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デジタルアナログ混載型車載電子機器におけるEMC性能の確保とその向上技術

目次
はじめに
デジタル技術の発展に伴い、多くの車載電子機器がデジタル化されていますが、依然としてアナログ技術が必要とされる場面も少なくありません。
特に、デジタルとアナログ技術が混在する車載電子機器では、電磁両立性(EMC)の確保が非常に重要です。
本記事では、EMC性能を確保するための基本的な考え方と、実際の現場における応用技術について詳しく解説していきます。
EMCとは何か?
EMCはElectromagnetic Compatibilityの略で、電子機器が外部からの電磁干渉を受けずに正常に動作するための基準です。
また、逆に電子機器自体が外部に対して電磁干渉を引き起こさないようにすることも含まれます。
車載電子機器においては、特にこのEMC性能の確保が重要です。
なぜなら、車は多くの電子機器が密集しており、それらが互いに影響を及ぼし合う可能性があるからです。
デジタルとアナログの違いとその影響
デジタル回路はオン・オフの2状態で情報を処理しますが、アナログ回路は変動する信号を連続的に処理します。
そのため、デジタル回路はノイズに強い一方、アナログ回路はノイズに影響されやすいという特性を持っています。
車載電子機器がデジタルとアナログの混載型である場合、特にデジタル回路からのノイズがアナログ回路に悪影響を及ぼすことが多く、この均衡を保つことがEMCの鍵となります。
デジタル回路の影響
デジタル回路は基本的に高速で動作するため、高周波ノイズが発生しやすいです。
この種のノイズは放射され、周囲のアナログ回路に影響を及ぼすことがあります。
アナログ回路の影響
アナログ回路は小さな信号を増幅する用途が多いため、微細な電磁ノイズでも動作に影響を与えかねません。
また、アナログ回路自体が振動や温度変化により予期しないノイズを発生することもあります。
EMC性能を確保するための設計テクニック
EMC性能を向上させるためには、設計段階での配慮が欠かせません。
以下に一般的な設計テクニックを紹介します。
適切なPCBレイアウト
PCB(プリント回路基板)の設計では、ノイズが発生しやすいデジタル回路と、ノイズに弱いアナログ回路を物理的に離すことが基本です。
また、両者を接続するトレースをできるだけ短くすることでノイズの混入を防ぎます。
電源とグランドの分離
電源とグランドのレイアウトは、ノイズ対策の中で最も基本的かつ重要な部分です。
電源とグランドを独立させ、アナログ回路用とデジタル回路用に分けることでノイズの混入を避けます。
シールドの活用
シールドすることで、外部からのノイズを軽減することが可能です。
また、特定の回路部分だけでなく、筐体全体のシールドを意識することでより強固なEMC性能を実現できます。
テストと評価
設計が完了したら、厳密なテストと評価を行い、設計が意図通りに機能することを確認することが重要です。
EMCテストの実施
専用のEMCテスト設備で、放射電磁妨害(radiated emissions)や伝導電磁妨害(conducted emissions)を測定し、規格を満たしているかを確認します。
設計のフィードバックと改善
テスト結果をもとに、どの部分が改善の余地があるのかを詳しく分析します。
これにより、次の開発サイクルでの設計に活かすことができます。
今後の技術動向
経済のデジタル化が進む中、さらに多くのデジタル技術が車載電子機器に組み込まれていくことが予想されます。
それに伴い、EMCの重要性も高まるでしょう。
将来的には、AIやIoTの技術も活用し、レアルタイムでEMCを監視・制御する技術が求められるかもしれません。
まとめ
デジタルアナログ混載型車載電子機器におけるEMC性能の確保と向上は、単に設計者だけでなく技術全体の理解と協力が必要です。
我々が培ってきた技術やノウハウを駆使し、今後もより安全で信頼性の高い製品を世に送り出して行くことが求められます。
業界の発展に貢献できるよう、継続的な技術革新と情報共有を続けてまいりましょう。
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