- お役立ち記事
- 伝熱熱回路網法の基礎と効果的な放熱冷却に活かす熱解析の応用事例
月間77,185名の
製造業ご担当者様が閲覧しています*
*2025年2月28日現在のGoogle Analyticsのデータより

伝熱熱回路網法の基礎と効果的な放熱冷却に活かす熱解析の応用事例

目次
伝熱熱回路網法とは?
伝熱熱回路網法は、複雑な熱伝導の問題をシンプルな電気回路のアナロジーで解決する方法です。
この方法は、電気回路の非常に分かりやすい特性を利用して、熱の伝わり方をモデル化します。
要するに、電気抵抗を熱抵抗として捉えることで、熱の流れを電流の流れとして置き換えます。
電圧差が温度差を意味し、電流が熱流束、そして抵抗が熱抵抗に相当するというシンプルな置き換えを行います。
この方法は特に、多層構造の固体内やプリント基板のような小型で複雑な形状の伝熱解析に応用されます。
複雑な幾何学的構造に応じて、適切な抵抗や熱容量を設定し、回路として組み立てることで、効率的に熱解析が可能となります。
伝熱熱回路網法の利点と制約
利点
この手法の最大の利点は、複雑な熱問題を単純化して計算できるところにあります。
また、電気回路理論を用いることで、既存のシミュレーションツールや知識を活用でき、手早く計算結果を得ることが可能です。
さらに、熱抵抗の考え方を採用することで、直感的に改善の余地を見つけやすく、設計者にとっても解釈しやすいという利点があります。
制約
一方、この方法にはいくつかの制約も存在します。
熱回路網法は提案された構造のモデル化において、簡略化しすぎた場合、現実の複雑さから外れる可能性があります。
特に、温度が時間とともに変化する非定常状態の解析には限界があります。
また、材料の熱特性が温度依存の場合、線形近似として扱うこの手法では、精度が不足することがあります。
効果的な放熱・冷却における伝熱熱回路網法の活用
現代の製造業において、特に電子機器の小型化・高性能化にともない、放熱・冷却の効率化は避けて通ることのできない課題です。
伝熱熱回路網法を用いることで、熱の流れを迅速かつ正確に解析することができ、製品設計段階での熱設計の最適化が実現可能です。
例えば、集積回路(IC)のようなデバイスでは、非常に限られたスペースに集積された複数の熱源が存在します。
これらのデバイスは、小型ファンやペルチェ素子、あるいはヒートシンクなどの放熱部品と組み合わせて使用されます。
熱回路網法を使うことで、デバイス内の温度分布を解析し、最適な放熱部品の選定やレイアウトを提案することができます。
応用事例:電子基板の熱解析
電子基板における熱解析は、多数の部品が集積されるため、その効果的な冷却設計は難易度が高いものです。
伝熱熱回路網法を使用すると、例えば各部品ごとの熱抵抗値を設定し、一連の回路網としてモデル化することで、部品間の熱インタラクションを評価できます。
結果として、シミュレーションによる温度予測が可能となり、どの部品がホットスポットになるのかを予測できます。
これにより、ヒートシンクの設計やファンの選定・配置を合理的に行い、冷却効果を高めることができます。
熱回路網の設計における工夫
伝熱熱回路網法を効果的に活用するためには、以下のポイントに注意する必要があります。
熱抵抗の正確な設定
部品や材料の熱抵抗を正確に設定することは、耐熱性や冷却効果を判断する基礎となります。
人の手による計算では概算の設定に留まることが多いですが、シミュレーションツールを用いることで、高精度な値を設定することが可能です。
温度感応性の考慮
各材料の熱特性が温度によって異なる場合、それらを正確にモデルに組み込む必要があります。
温度による特性変化を反映することで、より現実的な結果を得ることができます。
複数の解析手法の併用
伝熱解析は、熱回路網法だけでなく、有限要素法(FEM)など他の手法と併用することで、さらに精度を高めることができます。
FEMを用いることで、複数の境界条件を詳細に扱えるため、熱回路網法とのハイブリッドアプローチが効果的です。
まとめ
伝熱熱回路網法は、製造業における熱問題の効果的な解決手段を提供します。
その電気回路アナロジーのシンプルさ故に、多くの場面で迅速かつ的確な熱解析が可能となります。
この方法を正確に用い、効果的な放熱・冷却を行うことで、製品の信頼性と性能向上を実現することができます。
これらのノウハウを活用し、競争力のある製品開発を目指すことは、製造業者に求められる重要な課題です。
現場経験者として、技術が進化し続ける中でも、その変革に柔軟に対応し、最先端の技術を取入れていくことが不可欠です。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
ユーザー登録
受発注業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた受発注情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)