投稿日:2024年10月27日

製品品質部門の新入社員向け!品質機能展開(QFD)の基本と実践方法

品質機能展開(QFD)とは?

品質機能展開(QFD)とは、製品やサービスの開発において、顧客のニーズを設計や製造の具体的な指針に変換するための手法です。

日本で発祥し、1980年代以降、特に製造業において広く使われるようになりました。

QFDの主な目的は、顧客満足度を高めること、設計・生産プロセスの効率を改善すること、したがってコスト削減と品質向上を図ることです。

なぜQFDが重要なのか

QFDは、顧客の声(VOC:Voice of Customer)を明確に製品設計に反映させるための有効なツールです。

これにより、顧客の期待を的確に捉えた製品・サービスの提供が可能になります。

それにより製品開発の初期段階から品質を管理することができ、後々の改修や手直しといったコストを削減する効果も期待できます。

また、製造工程においては、設計段階で顧客の要望に応えるための基準を明確に設定できるため、無駄のない生産ラインを構築することが可能となります。

QFDの具体的なプロセス

1. 顧客ニーズの抽出

QFDプロセスはまず、顧客のニーズや要望を詳細に把握することから始まります。

市場調査やインタビュー、アンケートなどを通じて、顧客が何を重要視しているのかを徹底的に洗い出します。

また、競合製品の分析も行い、自社製品がどのような点で差別化されるべきかを把握しておきます。

2. ホースのマップ(Hose of Quality)作成

顧客ニーズを製品開発に落とし込むために利用されるツールが「ホース・オブ・クオリティ」と呼ばれる品質表です。

この表は、顧客の要望を左側に一覧で並べ、それに対応する技術要件や設計項目を上部に配列したマトリクス形式の表です。

この視覚的なツールにより、顧客ニーズと製品特性の関連性を明確に示すことができます。

3. 技術要件の設定

ホース・オブ・クオリティによって顧客ニーズが整理されたら、それを基に具体的な技術要件を設定します。

各ニーズがどの技術要件に対応するのかをマトリクスを利用して分析していきます。

技術要件が設定されたら、それが実現可能かどうか、技術的な制約やコストを考慮しつつ更に精査します。

4. 製品設計と工程計画

技術要件が確定したなら、それを基に具体的な製品設計に移ります。

設計図を作成し、生産方法や材料の選定、品質基準の設定など具体的な工程計画を行います。

工程計画では、全体の流れだけでなく、各工程での品質チェックポイントを設定し、問題発生時の解決策も事前に準備しておきます。

QFDの実践におけるポイント

コミュニケーションの重要性

QFDを効果的に実践するためには、部門間のコミュニケーションが非常に重要です。

開発部門、製造部門、営業部門など、異なる部門間で情報共有がスムーズに行われなければ、システム全体としての品質向上は難しくなります。

定期的に合同会議を行うなど、コミュニケーションの機会を意識的に増やしておくと良いでしょう。

顧客ニーズの正確な把握

顧客ニーズは常に変化します。

そのため、新製品開発時には迅速に対応できるよう、最新の顧客情報を収集し続けることが不可欠です。

また、顧客の意見をただ取り入れるだけではなく、それを解釈して製品改善に役立てる視点も大切です。

継続的な改善活動

QFDは一度導入して完結するものではなく、継続的な改善活動が求められます。

製品のライフサイクルが進む中で、品質基準や顧客ニーズは変化していきます。

その変化を適切にキャッチし、製品やプロセスに反映させ続けることが、競争力を維持するために重要です。

QFDがもたらす効果と課題

効果

QFDを導入することで、顧客満足度の向上や不良率の低下、開発期間の短縮、製造コストの削減など多くの効果が期待できます。

顧客のニーズに基づいた設計を行うことで、市場適合性の高い製品開発が可能となり、市場でのリーダーシップを確立するための強力なツールとなり得ます。

課題

一方で、QFDの実施にはそれなりのリソースと時間が求められます。

特に、初期段階での顧客ニーズの把握や技術要件の確定には深い分析が必要で、これを疎かにするとQFDの効果が薄れてしまう恐れがあります。

また、QFDは決して固定的なものではなく、時代や環境の変化に合わせた柔軟な運用が必要です。

製品品質部門の新入社員としては、まずQFDの基本的な概念とその実践方法を理解し、経験を積み重ねるとともに、その効果を最大限に引き出すための工夫を施していくことが求められます。

以上が、製品品質部門の新入社員に向けた品質機能展開(QFD)の基本と実践方法の解説となります。

この知識をしっかりと基礎にして、これからの業務に活かしていってください。

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