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購買部門がリードする持続可能な調達基準の策定と運用例
目次
持続可能な調達基準策定の重要性
サプライチェーンにおける持続可能性への関心が高まるなか、製造業の購買部門が持つ役割はますます重要になっています。
企業が市場で競争力を保つためには、環境・社会・経済的に持続可能な方法で資源を調達することが求められています。
持続可能な調達基準を策定することで、企業は環境負荷を軽減し、労働条件の改善、地域社会への貢献、透明性の向上を目指すことができます。
以降の記事では、持続可能な調達基準の具体的な策定プロセスと、運用されている成功例について見ていきます。
持続可能な調達基準の策定プロセス
1. 現状分析と目標設定
まず始めに購買部門は自社の現状をしっかりと把握する必要があります。
サプライヤーとの関係性や調達プロセスにおける環境負荷、社会的影響を調査します。
その上で、企業全体の持続可能性目標と整合する形で、調達における具体的な目標を設定します。
この段階では、ISOなどの国際基準や業界ガイドラインを参考にすることが有効です。
2. 基準の策定と文書化
現状分析と目標設定が完了したら、具体的な持続可能な調達基準を策定します。
この基準は、環境への配慮、労働者の権利保障、公正な取引の維持といった点を含めます。
基準策定には、社内外のステークホルダーの意見を取り入れることが重要です。
各部門との協議や、サプライヤーとのコンサルテーションを通じて、多面的な視点から基準を策定し、文書化します。
これにより、購買プロセスが透明であることを保証します。
3. 評価と選定のプロセス導入
持続可能な調達基準を管理するためには、サプライヤーの評価と選定のプロセスを導入する必要があります。
評価プロセスでは、持続可能性の観点からサプライヤーを定量的あるいは定性的に評価します。
また、選定基準は透明で一貫性のあるものでなければなりません。
これにより、基準に適合するサプライヤーを適切に選定することができます。
運用例: リーディングカンパニーの実践
1. トヨタ自動車の持続可能な調達基準
トヨタ自動車は、持続可能な調達において業界をリードする存在です。
トヨタでは「グリーン・サプライヤー・グループ」を設立し、サプライヤーに対して環境への貢献を求めています。
具体的には、「トヨタ環境チャレンジ2050」に基づき、非再生エネルギーの使用削減、廃棄物の削減、環境効率向上などを推進しています。
トヨタはサプライヤーと連携し、持続可能性のリスク分析や、改善策の策定を行うことでサプライチェーン全体の持続可能性を高めています。
2.アップルの責任ある調達
もう一つの成功例として、アップルの責任ある調達が挙げられます。
アップルは「Supplier Responsibility Progress Report」を毎年発行し、サプライヤーの持続可能性へのコミットメントを評価・監査しています。
アップルは特に、素材の調達における倫理的配慮を重視しており、紛争鉱物の使用を排除するための取り組みを続けています。
透明性を高めるために、すべてのサプライヤーの評価結果を公開し、持続可能性への取り組みを強化しています。
持続可能な調達基準策定の未来
持続可能な調達基準の策定は、一企業の内部プロセスにとどまらず、業界全体に波及する影響を持ちます。
今後の潮流として、デジタルトランスフォーメーションやAI技術を駆使したより高度な分析と、それに基づくサプライヤー関係の最適化が進むと予測されます。
購買部門は、データの可視化技術を用い、サプライチェーン全体の透明性を高めると共に、より効率的な持続可能性評価を行うことが求められます。
総括すると、持続可能な調達基準の策定と運用は、企業の社会的責任を果たすための重要なステップです。
これを適切に実行することで、企業は持続可能な成長への道筋を描くことができ、長期的に安定した市場地位を築くことが可能です。
購買部門を中心に、全社的な取り組みを進めていくことが求められています。
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