投稿日:2024年7月30日

ロボットアームの選定と製造業での利用方法

ロボットアームの選定と製造業での利用方法

製造業の現場では、作業の効率化や生産性の向上を目指してロボットアームの導入が進んでいます。
しかし、数多くの選択肢がある中で、どのロボットアームを選ぶべきか悩む企業も少なくありません。
この記事では、現場目線から見たロボットアームの選定ポイントや、具体的な利用方法について解説します。

ロボットアームの基本知識

ロボットアームとは

ロボットアームは、人工の腕を模した自動化機器であり、高精度かつ速い動作が可能です。
多関節のアーム部分と制御ユニットから構成されており、プログラミングによって多様な動作ができます。

種類と特徴

ロボットアームには主に以下の種類があります。

1. **直交型ロボットアーム**:直線運動を基本とし、高精度な位置決めが求められる作業に適しています。
2. **SCARA(Selective Compliance Assembly Robot Arm)**:水平面での動きに強みを持ち、高速でのアセンブリ作業に向いています。
3. **多関節型ロボットアーム**:多方向に動く自由度が高く、複雑な動作が可能です。
4. **パラレルリンク型ロボットアーム**:同時に複数の動作が可能で、軽量部品の高速搬送に適しています。

ロボットアームの選定ポイント

製造業で使用するロボットアームは、単に性能だけでなく、導入後の運用や保守も考慮する必要があります。
以下の選定ポイントに基づいて適切なロボットアームを選びましょう。

用途に応じた選定

ロボットアームの選定において最も重要なポイントは、具体的な用途です。
用途に応じた性能を持つアームを選ぶことで、作業の効率化が図れます。

1. **搬送作業**:重量物の扱いや頻繁な移動が求められる場合は、多関節型ロボットアームが適しています。
2. **部品組み立て**:高精度な位置決めが求められる場合は、直交型やSCARAが適しています。
3. **溶接作業**:複雑な軌道を描く必要があるため、多関節型ロボットアームが一般的です。

作業環境の適応性

工場の作業環境も重要な選定ポイントです。
例えば、狭いスペースで作業する必要がある場合は、コンパクトなサイズのロボットアームが求められます。
また、防塵や防水性能が必要な環境では、耐環境性に優れた機種を選ぶことが重要です。

操作性とプログラミングの容易さ

操作性も選定時の重要な要素です。
現場の作業員が使いやすく、トラブル発生時に迅速に対応できることが求められます。
また、プログラミングが容易であり、導入後のカスタマイズや作業変更に柔軟に対応できるかどうかも確認しましょう。

総合的なコスト

導入コストだけでなく、運用コストやメンテナンスコストも含めた総合的なコストを考慮することが必要です。
初期投資が高くても、長期的に見て運用コストが低い機種を選ぶことが、結果的には経済的な選択となることもあります。

製造業でのロボットアームの活用例

以下に、具体的な利用シーンをいくつか紹介します。

組立工程での活用

部品の組立工程では、高精度かつ迅速な作業が求められます。
多関節型ロボットアームを使用することで、複雑な動きの組立作業を自動化し、品質の均一化と生産効率の向上を図ることができます。

搬送作業での活用

重量物の搬送や繰り返し作業が多い場合、ロボットアームが役立ちます。
特に、多関節型ロボットアームはフレキシブルに動作でき、異なる箇所への搬送作業を一台でこなすことが可能です。
これにより、作業員の肉体的負担を軽減し、安全性の向上も期待できます。

検査工程での活用

製品の品質検査工程でもロボットアームが役立ちます。
カメラやセンサーを搭載することで、目視検査の自動化を実現し、検査精度の向上と検査時間の短縮が可能です。
こうした自動化によって、人為的なミスを削減し、品質保証の信頼性が向上します。

溶接作業での活用

複雑な溶接作業においても、多関節型ロボットアームが効果的です。
高度なプログラミングによって、圧倒的な精度と安定した品質の溶接が実現します。
これにより、生産のスピードアップとともに、溶接不良を減少させることができます。

最新の技術動向

ロボットアームの技術は常に進化しています。
最新の技術動向についても触れておきましょう。

AIとIoTの融合

AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)の進展により、ロボットアームの性能も飛躍的に向上しています。
AIを活用することで、自己学習と最適化が可能となり、作業の効率化と柔軟性がさらに向上します。
また、IoTによって複数のロボットアームがネットワークで連携し、より高度な生産管理が可能になります。

協働ロボットの普及

近年、協働ロボット(コボット)と呼ばれる、人と共に作業することができるロボットアームが普及しています。
これにより、安全柵なしで人とロボットが共同で作業することが可能となり、作業効率の向上と共に生産ラインの柔軟性が向上します。

リモートモニタリングとメンテナンス

リモートモニタリング技術の進展により、遠隔地からでもロボットアームの稼働状況を監視し、異常が発生した場合には速やかに対応することが可能となります。
これにより、ダウンタイムの削減とメンテナンスコストの低減が期待できます。

まとめ

ロボットアームの選定と利用方法について解説してきました。
ロボットアームの導入により、製造業の現場での効率化や安全性の向上を図ることができます。
用途に応じた適切なアームの選定、作業環境に適したモデルの選択、そして最新技術の活用を行うことで、競争力のある生産システムを構築することが可能です。
適切なロボットアームを選び、積極的に活用することで、製造業の発展に寄与しましょう。

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