貴社の強みや特徴を一言で表現
詳しくは、下記リンクより詳細をご覧ください👇
印刷物における帯電防止処理は、静電気トラブルを未然に防ぎ、品質と安全性を大幅に高める技術として注目されています。
とくにスマートフォンやウェアラブルデバイスなど、微細な電子部品を扱う市場が拡大するにつれ、帯電した紙器やラベルが電子基板に放電ダメージを与えるリスクが指摘されるようになりました。
本記事では、印刷物の帯電防止処理の仕組みと採用が広がる背景、導入メリット、実装時のポイントを解説します。
印刷工程では用紙やインキが高速搬送されるたびに摩擦帯電が発生します。
この静電気が強まると、紙粉や塵が吸着して印刷ムラを引き起こしたり、シート同士が貼り付き後工程での給紙ミスを誘発したりします。
電子機器を包むパッケージやマニュアルの場合、帯電したまま組立ラインに持ち込まれると、静電放電(ESD)がICやセンサーを破壊することもあります。
近年の半導体はナノメートル単位で配線が細く、数十ボルトの放電でも致命傷になりかねません。
したがって、印刷物側で確実に帯電防止対策を施すことがサプライチェーン全体の品質保証につながります。
帯電防止処理とは、素材表面の電気抵抗を下げたり、イオンで中和したりして電荷を溜めにくくする技術の総称です。
印刷物に対しては、おもに以下の三つの手法が広く使われています。
製紙工場や印刷機の排紙部にイオナイザーを設置し、プラスとマイナスのイオンを放出して用紙表面の帯電をリアルタイムで中和します。
高速ラインでも効果が安定し、追加薬剤が不要なためランニングコストが低い点が特長です。
水系や溶剤系の帯電防止剤をスプレーまたはニスユニットから塗布します。
界面活性剤や第四級アンモニウム塩が主成分で、素材内部に吸湿層を形成し導電性を付与します。
後加工での乾燥や摩擦にも強い処方を選べば、輸送中も効果が長期間持続します。
PETやOPPフィルムにカーボンブラックや導電性ポリマーを蒸着し、ラミネーターで紙器に貼り合わせる方法です。
透明度を保ちつつ表面抵抗値を10⁶Ω/□以下に制御できるため、電子機器の外装箱やブリスターパックで採用が増えています。
IT・家電メーカーはESD管理を国際規格IEC 61340やANSI/ESD S20.20に基づき強化しています。
その流れで、部材の一部である印刷物にも帯電防止性能証明を求めるケースが増えました。
スマートフォン向けOLEDモジュールや車載カメラは極めて静電気に弱く、組立前後の輸送箱に導電性ライナーを使用することが標準化しつつあります。
帯電防止紙器を採用すれば、緩衝材を追加せずにESDリスクを下げられるため、コストとスペースの両面でメリットが生まれます。
規格では表面抵抗値10¹¹Ω以下、静電気発生電圧±100V以下などの要件が定められています。
印刷会社は第三者試験機関の測定レポートを添付し、ロットごとにトレーサビリティを確保することで採用ハードルをクリアできます。
上質紙やカードBなどサイズや坪量が同じでも、樹脂率や含水率で帯電挙動が異なります。
本紙テストで摩擦帯電電圧を測定し、1000Vを下回る銘柄を選ぶと処理が効率的です。
インキやOPニスは帯電防止剤との相溶性を確認し、色調変化やブロッキングが起こらない配合を推奨します。
まずシート搬送部にイオナイザーを後付けしてベース帯電を下げます。
次にワニスユニットやダイレクトニス機で帯電防止剤を0.8~1.2g/㎡塗布し、IR乾燥機で水分をとばします。
最後に検査装置で帯電電圧をサンプリングし、基準を超えた場合は塗工量を微調整して安定化を図ります。
コロナイオナイザーは1台30万円前後、年間ランニングはフィルタ交換のみで3万円程度です。
帯電防止剤は1kgあたり1200円前後で、B2判換算で約2000枚処理できます。
電子基板不良の再検査費や返品コストを考慮すると、月産10万枚以上の案件では3カ月以内に投資回収できる事例が多く報告されています。
5G通信やEV化によって電子部品はさらに小型高性能化し、帯電耐性は一段とシビアになります。
その一方、パッケージやマニュアルはブランド訴求のため高彩度印刷や特殊加工を求められる傾向が強まります。
今後はデザイン性とESD保護を両立する高透明導電インキやバイオマス系帯電防止剤が主流になると予想されます。
印刷会社が早期に帯電防止処理のノウハウを蓄積し、電子機器メーカーと連携を深めることで、新たな市場機会を獲得できるでしょう。
帯電トラブルを抑制することは、品質保証だけでなく環境負荷低減やサプライチェーン全体の信頼性向上にも直結します。
静電気対策を施した印刷物は、電子機器市場で今後ますます採用が拡大すると考えられます。

詳しくは、下記リンクより詳細をご覧ください👇
You cannot copy content of this page