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価値を生むデータ活用術:記録データの有効活用
目次
データ活用の重要性
データ活用は、今日の製造業において競争力を維持・向上させるための重要な手段となっています。
データを正しく収集し、分析することで、生産プロセスの最適化や品質管理の向上、コスト削減といった具体的な成果をあげることができます。
一方で、収集したデータをどのように活用するかが課題となります。
ただデータを蓄積するだけでは、真の価値を引き出すことは難しいです。
そのため、適切なデータ活用術を身につけることが必要です。
この章では、データ活用の重要性とその基本的な概念について掘り下げていきます。
記録データの種類と収集方法
データにはさまざまな種類があり、それぞれが異なる方法で収集されます。
製造業では、以下のようなデータが代表的です。
生産データ
生産データは、製造プロセスに関する情報を含みます。
具体的には、製品の生産量、サイクルタイム、ダウンタイム、段取り時間などが含まれます。
これらのデータは、生産ラインのパフォーマンスを評価するための基本情報となります。
品質データ
品質データは、製品の品質に関する情報を収集します。
例えば、寸法測定データ、不良品数、欠陥の種類や発生頻度などがこのカテゴリに含まれます。
品質データは、品質管理や品質向上のために重要な役割を果たします。
設備データ
設備データは、工場内の設備や機械の状態を把握するためのデータです。
稼働時間、メンテナンス履歴、故障履歴、設備の性能指標(KPI)などが含まれます。
これらのデータは、設備の効率的な運用や保全計画に役立ちます。
収集方法
データの収集には、センサーやIoTデバイスが活用されます。
例えば、温度センサー、振動センサー、圧力センサーなどを設備に取り付けることで、リアルタイムでデータを収集することが可能です。
また、製品検査設備や生産管理システム(MES)を利用して、品質データや生産データを自動的に収集することも一般的です。
データ分析の手法
データを収集した後は、そのデータを分析し、有用な情報を引き出すことが重要です。
データ分析の手法には、以下のようなものがあります。
基本的な分析手法
基本的な分析手法として、ヒストグラムや散布図、箱ひげ図といった統計的手法が挙げられます。
これらの手法を用いることで、データの分布や傾向、異常値などを視覚的に把握することができます。
多変量解析
多変量解析は、複数の変数を同時に分析する手法です。
例えば、回帰分析や主成分分析、クラスタ分析などがあります。
これにより、異なるデータ間の関連性や潜在的なパターンを明確にすることができます。
機械学習とAI
近年では、機械学習や人工知能(AI)を活用したデータ分析が注目されています。
これらの技術を用いることで、大量のデータから自動的にパターンを見つけ出し、予測や最適化に活かすことができます。
例えば、故障予測や需要予測、最適な生産スケジュールの自動生成などがあります。
データ活用の実践例
ここでは、実際にデータ活用を行った事例をいくつか紹介します。
生産効率の向上
ある自動車部品メーカーでは、生産ラインのデータをリアルタイムで収集・分析することで、生産効率の向上を実現しました。
具体的には、ダウンタイムの発生原因を特定し、対策を講じることで、稼働率を改善しました。
また、段取り時間の短縮にも成功し、生産サイクルタイムを大幅に削減しました。
予防保全
設備データを活用し、予防保全を行った事例です。
ある製鉄所では、設備に取り付けた振動センサーや温度センサーによって、設備の状態をリアルタイムで監視しています。
データを分析することで、故障の予兆を早期に検知し、計画的なメンテナンスを行うことで、突発的な故障を防ぎました。
品質向上
品質データを解析し、品質向上に繋げた事例です。
ある電子部品メーカーでは、製品検査データを詳細に分析することで、不良品の発生原因を特定しました。
その結果、製造プロセスの改善点を明確にし、不良品の削減に成功しました。
データ活用を成功させるためのポイント
データ活用を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。
データの質を確保する
まず、データの質を確保することが重要です。
データが正確でなければ、いくら高度な分析手法を用いても信頼性のある結果を得ることはできません。
データの収集方法や計測器のキャリブレーションを適切に行い、データの精度を確保しましょう。
適切な分析手法を選択する
次に、適切な分析手法を選択することが必要です。
データの種類や目的に応じて、最適な分析手法を選びましょう。
統計的手法や機械学習など、多様な手法を駆使することで、より正確な情報を引き出すことができます。
データの共有と可視化
データを効果的に活用するためには、組織内での共有と可視化が不可欠です。
データを容易にアクセスできる形で保存し、グラフやチャートを用いて視覚的に表現することで、誰でも容易に理解できるようにします。
これにより、関係者全員が同じ情報を共有し、一致団結して課題解決に取り組むことができます。
継続的な改善
データ活用は一度だけで終わるものではありません。
継続的なデータ収集と分析を行い、改善のサイクルを回し続けることが重要です。
これにより、常に最適な状態を維持し、競争力を高めることができます。
まとめ
データ活用は、製造業の現場で大きな価値を生み出す手段です。
記録データの適切な収集と分析を行うことで、生産効率の向上、予防保全、品質向上といった具体的な成果を得ることができます。
成功のためには、データの質の確保、適切な分析手法の選択、データの共有と可視化、そして継続的な改善が重要です。
これらのポイントを抑えて、データを正しく活用し、持続的な成長を実現しましょう。
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