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高級パッケージや差別化が求められる広告印刷において、メタリックインクは光沢感と高い意匠性で常に需要があります。
しかし従来品は、顔料片の不均一な配向による発色ムラ、乾燥不良から生じるスミア、さらには印刷機上での泡立ちなど、量産現場で多くの課題がありました。
これらを解決するには、発色性と印刷適性を同時に高めるインク設計が不可欠です。
メタリックインクの色は、アルミフレークが入射光を鏡面反射することによって生まれます。
理想的な光沢を得るには、フレークが印刷膜面と水平に並び、重なりが少ない状態が必要です。
そこでターゲットとする指標は以下の通りです。
・鏡面反射率:70%以上
・L値(明度):80以上
・フレーク配向度(面内角10°以内):80%以上
純粋な銀色だけでなく、金色や干渉系の虹色を実現するため、プラズモン共鳴を利用した酸化チタンコーティングフレークの採用も検討します。
これにより、真鍮感のあるウォームゴールドから、青みがかったクールシルバーまで幅広い色域をカバーできます。
従来は樹脂溶解系バインダーで顔料を固定していましたが、粘弾性が高くフレークの自由配向を阻害していました。
本開発では、低ガラス転移点(Tg)のアクリル樹脂と疎水性セルロース誘導体をハイブリッド化し、剪断応答性を高めています。
印刷中の高せん断領域では粘度が低下し配向が進み、乾燥後は樹脂間水素結合で再度硬化してフレークを固定する設計です。
アルミフレーク由来の表面粗さは濡れ性を低下させ、印刷機ローラー間で気泡を巻き込みやすくします。
フッ素系消泡剤は表面張力が低く効果は高いものの、環境負荷の懸念があります。
そこで、シリコーン変性ポリグリセリンを用い、VOCを抑えつつ高い消泡効果を得ました。
金属顔料は熱伝導率が高く、溶剤揮発による冷却が過度に進むと結露しやすくなります。
そこで、溶剤組成を高沸点エステル/中沸点アルコールの二段蒸発系とし、乾燥初期の揮発熱を抑制。
後半で熱風温度を段階的に上げるプロファイルを採用し、膜厚5μmで120m/minの高速印刷でも完全乾燥を達成しました。
高速枚葉機での運転を想定し、粘度15Pa·s(40rpm)、タック値12を目標に調整しました。
10,000枚連続印刷後のローラー堆積は従来比70%減、版上残渣も視認できないレベルとなり、洗浄サイクルを2倍延長できました。
水性系への展開を図るため、疎水性シリカの表面改質を行った分散体を用いて評価しました。
アニロックス線数420L/inch、セル深25μmでも転移率は95%以上を維持し、フィルム印刷での隠蔽性が向上しました。
REACH対応顔料の選定、バインダーへの重金属触媒不使用、さらに乾燥溶剤の70%を再生溶剤に置換し、CO₂排出量を25%削減しています。
また、インク自体を金属粉末含有物としてUN分類外へ移行させるため、粉末爆発限界濃度以下に留める調整を行いました。
光学設計とナノコーティング技術の進歩により、メタリックインクは単なる光沢表現から機能性付与へシフトしています。
例えば、近赤外反射性を高めてヒートシールド効果を持たせる建材用コーティングや、偽造防止を目的とした角度依存型フレークの応用が期待されます。
さらにデジタル印刷向けに、インクジェット適合の低粘度メタリックインクを開発することで、可変データと連動した光沢表現も可能になります。
発色性に優れたメタリックインクを実現するには、顔料の配向度向上、泡立ち抑制、段階乾燥プロファイルの最適化といった多角的アプローチが必要です。
本開発では、粘弾性制御バインダーと環境負荷低減技術を組み合わせることで、発色・印刷適性・サステナビリティの三立を達成しました。
今後も光学特性の解析と材料設計を深化させることで、メタリックインクはより高度な機能と表現力を備え、市場拡大が続くと考えられます。

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