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輸入関税削減に役立つFTAの活用方法 購買部門が知っておくべき基本
目次
FTAとは何か?基本を押さえる
FTAは「Free Trade Agreement」の略で、日本語では自由貿易協定と呼ばれます。
FTAは締結国間で商品やサービスの貿易を自由化し、関税やその他の貿易障壁を削減することを目的としています。
これにより、参加国間での経済的な交流が活発化し、その結果として国際貿易の発展が期待されます。
FTAの活用によって企業は輸入関税を軽減することができ、コスト削減の大きなメリットを享受できます。
特に製造業においては、材料や部品の仕入れコストが下がることで製品の競争力向上に直結します。
そのため、購買部門の担当者はFTAに対する理解を深め、効果的に活用することが重要です。
FTAを活用するメリットとデメリット
メリット
1. コスト削減
FTAを活用することにより、輸入関税を削減または無くすことができ、輸入製品のコストを大幅に削減できます。
これは企業の収益改善や価格競争力を高めることにつながります。
2. 多様な調達先確保
FTAにより特定の国からの購入に際して有利な条件を得ることができます。
これにより、購買部門は調達先のバリエーションを増やし、リスク分散が可能になります。
3. グローバル市場へのアクセス
FTAは商品やサービスが締結国間でより自由に移動することを可能にします。
これにより、日本国内のみならず海外市場へのアクセスが容易になり、ビジネスチャンスが拡大します。
デメリット
1. 複雑な手続き
FTA適用には原産地証明書の提出など、煩雑な手続きが必要となる場合があります。
これらの手続きが適切に管理されないと、税関での遅延やFTA特典が受けられないリスクがあります。
2. 法的・経済的リスク
国際的な政治状況や経済情勢の変化により、FTAの内容が変更される可能性があります。
その結果、今まで享受していたメリットが急に失われるリスクがあるため、状況の変化には常に注意を払う必要があります。
購買部門が知っておくべきFTA活用の基礎知識
1. 原産地証明とその取得方法
FTAを適用するためには、製品が締結国で生産されたものであることを証明する「原産地証明」が必要です。
これは製品の生産地を示す書類であり、進出している国や商品によって形式や必要な書類が異なることがあります。
購買担当者はこれを正確に理解し、スムーズに手続きを進める技術を身につけることが大切です。
2. 関税率の確認とFTA適用スケジュール
FTA適用対象となる関税率は、商品や時期によって異なります。
各FTAにおいて関税率の変動や適用スケジュールが定められているため、その内容を確認し、最適なタイミングで輸入を行うことが重要です。
3. トランシップメントと第三国関与
FTAは主に締結国間での直接的な貿易を前提としていますが、中には第三国を経由するトランシップメント(積み替え)が必要となる場合があります。
その際には原産地規則を満たすことが非常に重要であるため、各ケースに応じた法令の理解が求められます。
FTAへ適応した購買戦略の構築
FTAを効果的に利用するためには、企業の購買戦略をFTAに合わせて最適化することが求められます。
これには以下の戦略が考えられます。
1. 調達先の国際比較とFTAの有効利用
FTA強化のための購買戦略では、調達先を国際的に比較し、FTAのメリットが最大化できる国を選定することが肝要です。
つまり、単に価格だけでなく、関税率や物流効率なども総合的に考慮して調達先を決定するべきです。
2. 定期的なFTA情報のアップデート
FTA関係法令や規則はしばしば変更があり得るため、購買部門は常に最新の情報を入手し、対応を迅速に行う必要があります。
FTAに携わる担当者が国の公式情報や専門家の意見を定期的に確認する体制を築くことが重要です。
3. ITシステムの導入による効率化
FTAを管理する上で書類手続きが煩雑になることがあります。
これを解決するためにITシステムを活用して、書類管理や関税計算を自動化・効率化することが求められます。
その結果、FTA関連業務を運営する時間を短縮し、手続きミスも防ぐことができるでしょう。
今後のFTA動向と製造業への影響
今後も各国間で新たなFTA交渉が行われることが予想されます。
特に、近年ではアジア地域でのRCEP(地域的包括的経済連携)に注目が集まっています。
このような大規模な経済協定は、製造業にとって大きな影響をもたらします。
一方で、政治的変化によって既存のFTAに影響が出ることも予見されるため、これらに適応する能力が必要です。
製造業界としては、柔軟かつ迅速に動ける体制を整え、外部環境の変化に対応することが、グローバル市場における優位性を保つ鍵となるでしょう。
まとめ
FTAは製造業にとって、輸入関税削減を実現する重要なツールです。
購買部門がFTAを上手に活用することで、コスト競争力を確保し、調達面でのリスクを回避できます。
そのためには、購買担当者がFTAに関する知識を深め、実践的な運用スキルを身につけていくことが求められます。
最新のFTA動向にも常に目を光らせ、グローバルな視点から戦略を構築し続けることが、今後の製造業における成功の鍵となります。
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