7:継続的な改善

無駄取り活動は一度で終わりではありません。
常に現場を観察し、新たな無駄が発生していないかを確認します。
また、無駄削減が進むにつれ、さらに微細な無駄が見えてきます。
常に改善を続ける姿勢が重要です。

最新技術の活用

無駄取り活動を効果的に進めるためには、最新の技術を活用することも有効です。

IoTとAIの導入

産業用IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)は、生産現場の無駄取りに大きな効果をもたらします。
IoTデバイスを用いて、生産ラインや機械の稼働状況をリアルタイムで監視し、データを収集します。
これにより、無駄の発生箇所を迅速に特定し、対応策を即座に講じることができます。
また、AIは収集されたデータを解析し、最適な改善策を提案します。
これにより、従来の経験と勘に依存する方法からデータドリブンなアプローチに移行し、無駄取り活動の精度を高めます。

自動化技術の活用

工場自動化(FA: Factory Automation)は無駄取り活動において非常に効果的です。
ロボットや自動化装置を導入することで、無駄な動作や人為的なミスを削減できます。
例えば、運搬の自動化や組み立て作業の自動化により、生産効率と品質が向上します。

成功事例の紹介

実際に無駄取り活動を通じて大きな成果を上げた事例を紹介します。

事例1:A社の生産ライン改善

精密機器を製造するA社では、製造のムダが大きな課題となっていました。
無駄取り活動を実施するため、まずは現状分析を行い、作業の流れを詳細に記録しました。
次に、製造のムダを削減するため、作業の平準化とラインバランスの改善を行いました。
これにより、製品の作りすぎや待機時間が大幅に削減され、生産効率が20%向上しました。

事例2:B社の在庫管理改善

自動車部品を製造するB社では、過剰な在庫が課題となっていました。
現状分析の結果、部品のムダな運搬や過剰生産が原因であることが判明しました。
そこで、適正在庫の維持と部品供給の見直しを行い、在庫管理システムを導入しました。
その結果、在庫が30%減少し、保管コストが大幅に削減されました。

まとめ

無駄取り活動は、製造業の現場で効率向上と品質改善を実現するために欠かせない取り組みです。
現状分析から始まり、無駄の特定、改善策の実施、効果の確認、そして標準化と継続的な改善が重要です。
また、IoTやAI、自動化技術の導入も無駄取り活動の効果をさらに高めます。
現場全体が協力し合い、継続的な改善を進めることで、より効率的で生産性の高い現場を実現しましょう。

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