投稿日:2024年5月31日

トラブル徹底攻略:なぜなぜ分析実践編

製造業の現場において、トラブルは避けて通れない課題です。
トラブルが発生するたびに、その根本原因を追究し、再発防止策を講じることが重要となります。
今回は、製造業でのトラブル対応に欠かせない手法である「なぜなぜ分析」について、その概要から実践的なアプローチまでを詳しく紹介します。

なぜなぜ分析とは?

なぜなぜ分析は、トラブルや問題の根本原因を見つけるための手法です。
この手法は、問題が発生した際に「なぜ」を繰り返し問いかけることで、その根本原因にたどり着くことを目的としています。
一般的には「なぜ」を5回繰り返すことが推奨されていますが、問題の複雑さによってはそれ以上の「なぜ」を問い続けることもあります。

なぜなぜ分析の歴史と背景

なぜなぜ分析は、トヨタ自動車の生産方式として知られる「トヨタ生産方式(TPS)」から生まれました。
トヨタは、品質向上と生産効率の向上を目指し、この手法を積極的に活用してきました。
今では、製造業だけでなく、サービス業やIT業界でも広く利用される手法となっています。

なぜなぜ分析の進め方

実際になぜなぜ分析を進める際のステップを以下に解説します。

1. 問題の特定

まず最初に、解決すべき問題を明確に特定します。
この段階では、表面的な問題だけでなく、その背景にある状況や条件も合わせて把握することが重要です。

2. なぜの繰り返し

問題を特定したら、その問題に対して「なぜそれが起きたのか」を問いかけます。
そして得られた回答に対して再度「なぜ」を問いかける。
このプロセスを繰り返し行うことで、深層に隠れた根本原因にたどり着くことができます。

3. 根本原因の特定

「なぜ」を繰り返していく過程で、必ずしも5回で終わるわけではありません。
問題の複雑さや深さに応じて、適切なところまで問いかけを続けます。
最終的には、再発を防ぐための具体的な改善策が見えてくるでしょう。

4. 改善策の実施

根本原因が特定されれば、その原因を排除するための改善策を企業全体で実施します。
実施する際には、現場の従業員にも協力を仰ぎ、一丸となって取り組むことが成功のカギです。

なぜなぜ分析の成功事例

実際に製造現場でなぜなぜ分析を活用し、成功を収めた事例をいくつか紹介します。

製品不良の低減

ある自動車部品メーカーでは、特定の部品の不良率が高かったため、なぜなぜ分析を実施しました。
表面的な原因として出荷前検査の見落としが指摘されましたが、さらに「なぜ」を繰り返すことで、検査機器の設定不備、さらにはその設定マニュアルが不完全であることが根本原因として浮上しました。
この結果、マニュアルの全面改訂と検査員の再訓練を実施し、不良率が劇的に低減しました。

生産ラインの停止回数削減

ある食品工場では、頻繁に生産ラインが停止する問題がありました。
なぜなぜ分析を行った結果、表面的には機械の故障が原因でしたが、その奥には定期メンテナンスの不足がありました。
さらに掘り下げていくと、メンテナンス計画の管理が不徹底だったことが浮かび上がり、管理体制の見直しとスタッフの再教育を行うことで、問題を大幅に解消しました。

なぜなぜ分析を成功させるポイント

なぜなぜ分析を効果的に活用するためのポイントをいくつか紹介します。

全員の協力を得る

なぜなぜ分析は、現場の担当者だけでなく、関連部署や管理層も巻き込んで行うことが重要です。
多角的な視点からの意見を取り入れることで、より深く、正しい根本原因にたどり着く可能性が高まります。

感情を排除する

分析を行う際は、個人の過失を責めるのではなく、問題そのものに焦点を当てることが重要です。
感情的な議論は避け、客観的なデータと事実に基づいて進めることで、より正確な原因分析が可能となります。

可視化する

なぜなぜ分析の結果やプロセスを図やフローチャートで可視化することで、全員が共有しやすくなります。
理解度を高め、改善策の実施後のフォローアップも容易になります。

最新技術と「なぜなぜ分析」の融合

AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など最新技術を活用することで、なぜなぜ分析の効率と精度をさらに高めることができます。

データ分析の活用

AIを用いたデータ分析ツールは、大量のデータから異常値やパターンを自動で検出することができます。
これにより、問題発生の初期段階で迅速に異常を察知し、なぜなぜ分析にかける時間を短縮することが可能です。

リアルタイムモニタリング

IoT技術を用いて生産ラインをリアルタイムでモニタリングすることで、小さな異常も早期に発見できます。
これにより、なぜなぜ分析のスタート地点である「問題の特定」を迅速かつ的確に行うことができます。

 

なぜなぜ分析は、製造業におけるトラブル解決と改善に非常に有効な手法です。
問題の根本原因を追究し、その解決策を着実に実行することで、品質向上や生産効率の向上が期待できます。
また、最新技術を取り入れることで、さらなる精度と効率を実現することも可能です。
現場の全員が協力し、客観的かつ冷静に問題に対処することで、なぜなぜ分析を成功に導きましょう。

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