投稿日:2025年1月11日

HCDプロセスに基づく使いやすい製品開発を行うための実践方法(カスタマージャーニーマップ作成/構造化シナリオ法/使いやすいUI作成/自己評価手法)

はじめに

近年、製造業においてもユーザー中心設計(HCD: Human-Centered Design)の重要性が増しています。
製品がユーザーのニーズに合致し、使いやすいものになるよう、設計段階からユーザーの視点を取り入れる手法が求められています。
この記事では、HCDプロセスに基づいた使いやすい製品開発を行うための具体的な実践方法について解説します。
カスタマージャーニーマップの作成、構造化シナリオ法、使いやすいUIの作成、そして自己評価手法に焦点を当てます。

カスタマージャーニーマップ作成

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップは、ユーザーが製品やサービスを利用する際の体験過程を視覚化したものです。
このマップを作成することで、ユーザーの視点からプロセス全体を理解し、改善ポイントを見つけることができます。

効果的なカスタマージャーニーマップを作成するステップ

1. **ペルソナ設定**
まず、製品の代表的なユーザー層を想定し、ペルソナを設定します。
これにより、具体的なターゲットユーザー像を定義し、より的確なマップ作成が可能となります。

2. **ユーザー行動の把握**
ユーザーが製品を使用する際の全行程を洗い出します。
情報収集から購入、使用、フィードバックに至るまで、詳細なステップを追跡します。

3. **エモーションとニーズの分析**
各ステップでのユーザーの感情やニーズを検討します。
ユーザーの期待、疑問、不満がどこにあるのかを把握することが重要です。

4. **タッチポイントの特定**
ユーザーが接触する重要なポイント(タッチポイント)を見つけ出し、それをより良い体験にするための改善策を考えます。

5. **マップの作成と共有**
得られた情報を元に、視覚的なマップを作成し、チーム内で共有します。
これを基に全員でユーザー体験の向上策について議論します。

構造化シナリオ法の活用

構造化シナリオ法とは?

構造化シナリオ法は、ユーザーの使用シーンを具体的に描写し、製品やサービスがどのように利用されるかを想像する手法です。
この方法で、ユーザーが実際にどのように製品と関わるかをイメージしやすくなります。

構造化シナリオの作成方法

1. **シナリオ設定**
ユーザーの特定の利用状況を想定し、それに対応するシナリオを設定します。

2. **具体的な利用場面の描写**
ユーザーが製品をどのように使うのか具体的に描写します。
使用環境、ユーザーの要求、想定される問題点なども含めて考えます。

3. **問題解決の探求**
シナリオ内で発生する問題を解決するための方法を模索します。
プロトタイプの作成やシミュレーションを行い、シナリオを実際に検証することも有効です。

4. **フィードバックと改善**
作成したシナリオを基に、ユーザーやチームからフィードバックを受けて、製品の改良に役立てます。

使いやすいUI作成

UIデザインの基本原則

使いやすいUI(ユーザーインターフェース)は、ユーザーの操作を直感的かつスムーズにします。
そのためには、以下の基本原則を押さえた設計が求められます。

1. **シンプルさ**
不必要な情報や過剰な装飾を省き、ユーザーが目的にたどり着くまでの操作を簡潔にします。

2. **一貫性**
デザイン要素や操作体系が一貫していることで、ユーザーが迷うことなく利用できるようになります。

3. **視覚的階層**
情報の優先順位を明確にし、重要な情報が直ぐに目に入るようにデザインします。

4. **フィードバック**
ユーザーの操作に対して、システムが適切に応答し、現状を把握しやすくします。

UI設計プロセスのステップ

1. **ユーザー調査**
UI設計の出発点として、ユーザーのニーズ、要求、操作環境を詳細に探ります。

2. **情報設計**
表示される情報の配置と流れを設計し、全体のフローを俯瞰できる状態にします。

3. **ワイヤーフレームの作成**
UIの基本構造を描いたワイヤーフレームを作成し、デザインの大枠を決定します。

4. **プロトタイプの作成とテスト**
インタラクティブなプロトタイプを作成し、ユーザーテストを通じて設計の効果を検証し、改善点を特定します。

5. **最終デザインと実装**
テスト結果を反映してデザインを仕上げ、開発チームと共に実装工程へと進めます。

自己評価手法

自己評価の意義と目的

自己評価は、製品開発プロセスの中で自分たちの取り組みを客観視し、改善点を見つけるための重要なステップです。
これにより、品質の向上やユーザー満足度の高い製品開発が可能になります。

効果的な自己評価の方法

1. **KPI(重要業績評価指標)の設定**
明確なゴールを設定し、評価の指針となるKPIを決めます。
これにより、評価基準が明確になり、成果をより具体的に確認できます。

2. **データ収集**
ユーザーテストや市場調査、フィードバックから得られるデータを収集し、評価の土台を築きます。

3. **分析と評価**
収集したデータを分析し、目標に対する達成度を評価します。
数字だけでなく、ユーザーの声をしっかりと反映させることが重要です。

4. **改善計画の立案**
評価結果を基に、改善すべき点を抽出し、具体的な改善計画を立案します。

5. **フィードバックの循環**
改善を施して再評価を行い、評価・改善のサイクルを回し続けます。
継続的なフィードバックプロセスは、製品の品質向上につながります。

まとめ

HCDプロセスに基づく製品開発は、ユーザーの視点を深く掘り下げることで、使いやすい製品を生み出す鍵となります。
カスタマージャーニーマップや構造化シナリオ法を活用し、ユーザー体験を可視化・具体化することが第一歩です。
さらに、使いやすいUIをデザインし、自己評価手法を駆使して改良を続けることで、製品の質を高め、競争力を維持することができます。
製造業においても、ユーザーを中心とする視点が新たな価値を生み出す力となるでしょう。

資料ダウンロード

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

ユーザー登録

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

オンライン講座

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)

You cannot copy content of this page