投稿日:2024年12月26日

開発段階ごとの他社特許調査方法

はじめに

製品開発において避けて通れないのが特許調査です。
他社がすでに取得している特許を把握することで、技術的な重複を避け、知的財産権侵害のリスクを回避することが可能になります。
また、他社の動向を把握するためにも特許調査は重要な手段となります。
この記事では、開発段階ごとにどのように他社特許を調査するかについて詳しく解説していきます。

開発初期段階の特許調査

市場調査とターゲット絞り込み

開発初期段階では、新しい製品や技術を考案するにあたり、まず市場の動向を把握します。
市場の中でどのような技術や製品が注目されているのかを知るため、特許のみならず市場調査レポートや業界トレンドを確認します。
これにより、ターゲットを明確にし、競争相手の特許状況を先手を打って知ることができます。

基礎特許のスクリーニング

次に、ターゲットとなる技術領域の基礎特許をスクリーニングします。
これには、各国の特許庁が公開している特許データベースを活用します。
特に、特許分類コード(IPCやCPC)を用いて関連する技術分野を絞り込みます。
この段階では、広範囲の文献を調査し、大まかな特許の全体像を把握することが重要です。

設計段階での特許調査

特許侵害リスクの評価

設計図が固まりつつある段階では、特許侵害のリスクを具体的に評価する必要があります。
自社の開発する製品や技術が他社の特許権を侵害しているかどうかを慎重に検討しなければなりません。
この際、既存特許のクレームを詳細に分析し、自社の設計がそれに該当しないか確認します。

クレームマップの作成

設計段階では、特許クレームを視覚的に整理する「クレームマップ」を作成します。
これは、どの技術要素がどの特許のクレームに該当するのかを明確にするためのツールです。
クレームマップを作成することで、特許侵害のリスクを視覚的に把握しやすくなります。

試作段階での特許調査

試作と特許権者への相談

試作品の製作が進む段階では、もしも懸念される特許が存在する場合、特許権者と協議することも検討します。
交渉によって、必要に応じてライセンスを取得したり、技術的な協力を得たりすることができます。

自社独自技術の特許出願

また、試作段階において自社独自の技術が生まれた場合には、それを特許として出願することも考慮します。
出願することで、自社の技術を保護し、競争優位性を確保することができます。

量産段階での特許調査

実施権の取得と確認

量産段階では、特許実施権の取得が必要になることが多いです。
製品を製造・販売するために、他社が有する特許の実施権を事前に取得し、問題なく市場に出せるようにします。
また、既に取得した実施権の有効期限や条件を再確認し、法的リスクを最小化します。

ライバル企業の動向の監視

最終的な製品化に向け、特に競争相手の特許出願情報や新たな製品リリース情報を常に監視します。
特に、自社製品と競合する可能性のある技術が含まれているかどうかを注意深く確認し、必要に応じて戦略を修正します。

特許情報の活用による競争優位性の確保

特許調査は、単なるリスク回避だけでなく、自社の競争優位性を高めるための戦略的なツールでもあります。
特に、ライバル企業の技術動向を把握することで、将来的な市場動向を予測し、新しい技術開発に活かすことができます。

知的財産のポートフォリオ管理

自社の知的財産のポートフォリオを強化するため、より多くの特許を有効に活用するパスを模索します。
これには、既存技術の改良による特許の追加、無効とみなした他社特許のリバースなどが含まれます。

フィードバックループの構築

開発段階ごとに行った特許調査の結果を次回開発にフィードバックする仕組みを構築します。
これにより、特許に関する知識を組織全体で蓄積・共有し続けることができ、長期的な競争力の向上につながります。

まとめ

この記事では、開発段階ごとに他社特許を調査する方法について説明しました。
特許調査は、単なるリスク回避の手段だけでなく、製造業における競争優位性を築くための重要な戦略的アプローチです。
市場調査、設計段階から始まる体系的な特許調査を通じて、自社の技術を有効に保護し、さらに業界での優位性を確保しましょう。

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