投稿日：2024年7月30日

亜鉛 (Zinc)の特長と製造業での利用方法

亜鉛 (Zinc)の特長とは？

亜鉛 (Zinc)は、原子番号30、元素記号Znの化学元素であり、その特長は多岐にわたります。
主に亜鉛は、化学的や物理的特性が評価され、世界の多くの製造業における重要な素材となっています。

まず亜鉛は、ある程度の強度と延性があり、そのため様々な形状に加工しやすい材質です。
また亜鉛は、比較的低い融点（約419.5℃）を持つため、鋳造や鍛造加工が容易です。
さらに、亜鉛は酸やアルカリに対する耐性もあるため、化学薬品に触れる可能性のある製品にも利用できます。

もう一つの重要な特長は、亜鉛の耐食性です。
亜鉛は空気中の酸素や水分と反応して酸化亜鉛（ZnO）の皮膜を形成します。
この皮膜が腐食を防ぐため、特に鉄や鋼の素材に亜鉛メッキを施すことで、錆びを防ぐ効果があります。
亜鉛の耐食性能は、長期にわたり製品の品質を保つために不可欠です。

次に、具体的な製造業での亜鉛の利用方法について詳しく説明します。
亜鉛がどのように活用されるか、その具体例を紹介します。

亜鉛の最も一般的な利用法の一つは、亜鉛メッキです。
亜鉛メッキは、鉄や鋼の表面に亜鉛をコーティングすることで、錆びを防ぐプロセスです。
亜鉛メッキは外部に露出する鉄製品や鋼製品に使用され、例えば自動車の部品や建築用資材、家庭用品などに幅広く利用されています。

亜鉛メッキには数種類の方法があります。
最も一般的なのは「ホットディップメッキ」と呼ばれるもので、鉄製品を溶融亜鉛に浸すことで金属表面に亜鉛を付着させます。
また、「電気メッキ」や「機械メッキ」といった他の手法もありますが、それぞれの方法に適した用途があります。

亜鉛は「ダイカスト」プロセスにも多く利用されています。
ダイカストは金属を高圧で型に注入して製品を成形する方法で、亜鉛の低い融点がこのプロセスに最適とされています。
亜鉛ダイカストは、自動車、エレクトロニクス、家庭用品など、さまざまな分野で利用されています。

亜鉛ダイカスト製品は寸法の安定性が高く、複雑な形状を高精度で成形できる特長があります。
そのため、コスト削減、軽量化などが求められる現代の製造業には欠かせない技術となっています。

亜鉛は他の金属と合金を形成することもあります。
特に「真鍮」は、亜鉛と銅の合金として広く知られています。
真鍮は錆びにくく、加工性が高いため、水道の配管、バルブ、装飾品、楽器などに利用されています。

亜鉛を使用した他の合金には、亜鉛とアルミニウム、マグネシウム、銅などの組み合わせがあり、それぞれの特性を最大限に引き出すための素材として活用されています。
これらの合金は、その応用範囲が広く、柔軟な使用が可能です。

亜鉛はまた、電池の素材としても重要です。
特に「亜鉛-空気電池」や「亜鉛-炭素電池」は、その高エネルギー密度とコスト効率の良さから広く利用されています。
亜鉛-空気電池は、特に補聴器や一部の医療機器に用いられることが多いです。

亜鉛(Zinc)は、その特長と広範な応用範囲から、製造業において非常に重要な役割を果たしています。
耐食性、加工のしやすさ、低い融点などの特性を活かし、さまざまな製品やプロセスに利用されています。

亜鉛メッキやダイカスト、合金の形成、電池の素材としての利用に加え、近年のナノテクノロジーや医療用途、環境対応素材としての可能性も広がっています。
亜鉛の持つ可能性を最大限に引き出し、持続可能な製造業の発展に寄与することが求められています。

製造業における亜鉛の利用とその未来について、理解を深めていくことは、製品の品質向上や新しい技術の開発にとって非常に重要です。
これからも亜鉛の持つ特性を最大限に利用し、製造業の発展に繋げていきましょう。

< 前へ一覧へ戻る　>次へ　>

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。