PE-RTII酸素バリア床暖パイプと長期耐クロール性能2000h
PE-RTII酸素バリア床暖パイプとは
PE-RTII酸素バリア床暖パイプは、近年の床暖房システムにおいて注目されている配管材です。
このパイプは、PE-RT(耐熱ポリエチレン:Polyethylene of Raised Temperature Resistance)を基材とし、熱や圧力にも耐えうる柔軟性と耐久性を兼ね備えています。
さらに、PE-RTIIグレードは一次グレードよりも改良されており、高温下でもより安定した性能を発揮します。
酸素バリアとは、パイプの内部へ空気中の酸素が透過するのを防ぐ機能です。
この性能によって、暖房システム内部の配管やボイラーなどの金属部品が酸化による腐食を抑制でき、システム全体の寿命を長く維持できます。
PE-RTII酸素バリア床暖パイプは、複層構造のうち一層に酸素バリア樹脂(たとえばEVOHなど)を採用することで、酸素透過率を大幅に低減しています。
PE-RTIIパイプのメリット
PE-RTII酸素バリア床暖パイプにはいくつものメリットがあります。
まず、柔軟性が高いため施工が容易です。
配管作業が迅速かつ確実に行えるので、複雑なレイアウトの床暖房にも対応できます。
次に耐熱性能ですが、従来のポリエチレンに比べて耐久性が向上しており、特に90℃前後の高温水に長期間晒されても物性がほとんど劣化しません。
これは床暖房システムで不可欠な要素です。
さらに、酸素バリア層の存在により、配管内へ酸素が侵入するのをほぼ防げるため、システム内の金属部品や熱交換器の腐食リスクが低減されます。
メンテナンス頻度とコストの抑制にも貢献します。
加えて、PE-RTIIパイプは軽量で運搬性も良く、耐凍結性能も高いため寒冷地での敷設も安心です。
耐クロール性能2000hの重要性
床暖房などの配管を長期にわたり安全・快適に維持するためには、「耐クロール性能」がきわめて重要です。
クロールとは、水道水殺菌のために用いられる次亜塩素酸(塩素)です。
水道水に含まれる塩素が配管材料に長期間曝露することで、分子が徐々に分解される「クロール劣化(クロールアタック)」という現象が生じます。
この劣化が進むと、パイプの柔軟性や耐圧性などが失われ、最悪の場合は亀裂や破断が生じてしまいます。
水道法による安全基準も関係し、国内外を問わず厳しい耐クロール性能が求められています。
「耐クロール性能2000h」とは、JISやISOの標準的な加速劣化試験条件下で2,000時間(約83日間)、クロールの影響を受けながら高温高圧で水を流し続けても、試験品が基準内の性能を保つという証明です。
これは20年〜30年程度の通常使用に相当する耐久性を意味します。
耐クロール性能の評価方法
耐クロール性能を評価する試験は、おおむね以下の方法で行われます。
まず、規定濃度の塩素を含んだ水を所定温度(例えば60℃や80℃)の環境下で、一定時間パイプに通水させます。
試験時間終了後、パイプの外観検査、引張強度や伸び率などの物性試験を行い、規格値を維持しているかを確認します。
「2000h」は、この加速試験時間を示し、パイプ材質と設計の優劣でその結果が明確に分かれます。
合格した配管材は高信頼のライフサイクル性能とメンテナンス性を両立しています。
PE-RTII酸素バリアパイプと他素材の比較
床暖房用配管材には、主にPEX(架橋ポリエチレン)、PB(ポリブテン)、CPVC(耐熱塩ビ)、そしてPE-RTIIなどがあります。
PEXも耐熱性・柔軟性があり広く採用されていますが、補強や耐クロール性能の点ではグレード差があります。
特にPEXa・PEXb(一部は強い耐クロール性を持つ)と比べ、PE-RTIIは高温下の長期耐久試験で安定した性能を示します。
PB(ポリブテン)は柔軟性、耐熱性、耐寒性共に優れていますが、酸素バリア層を設けることが難しく、内部金属部品への酸化影響が出やすいのが弱点です。
CPVCは耐熱・耐塩素性能が高いですが、比較的曲げ半径が大きく、施工性や寒冷地使用では注意が必要です。
PE-RTII酸素バリア床暖パイプは、これら競合材の特長をバランス良く備え、酸素バリア・耐クロール性能・耐熱性・施工性のトータルで非常にバランスが優れた最新型配管材です。
長期使用における保守性とコストメリット
床暖房システムは一般住宅で20年以上の長期利用が見込まれるため、一度配管材を選ぶとやり直しが容易でありません。
PE-RTII酸素バリアパイプは、耐久試験をクリアし、長期にわたって配管の機能・性能を保てる点が魅力です。
酸化による腐食、クロール劣化によるパイプ損傷のトラブルを防げるので、メンテナンスの頻度やトラブル発生時の補修コストが大幅に抑えられます。
初期コストは他素材と大きく変わりませんが、配管寿命・建物寿命を考慮すると、トータルコストはむしろ低減します。
また、軽量かつ柔軟性があるため、工事時の作業負担が減り、工期短縮にもつながります。
PE-RTII酸素バリア床暖パイプの選び方・注意点
配管材選定時は、まず建物の仕様書や設備設計の内容に合ったJISやISO規格適合品を選ぶことが大切です。
CEマークや第三者認証(JIS認証、ISO認証等)が取得されているパイプを推奨します。
また、パイプ単体の性能だけでなく、継手や連結部品も耐久性・耐クロール性能の高いものをセットで用いることが重要です。
施工時には、メーカー指定の工法・継手・専用工具を使い、確実な圧着・組立を行うことが必要になります。
さらに、施工後の通水前に水圧試験等の検査も必ず行い、不具合がないことを確認してください。
環境負荷とリサイクル性もポイント
近年は省エネ・環境配慮も配管材選定の基準になっています。
PE-RTIIは、鉛や有害金属を含まず、耐久性が高いため広範囲に交換作業が発生しにくくライフサイクルコストも低減できます。
役目を終えたパイプも適切に分別・回収すればリサイクルが可能な素材です。
持続可能な建築・住宅設備の観点からも魅力的な選択肢といえるでしょう。
まとめ:PE-RTII酸素バリア床暖パイプと長期耐クロール性能2000hの価値
PE-RTII酸素バリア床暖パイプは、床暖房配管に求められる耐熱性・柔軟性・酸素バリア・長期耐久性に加えて、現代住宅の長寿命化に不可欠な耐クロール性能2000hを兼ね備えた次世代の配管材です。
床暖房システムの信頼性や快適性、省エネ、さらにはメンテナンス性や環境負荷の低減といった総合的な価値を実現できます。
床暖房をはじめとした温水循環システムの配管選定には、ぜひPE-RTII酸素バリアパイプと「長期耐クロール性能2000h」というスペックを重視し、長く快適な居住環境を目指してください。