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システム開発のなぜなぜ分析と再発防止策
目次
なぜなぜ分析とは?
なぜなぜ分析は、製造業をはじめとする多くの業界で品質管理や問題解決に用いられる手法です。
この手法は、問題の根本原因を特定するために「なぜ?」と疑問を繰り返し問い続けることで、表面的な原因ではなく、真の原因を探り当てることを目的としています。
システム開発においても、なぜなぜ分析は欠かせません。
システムのバグやエラー、プロジェクトの遅延、ユーザーの不満の原因を探る際に、表面的な問題だけでなく根本的な改善策を見つける手助けとなります。
システム開発におけるなぜなぜ分析のステップ
システム開発におけるなぜなぜ分析は、以下のステップを経て実施されます。
1. 問題の定義
まずは解決すべき具体的な問題を特定します。
例えば、「システムが頻繁にクラッシュする」、「計画したリリース期間に間に合わない」など、具体的な現象を挙げることが重要です。
2. なぜ?と問いかける
問題が何であるかが明確になったら、それに対して「なぜ?」と問いかけます。
この問いによって、問題の表面にある原因を探ります。
3. 派生する原因に対し再度「なぜ?」と問いかける
最初の問いで得られた回答に対して、再び「なぜ?」と問いかけ、更に深いレベルでの原因探求を行います。
これを繰り返すことで、根本原因まで追求します。
4. 根本原因の特定
通常は5回程度「なぜ?」を繰り返すことで、問題の根本原因に到達すると言われています。
ただし、この回数に拘らず、真の原因が明確になるまで追求することが重要です。
5. 対策の立案
根本原因が特定できたら、それに対する再発防止策を立案します。
一過性の対応ではなく、同じ問題が再び発生しないための恒久的な対策を考えることが重要です。
なぜなぜ分析が生む再発防止策の重要性
システム開発では、新しい機能の提供や不断の改善が求められますが、一方でその過程で生じるバグや誤作動はユーザー体験を損なう大きなリスクとなります。
なぜなぜ分析は、そのような問題を未然に防ぐだけでなく、将来的なプロジェクトにおいてもより良いシステム開発を可能にするための基盤を築きます。
再発防止策を講じることは、単なる対症療法に終わらせず、システム開発のプロセス全体を見直す良い機会となります。
これにより、ユーザーの信頼を維持し、プロジェクトの成功率を上げることができます。
製造業で培ったノウハウをシステム開発に活かす
製造業の現場では、欠陥製品を作り出さないために、これまでも数多くの品質管理手法が導入されてきました。
その中での知見をシステム開発にも応用することで、より質の高い製品やシステムを生み出すことができると考えています。
例えば、現場のプロセス改善の知識は、開発プロセスの見直しに役立ちます。
また、製品不良の原因を効率的に特定する手法は、システムバグの特定にも応用可能です。
昭和から続くアナログな製造業の中で長年培われた経験を生かし、デジタル社会の中でも競争力を維持するためには、なぜなぜ分析のような問題解決の手法をしっかりと理解し、活用することが重要となります。
なぜなぜ分析の実践例
ここでは、実際に起こりうるシステム開発での問題に対して、なぜなぜ分析を行うケースを見てみましょう。
ケース1: システムが頻繁にクラッシュする
問題: システムが頻繁にクラッシュする。
1. なぜ、システムがクラッシュするのか?
– ソフトウェアのメモリリークが原因である。
2. なぜ、メモリリークが発生するのか?
– コードに未解放のメモリがある。
3. なぜ、未解放のメモリが発生したのか?
– テストケースでこの部分がカバーされていない。
4. なぜ、このテストケースがカバーされていないのか?
– テスト計画の策定時に対象が漏れていた。
5. なぜ、計画策定時に対象が漏れていたのか?
– チームの知識不足が一因。
対策: 開発者向けのメモリ管理に関するトレーニングを実施し、テスト計画の見直しと第三者チェックを導入する。
ケース2: プロジェクトがリリース期限に間に合わない
問題: プロジェクトが計画したリリース期限に間に合わない。
1. なぜ、リリースに遅れが生じたのか?
– 必要な人員が不足している。
2. なぜ、人員が不足しているのか?
– 人員計画が甘かった。
3. なぜ、計画が甘かったのか?
– 過去のプロジェクトデータが活用されていない。
4. なぜ、データが活用されていないのか?
– プロジェクト管理ソフトの利用が不十分。
5. なぜ、ソフトの利用が不十分なのか?
– 適切なトレーニングがなされていない。
対策: プロジェクト管理ツールの使用に関するトレーニングセッションを実施し、過去のプロジェクトデータを効果的に活用する体制を構築する。
まとめ
なぜなぜ分析と再発防止策の策定は、製造業からシステム開発に至るまで、あらゆる業種で有効な手法です。
特にシステム開発においては、問題の本質を的確に捉え改善することで、ユーザー満足度向上に寄与します。
製造業で培った分析手法と、その実践をシステム開発にも応用することで、効率的かつ効果的な問題解決を実現しましょう。
業務の改善に終わりはなく、その旅路の中で常に学び続ける姿勢を持ち続けることが、ひいては持続可能な成長につながると信じています。
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