投稿日:2024年9月11日

3軸加工と5軸加工の違い

はじめに

製造業において、部品や製品の高精度、高品質な加工は極めて重要です。
その中で、3軸加工と5軸加工は特に注目される技術です。
どちらもCNC(Computer Numerical Control)機械を用いて、部品や製品の加工を行うものですが、それぞれの特徴とメリット・デメリット、そして適用される場面が異なります。
この記事では、3軸加工と5軸加工の違いについて詳しく解説していきます。

3軸加工の基本

3軸加工とは

3軸加工は、X軸、Y軸、Z軸という3つの軸に基づいて部品を削る方法です。
具体的には、工具が左右(X軸)、前後(Y軸)、上下(Z軸)の3軸方向に動きます。
この方式は古くから利用されており、一般的な部品加工に広く用いられています。

3軸加工のメリット

3軸加工のメリットとしては次の点があります。

– **コストが低い**:3軸加工機は5軸加工機に比べて一般的に安価であり、導入コストが抑えられます。
– **操作が容易**:操作方法が比較的シンプルであり、初心者でも扱いやすいです。
– **プログラミングが簡単**:NCプログラムの作成が5軸よりも容易で、トライアンドエラーも少なくなります。

3軸加工のデメリット

逆に、3軸加工にはいくつかのデメリットも存在します。

– **複雑な形状の加工が難しい**:3軸では複雑な形状や多面体の加工が難しく、多軸加工が必要な場合もあります。
– **工具のアクセス制限**:工具のアクセス範囲が制限されるため、一部加工が難しい部位があります。
– **冗長な作業が多い**:隠れた部分の加工や工具の取り換え頻度が高くなります。

5軸加工の基本

5軸加工とは

5軸加工では、X軸、Y軸、Z軸に加えて、回転軸(A軸とB軸)が追加されます。
つまり、3軸に加え、部品そのものを回転させることができるため、非常に複雑な形状の加工が可能です。
この方式は航空機部品や医療機器など、高精度が求められる場面で多用されます。

5軸加工のメリット

5軸加工には多くのメリットがあります。

– **複雑な形状の加工が可能**:従来の3軸では困難な、非常に複雑な形状や多面体の加工が容易に行えます。
– **高精度な加工**:高い精度を持ち、工程数を削減しながら一度のセットアップで多くの面を加工できます。
– **工具の効率的な利用**:工具のアクセス範囲が広がり、作業が効率化されます。

5軸加工のデメリット

しかし、5軸加工には次のようなデメリットもあります。

– **高コスト**:5軸加工機は高価であり、導入コストが3軸加工機と比べて非常に高いです。
– **操作が難しい**:操作方法が複雑で、熟練技術者が必要とされます。
– **プログラミングが複雑**:5軸の動きを正確に制御するため、NCプログラムの作成が難しくなります。

3軸加工と5軸加工の比較

精度と複雑性

3軸加工と5軸加工の一番の違いは、加工できる部品の精度と複雑性です。
5軸加工機では、工具が何度も取り替わることなく、さまざまな角度からアプローチできるため、非常に高精度で複雑な形状の加工が可能です。
一方、3軸加工は基本形状や比較的簡単な部品の加工に向いています。

コスト

3軸加工は一般的に低コストでの運用が可能です。
これは初期投資や保守コストが低いためです。
5軸加工はその逆で、非常に高価な機械と熟練した技術者を必要としますが、設定の簡便さや工程削減によってトータルコストを削減できる場合もあります。

適用範囲

3軸加工機は一般的な部品製造に多く利用されますが、5軸加工機は航空宇宙産業や医療機器製造といった高度な技術が要求される分野に特に使用されます。
複雑な設計が可能なため、特殊部品の製造に適しています。

最新技術の動向

製造技術は日々進化しています。
最新技術により、3軸加工機や5軸加工機も進化しています。

自動化とAIの導入

最近では、AIや自動化技術を利用して加工機の性能を向上させる試みが進んでいます。
CNCシステムにAIを導入することで、プログラミングの自動化やトラブルシューティングも容易になり、効率がさらに向上しています。

高精度センサーの採用

5軸加工機には、高精度センサーが組み込まれるようになり、リアルタイムで工具の位置や加工状態を監視・調整する仕組みが発展しています。
これにより、加工精度がさらなる高水準に達しています。

まとめ

3軸加工と5軸加工は、それぞれに特徴と適用範囲が異なります。
3軸加工は低コストで一般的な部品の製造に適しており、5軸加工は高コストながらも高精度で複雑な形状の加工が可能です。
製造業においてどちらを選択するかは、製造する部品の仕様やコストによって判断することが重要です。
最新技術の導入により、これからも製造業は進化し続けるでしょう。

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