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投稿日:2025年4月2日

FTIRによる異物分析サンプリングの基礎とスペクトル解析技術実践講座

FTIRによる異物分析の重要性

製造業の現場では、製品の品質を確保するために異物混入を未然に防ぐことが求められています。
異物が混入することで、製品の信頼性が損なわれるだけでなく、顧客への影響や生産ラインの停止といった大きな問題にも繋がります。
異物分析の技術は、問題が発生した時にも原因を特定し、迅速な対応を可能にします。
その中でもFTIR(フーリエ変換赤外分光法)は、異物の組成や特性を高精度に特定するための有力な手段です。

FTIR技術の基本原理

FTIRは、サンプルに赤外線を照射し、物質が特定の波長を吸収する性質を利用して成分を分析します。
異物が含む化学結合ごとにユニークなスペクトルを生成するため、これを用いて物質の同定が可能です。
この技術は、非破壊的であり、固体、液体、ガスなど様々な形態のサンプルに対応可能な点が特徴です。

FTIRの装置構成

FTIR装置は、大きく分けると光源、干渉計、サンプルホルダー、検出器、コンピュータから構成されています。
光源からの赤外線は干渉計で特定の波長に分けられ、サンプルに当たった後、検出器でスペクトルデータとして取得されます。
このデータはコンピュータで解析され、対象物質の同定が行われます。

異物サンプリングの手法

FTIRを用いた異物分析の第一歩は、適切なサンプリングです。
異物のサンプリングは、分析の成功を左右する重要な工程であり、サンプリングの技術が確立されていないと、誤った結果につながる恐れがあります。

サンプル準備の基本

異物サンプルは、なるべくそのままの状態で採取することが望ましいですが、状況に応じて事前処理が必要な場合もあります。
油汚れがある場合は、無溶媒洗浄または揮発性の溶媒での簡単な洗浄が推奨されます。
また、粉体の場合は押しつぶして圧板法で測定するなどの準備が考えられます。

スペクトル解析技術の実践

サンプリングが完了したら、いよいよスペクトル解析の段階に進みます。
FTIRによるスペクトル解析は、良好なデータを取得するだけではなく、正しい波長情報の利用によって的確な判断を下すことが重要です。

スペクトル解析の基本手順

解析は、得られたスペクトルのピークを分析することから始まります。
ピークの位置(波数)と強度(吸収率)から、対象物質の特性を知ることができます。
また、ライブラリに登録された既知のスペクトルとの比較によって、未知の物質の同定が行われます。

異物の特性評価と同定

異物分析においては、異物そのものの化学的特性の評価と、それを基にした同定が求められます。
ピーク位置が一致する物質をライブラリから見つけ出すことで、異物の判別が可能です。
また、複合材料の場合は、全成分を含む多様なピークを分析する必要があります。

FTIR解析の成功事例

FTIRを用いることで、これまで分からなかった複雑な異物の同定が可能になり、製品の品質向上に貢献した事例は数多く存在します。

事例1: 塗装工程における異物混入

ある塗装工程では、製品に微小な異物が付着し、塗装ムラが発生する問題がありました。
FTIR分析により、異物はペンキ成分ではなく、機器のプラスチック部品の破片と判明し、機器の改良が即座に行われました。

事例2: 医療機器のガス透過障害

医療機器の製造過程で、想定外のガス透過性の低下が発生しました。
FTIRの分析を通じて、原因はガスバリア素材に含まれる不純物質であることが判明し、サプライヤーの原材料管理が改善されました。

まとめ

FTIRによる異物分析は、製造業にとって欠かせない技術であり、その精度と迅速性は製品の品質保証を確実なものにします。
異物の正確な同定によって、問題の早期解決が可能となり、それは製品の信頼性向上に直結します。
製造業界に従事するすべての方々がこの技術を理解し、活用することで、さらなる業界の発展が期待されます。

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