投稿日:2024年12月30日

シーケンス制御の基礎と設計およびラダープログラミングの応用とその実践ポイント

シーケンス制御の基礎

製造業の現場では、効率的で正確な生産を実現するために多くの制御技術が採用されています。
その中でも、シーケンス制御はプロセスの自動化と機械の連動に不可欠な役割を果たしています。
シーケンス制御とは、定められた手順に従って一連の動作を行うよう機械や装置を制御する技術です。

シーケンス制御の基本的な構成要素には、入力(センサーやスイッチなど)、出力(モーターやバルブなど)、制御デバイス(リレーやプログラマブルロジックコントローラ:PLC)があります。
これらの要素を組み合わせることで、複雑な動作を正確に実行させることが可能です。

シーケンス制御の設計

シーケンス制御の設計を行う際には、まず制御対象の動作を明確に理解することが重要です。
具体的なプロセスは、以下のステップで進めることが一般的です。

1. 要求仕様の定義

シーケンス制御の目的を明確にし、必要な動作や条件を詳細に定義します。
各動作に対するトリガー条件や停止条件を把握し、それを見える化することで設計上の漏れを防ぎます。

2. フローチャートの作成

全体の流れを視覚的に整理するためにフローチャートを作成します。
各ステップにおいてどのような入力が必要で、どのような出力が発生するのかを明確にし、動作の順番やシーケンスを整理します。

3. 回路図の設計

フローチャートを基に、具体的な電気回路図を設計します。
ここでは、リレーやPLCの接続、センサーなどの入力デバイスとの配線を適切に考慮します。

ラダープログラミングの基礎

ラダープログラミングは、シーケンス制御を実現するためのプログラミング手法の一つで、リレー接点式の論理回路を模したプログラム言語です。
プログラムは直感的で視覚的に理解しやすく、多くの製造現場で採用されています。

ラダープログラミングでは、「ラダー」と呼ばれる回路図の形態を持ったプログラムを用い、接点とコイルによる論理演算で機械を制御します。
これにより、直感的に動作の流れを追うことが可能となり、トラブルシューティングがしやすくなります。

ラダープログラミングの応用と実践

ラダープログラミングの実践では、各ステップを理解し、適切な命令を用いて制御を実現することが求められます。
以下に、ラダープログラミングを実際に応用する際のポイントを紹介します。

1. 基本命令の活用

ラダープログラミングでは、基本的な命令として「接点」(接続)や「逆接点」(非接続)、及び「コイル」(出力命令)が使用されます。
これらを組み合わせて、基本的な論理回路を構築することができます。

2. 時間計測の活用

タイマーの命令を使用すると、特定の時間後に動作を発生させることができ、シーケンス制御の中での遅延操作やタイムチャートに基づく動作を実現することができます。
このような機能は、特に多段階の動作が必要な場合に有効です。

3. カウンターの利用

ラダープログラミングにはカウンターの命令もあり、特定の条件が満たされた回数に応じて動作を開始することができます。
これにより、一定のプロセスサイクルや数に応じた制御を容易に実現します。

4. 論理制御の設計

複雑なシーケンス制御を実現するためには、条件分岐や論理操作を駆使して、状況に応じた動作の分岐を設計します。
ここでは、複雑な条件を組み合わせたり、優先順位を設ける工夫が求められます。

昭和から続くアナログ業界のデジタル化への挑戦

製造業界では、昭和時代に確立されたアナログ技術が今でも多くの現場で根付いています。
しかし、デジタル化の波に乗り遅れないためには、これらの技術をデジタル化することが望ましいです。

生産性向上のためのデジタル活用

デジタル技術の導入は、生産性や品質の向上に寄与します。
IoTやAIを活用した製造プロセスの最適化や、リアルタイムデータの解析による迅速な意思決定などがその例です。
また、プログラミングの自動化を推進することにより、手作業によるミスの削減や、オペレーターの負担軽減を目指します。

人間の感性と直感の融合

デジタル化が進む中でも、製造現場では人間の感性や直感が重要です。
特に新しいシステムの導入においては、操作性や実用性を重視する必要があります。
デジタル技術をうまく活用しつつ、人間の直感や経験を活かしたシステム設計が求められます。

まとめ

シーケンス制御の基礎とラダープログラミングは、製造業における自動化の重要な柱です。
正確な制御を実現するためには、制御対象の動作を理解し、適切な設計と命令を活用することがポイントです。
また、デジタル化の進展に伴い、従来のアナログ技術の良さを引き継ぎつつ、最新のデジタル技術を積極的に取り入れることが求められます。

これにより、昭和から続く製造業界の遺産を大切にしつつ、未来の生産現場の効率化・信頼性向上に寄与することが可能になります。

資料ダウンロード

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

ユーザー登録

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

オンライン講座

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)

You cannot copy content of this page