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わかりやすい伝熱工学の基礎と熱利用のための蓄熱・蓄冷技術とその応用
目次
伝熱工学の基礎
伝熱工学は、熱の移動の原理とその利用を研究する学問分野です。
これは、製造業などでのプロセスの効率化や品質向上、エネルギー利用の最適化に大きく関わっています。
伝熱の基本原理には、伝導、対流、放射の三種類があります。
伝導
伝導は物体間での直接的な熱の伝わり方です。
例えば、熱いフライパンの取っ手を手で触るとき、取っ手を通じて手に熱が伝わる現象にあたります。
伝導は、材料の熱伝導率に依存し、金属のような高い熱伝導率を持つ材料では熱が速やかに伝わるのが特徴です。
対流
対流は、流体(液体や気体)が移動することにより起こる熱の伝達です。
例えば、沸騰する温水鍋の中で水が循環することで、下面の熱が上部まで伝わります。
対流は、自然対流(例えば、熱気球)と強制対流(例えば、ファンやポンプを用いるもの)に分かれます。
放射
放射は、物体から電磁波を通じて熱が移動する方法です。
太陽光によって地球が温められるのが典型的な例です。
放射は直接物質を介さないため、真空中でも熱の伝達が可能です。
熱利用のための蓄熱技術
蓄熱技術は、エネルギーの需要と供給の調整に役立つ技術であり、特に製造業におけるプロセスの効率化に貢献します。
蓄熱には、顕熱蓄熱と潜在熱蓄熱があります。
顕熱蓄熱
顕熱蓄熱は、材料の温度変化によって熱を蓄積する方法です。
具体例としては、熱を貯えられる容量の高い材料(例えば、レンガやコンクリートなど)を使用した収納です。
学校やオフィスビルにおける夜間の太陽熱利用などに応用されています。
潜在熱蓄熱
潜在熱蓄熱は、材料の融解や凝固による相変化を利用して熱を蓄える方法です。
水が氷になるときに潜熱を放出する現象をイメージすると分かりやすいです。
先進的な蓄熱材として、パラフィンなどを用いたPCM(相変化材料)があります。
蓄冷技術の基礎
蓄冷技術は、主に冷房や冷蔵の分野で使用され、暑い時期のエネルギー削減や、需要ピークのシフトに役立ちます。
氷蓄冷
氷蓄冷は、夜間の低電力料金時間に水を冷凍して氷を作り、それを昼間に溶かすことで冷却効果を得る方法です。
大型のビルや工場での空調システムに利用され、ピークシフトによる電力コストの削減が可能です。
冷水蓄冷
冷水蓄冷は、低温の水をタンクに貯め、必要なときにその冷水を用いて冷却を行うシステムです。
簡易な構成で導入しやすく、設備の改修なしでも活用できることが魅力です。
蓄熱・蓄冷技術の応用
これらの技術は、製造業のプロセスの多くの場面で利用されています。
製造プロセスでの活用
製造プロセスでは、例えば鋼材を冷却する過程で蓄冷技術が用いられています。
冷水蓄冷システムを使用することで、製品の品質向上や製造サイクルの短縮につながります。
工場のエネルギーマネジメント
エネルギーマネジメントの観点からは、蓄熱技術を活用することで、エネルギー需要のピークを削減し、エネルギー効率を向上させることが可能です。
これにより、経費削減とともに、環境負荷の低減が図れます。
冷凍・空調の効率化
蓄冷技術は冷凍食品の保存や、大規模な建物の空調において、その効率化に寄与します。
特に、夜間の氷蓄冷や冷水蓄冷を利用することで、昼間の電力消費を抑えることができます。
まとめ
伝熱工学の基本原理を理解し、熱エネルギーの適切な管理を行うことで、製造業における様々なプロセスの効率化が実現されます。
蓄熱・蓄冷技術は、エネルギーの需給調整、コスト削減、環境負荷低減に直結しています。
これらの技術を適切に活用することで、持続可能で競争力のある製造業を築くことが可能です。
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