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ヒバは日本固有の針葉樹で、天然の抗菌成分ヒノキチオールを豊富に含むことで知られます。
香りが良く、耐水性に優れるため、古くから建築や浴槽材に使用されてきました。
しかし、屋外テラス材として採用する場合、含水率の変動による寸法変化や紫外線による劣化が課題となります。
特に無処理のまま使用すると、表面の割れや反り、色あせが数年で顕著になりやすいです。
青森ヒバを中心とした国産材は、地産地消や森林保全の観点でも注目されています。
輸入材に比べ伐採から加工までの輸送距離が短く、環境負荷を抑えられる利点があります。
一方で、国産材の販路が限られ、供給量が不安定という課題も指摘されています。
近年、アウトドアリビング志向の高まりから木製デッキの需要が増加しています。
ヒバは腐りにくい特性が評価される一方、南洋材のウリンやセランガンバツに比べると寸法安定性が劣るとされてきました。
そこで、高温熱処理という技術がヒバ材に新たな価値を与えています。
高温熱処理は180〜220℃程度の高温環境で木材を加熱し、酸素を遮断した状態で一定時間保持する加工方法です。
薬剤を使用しないため環境負荷が低く、欧州ではサーモウッドという名称で普及しています。
ヒバ材の場合、200℃前後で2〜4時間処理するケースが一般的です。
最初に水分を蒸発させる乾燥フェーズを経て、無酸素状態で熱を加えることで化学変性が進行します。
熱によりヘミセルロースが分解され、親水性の官能基が減少します。
これにより木材の平衡含水率が下がり、吸湿膨張が抑制されます。
さらに、樹脂成分が再結合してセルロースを被覆し、腐朽菌が栄養を得にくい状態になります。
高温熱処理後のヒバ材は、含水率の変動幅が処理前に比べ30〜40%低減します。
これは木材内部の空隙構造が変化し、水分が侵入しづらくなるためです。
実験では、未処理材が12%の含水率変化で幅方向に3.2%膨張したのに対し、熱処理材は1.8%にとどまりました。
結果として、テラス材で問題となる目地の開きや束の浮き上がりが大幅に減少します。
吸放湿サイクルが緩やかになるため、表面応力が小さくなり割れが発生しにくくなります。
長期的には雨水侵入が抑えられるため、内部腐朽のリスクも軽減されます。
高温熱処理によりヒバ固有の抗菌成分が濃縮され、さらに熱変性で組織が緻密化します。
この相乗効果で耐候性と生物劣化耐性が同時に向上します。
JIS K1571の腐朽試験では、未処理ヒバの質量減少率が18%だったのに対し、熱処理材は5%未満となりました。
これは菌糸が木材内部に侵入する際の養分が大幅に減少したためです。
表層の樹脂が再分布して光沢を帯びるため、紫外線によるリグニン分解が遅くなります。
同時に撥水性が向上し、雨水による表面侵食が抑えられます。
東京都内の公共施設テラスに高温熱処理ヒバ材を採用した事例では、5年間での反りは最大2mmに留まりました。
同施設の未処理ヒバデッキは3年目で5mm以上の反りが確認され、改修コストが発生しました。
気乾比重は処理により約5%低下しますが、曲げ強度はほぼ同等を維持します。
JAS4級の荷重試験でも基準値をクリアしており、安全性に問題はありません。
塗装再塗布の推奨サイクルは未処理材が2年ごとに対し、熱処理材は4〜5年ごとで済みます。
メンテナンスコストを半減できる点が採用の決め手になったと報告されています。
処理プロセスにより材色が濃茶に変化するため、設計段階で色合わせを考慮する必要があります。
また、高温処理により表面がやや脆くなるため、ビス締結時は下穴を開けると割れを防げます。
一般的なウエスタンレッドシダーと比較すると、材料コストは約1.2倍です。
ただし長期耐久性を考慮したライフサイクルコストでは同等か優位になるケースが多いです。
国内の熱処理設備はまだ少数ですが、需要拡大に伴い供給量は年々増加しています。
含水率が低く硬化しているため、切削工具の摩耗がやや早まります。
超硬刃の使用やこまめな刃物交換を推奨します。
施工現場では、端部シーリングを行うと吸水端面からの劣化をさらに抑制できます。
高温熱処理はヒバ材の寸法安定性を高め、腐朽や風化に対する耐久性を大幅に向上させる有効な技術です。
薬剤を用いないため環境負荷が低く、国産材活用の価値を高める点も魅力です。
反りや割れの抑制、メンテナンス周期の延長といった実利が確認されており、長期的なコストパフォーマンスに優れます。
木の温もりと環境性能を両立したテラス材として、高温熱処理ヒバ材の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

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