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購買部門が知っておくべき輸入商品の品目別関税率の基本
目次
はじめに
輸入業務において、関税は避けて通れない重要な要素です。
関税率は商品によって異なり、購買部門としてはどの関税率が適用されるのかを理解しておくことが、利益最大化やコスト削減につながります。
今回は、品目別関税率の基本について解説するとともに、輸入業務におけるポイントを押さえ、実務に役立つ情報を提供します。
関税とは何か
関税とは、輸入品が国内市場に持ち込まれる際に徴収される税金のことです。
政府が外貨獲得のためと国内産業保護のために設けており、輸入品の価格に直接影響を与えます。
関税によって輸入品の価格競争力が低下する一方、国内製品が競争優位性を持つことができます。
品目別関税率の分類
関税率は、通常、特恵税率、普通税率、特別税率の3つに分類されます。
特恵税率
特恵税率は、発展途上国や最貧国からの輸入品に対する特別優遇措置です。
特定の品目については、関税が免除されることもあります。
これにより、発展途上国からの輸入品に対して、更なる市場開放が図られます。
普通税率
普通税率は、通常の関税率であり、特に優遇措置がない商品が対象です。
特恵税率や特別税率が適用されない商品は、この普通税率に該当します。
多くの場合、WTO(世界貿易機関)などの国際条約によって定められています。
特別税率
特別税率は、輸入国が特定の品目や国に対して特別に設定する関税率です。
アンチダンピング税や補助金相殺税など、著しい低価格で輸入される商品や不正な政府補助を受けている商品に適用されることが多いです。
品目別関税率を左右する要因
商品分類コード(HSコード)
品目別の関税率は、主にHSコード(Harmonized System Code)に基づいて決定されます。
HSコードは商品ごとに付けられた6桁から10桁の番号で、国際的に統一された商品分類システムです。
このコードにより、どの関税率が適用されるかが判別でき、国際間での貿易における共通言語とも言えます。
貿易協定
自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などの貿易協定により、関税率が引き下げられる場合があります。
これらの協定によって、関税が撤廃されるか、段階的に削減されることが多く、輸入業務において考慮すべき重要な要素です。
商品原産地規則
商品がどの国で生産されたのかに基づく原産地規則も重要です。
特定の国や地域で生産された商品には、より低い関税が適用されることがあります。
例えば、アセアン地域で生産された商品は、アセアン自由貿易地域(AFTA)加盟国間では無税になるなど、原産地規則によって関税優遇が受けられる場合があります。
関税率の確認方法
輸入関税率表の参照
国ごとに発行されている輸入関税率表を参照することで、品目別の関税率を確認することができます。
これらの表は、各国の税関や関連機関のウェブサイトで公開されており、貿易業務に従事する際の基本的な資料となります。
税関へ直接問い合わせ
不明点がある場合は、税関へ直接問い合わせることも一つの方法です。
税関の専門家からのアドバイスや情報を得ることで、誤りや問題の発生を未然に防ぐことができます。
貿易専門家や通関業者への依頼
貿易専門家や通関業者に依頼することも有効です。
彼らは関税に関する詳細な知識を持っており、適切な手続きをサポートしてくれますので、スムーズな輸入業務を確保することができます。
購買部門が注意すべき点
原価計算への影響
関税率の変動により、輸入商品の原価が大きく変わることがあります。
これが利益率や最終販売価格に与える影響をしっかりと把握しておくことが重要です。
関税率の変更に備えて、商品コストのシミュレーションを行い、急な変動への対応策を準備しておくと良いでしょう。
サプライチェーンの見直し
関税が高くなる場合、別の地域から調達することを検討する必要があります。
たとえば、関税の低い国や地域からの調達を優先することで、コストを抑えることができます。
サプライチェーンの見直しには、リードタイムや品質の変化をきちんと考慮に入れる必要があります。
契約条件の確認
取引先との契約条件に関税に関する事項が含まれていることを確認しておくと良いです。
例えば、関税分の負担や関税率変更時の対応について、あらかじめ明確にしておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。
今後のトレンド
関税デジタル化の進展
今後、関税手続きのデジタル化が進むことで、関税に関する業務は大幅に効率化されることが予想されます。
デジタル化により、関税額の計算や通関手続きがスムーズに行われ、輸入業務の迅速化が期待されます。
保護主義の高まりと関税政策
近年、保護主義の高まりから、各国で関税政策の見直しが進んでいます。
これにより、関税率の引き上げや新たな関税の導入の可能性があります。
購買部門は常に最新の情報を収集し、柔軟に対応する準備が必要です。
サスティナブルな貿易の促進
環境に配慮した製品への関税優遇措置が導入される動きが見られます。
持続可能な貿易を促進するため、環境認証を取得した製品の輸入において関税が引き下げられる可能性があります。
企業はこの点を考慮し、環境負荷の少ない製品の調達を行うことで、競争力を高めることができます。
まとめ
関税は輸入業務における重要な要素であり、購買部門は品目別関税率を理解することが求められます。
HSコードや貿易協定、原産地規則など、関税が決まる要因を把握することで、輸入コストを管理しやすくなります。
また、関税に関する情報を常に収集し、契約条件の確認やサプライチェーンの最適化を行うことで、柔軟かつ効率的な購買戦略を築くことができます。
今後の貿易デジタル化の進展や環境配慮型の貿易促進にも注目し、適切に対応することが求められるでしょう。
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