投稿日:2024年12月18日

なぜなぜ分析の進め方と品質不良の再発防止への効果的な活用法

はじめに

製造業において、品質不良は製品価値を低下させ、顧客満足度を損ねる要因となります。
品質不良を防ぐための手法として、多くの企業で「なぜなぜ分析」が利用されています。
本記事では、なぜなぜ分析とは何なのか、どのように進めるべきか、そしてその効果的な活用法について詳しく解説します。
また、なぜなぜ分析が再発防止にどのように役立つのか、製造業の皆様に具体的な手順を踏まえてご紹介します。

なぜなぜ分析とは

なぜなぜ分析は、問題が発生した際にその根本原因を見つけ出す手法の一つです。
「なぜ」という問いを繰り返すことで、問題の表面的な原因から一歩踏み込み、根本原因を探り当てることができます。
この手法は、トヨタ自動車で構築された「トヨタ生産方式」の中で用いられる手法の一環として、多くの業界で採用されています。

なぜなぜ分析の基本的な流れ

なぜなぜ分析は、以下のようなステップに従って進めます。

1. 問題を特定する
2. 現象を詳細に記述する
3. 「なぜ」を繰り返し問いかけ、原因を深堀する
4. 発見した根本原因に対する対策を立案する
5. 対策の効果を検証する

このプロセスを経ることによって、問題を深く理解し、再発を防ぐための有効な対策を立てることが可能となります。

具体例によるなぜなぜ分析

下記に、なぜなぜ分析の具体例を示します。

**問題**: 材料の納入遅延が発生した。

1. なぜ1: なぜ納入が遅延したのか?
– A社の運送が遅れたため。

2. なぜ2: なぜA社の運送が遅れたのか?
– 新道路工事の影響で交通が渋滞したため。

3. なぜ3: なぜ新道路工事が影響したのか?
– 工事予定が事前に通知されていないため。

4. なぜ4: なぜ事前通知がされなかったのか?
– プロジェクト管理が甘く、関係各所への伝達が漏れたため。

5. 対策: プロジェクト管理体制を強化し、関係各所への情報伝達ルートを見直す。

このように、原因を深堀りすることで、誘因となる根本的な要素を発見し、適切に対処することが可能となります。

なぜなぜ分析を効果的に進めるためのポイント

なぜなぜ分析を効果的に進めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

チームで行う

なぜなぜ分析は、個人で行うよりもチームで行う方が効果を発揮します。
異なる視点や知識を持った人々が集まることで、深い洞察が得られやすくなります。
また、チームでの議論を通じて共通の理解を促進し、取り組みの一貫性を保つことができます。

データを活用する

感覚や推測に頼らず、しっかりとしたデータに基づく分析が重要です。
データを元に分析を進めることで、思い込みによる間違いを防ぎ、より正確な原因の特定が可能となります。

根気よく問い続ける

「なぜ」を問いかける回数に制限はありませんが、少なくとも5回は繰り返すことで、表面的な原因から脱却できます。
あきらめずに問いを続けることで、本当に解決すべき課題にたどり着くことができます。

品質不良の再発防止への効果的な活用法

なぜなぜ分析は、品質不良の再発を防止するための強力なツールです。
再発防止への活用法を以下に示します。

予防的アプローチの構築

なぜなぜ分析を通じて見つかった根本原因に対して、予防的な対策を構築します。
たとえば、品質不良の原因が特定の作業手順の不備である場合、その手順の見直しと従業員への教育を強化するなどの対策を取ります。
このように、根本原因に対する適切な対策を講じることで、同様の不良発生を未然に防ぐことが可能になります。

フローの見直しと改善

分析を通じて、製造プロセスの流れそのものに問題があることが判明することもあります。
その場合、フロー全体を見直し、無駄を排除し、効率化を図ることが再発防止に繋がります。
単なる問題解決に留まらず、プロセス自体の改善に繋げることが、長期的な品質向上に寄与します。

組織文化の醸成

なぜなぜ分析を定期的に行い、その結果を組織全体で共有することで、学習する組織の文化が醸成されます。
問題が発生した場合に分析するだけでなく、継続的に改善を追求する姿勢が組織全体に根付くことが重要です。

まとめ

なぜなぜ分析は、製造業における品質不良の再発防止において非常に有効な手法です。
正確な原因を見極め、適切な対策を講じることで、製品の品質を向上させることができます。
本記事で紹介した手順やポイントを参考に、実践的に活用して、製造業の品質管理向上に役立ててください。

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