高温熱処理によるヒバ製屋外デッキの寸法安定性向上

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ヒバ材の特徴と屋外デッキでの課題

ヒバはヒノキ科の国産針葉樹で、芳香成分ヒノキチオールによる優れた抗菌性と耐朽性が知られています。
軽量で加工性が高く、木目も美しいため、屋外デッキ材として人気があります。
しかし天然乾燥や通常の人工乾燥だけでは含水率が高めに残り、屋外で雨水や直射日光にさらされると吸放湿を繰り返します。
その結果、反り・割れ・ねじれなどの寸法変化が発生しやすく、施工後数年で隙間や段差が目立つケースが報告されています。
寸法安定性を確保するためには、木材内部に残る水分をできるだけ減らし、細胞壁の構造変化を抑える技術が求められます。

高温熱処理とは何か

高温熱処理は、180〜230℃程度の高温環境で木材を無酸素または低酸素状態に置き、化学変成を促す改質技術です。
酸素を遮断することで、燃焼を起こさずに加熱できるため、木材内部の半セルロースや抽出成分が分解し、疎水性が向上します。
ヨーロッパではパインやスプルースで広く普及しており、ThermoWoodやRetificationといった商標も知られています。
日本でもスギやカラマツで研究が進み、近年はヒバ材への応用が注目されています。

高温熱処理がヒバ材に与える寸法安定性の効果

含水率の低下と均一化

処理後の含水率は5〜7%程度まで下がり、しかも木材内部で均一になります。
含水率のばらつきが小さいほど、施工後の局所的な膨張が抑えられ、目違いやジョイントの開きを防ぎます。

収縮膨張の抑制

半セルロースの分解によって細胞壁の水酸基が減少し、木材が水分と結合するサイトが少なくなります。
これにより繊維飽和点が約30%から20%前後まで下がり、吸放湿に伴う寸法変化量が30〜50%減少します。
特に厚さ30mm以上のデッキ材では、幅方向の収縮量が2mm以下に収まることが実測で確認されています。

耐朽性の向上

高温熱処理により菌類が利用しやすい栄養分が減り、酸性成分が生成されることで、腐朽菌の繁殖速度が大幅に落ちます。
未処理ヒバでも耐朽性は高いですが、熱処理を加えることで、酸性雨や湿潤条件下でも黒変や軟化が発生しにくくなります。
結果として、化学薬剤を追加しなくても、20年以上の耐用年数が期待できると報告されています。

高温熱処理ヒバデッキの施工ポイント

下地設計

熱処理材は比重がやや下がり、曲げ強度も10%程度低下します。
根太ピッチを300mm以下に設定し、支持間隔を密にすることでたわみを防止できます。
雨水排出を促すため、床面には1/100〜1/50の緩勾配をとりましょう。

固定金具とビス

熱処理により脆くなる端部割裂を防ぐため、下穴径をビス径の80%以上で開けます。
ステンレスSUS304以上のコーススレッドを用い、木口から30mm以上離して留め付けます。
表面にビス頭を見せたくない場合、クリップ型サイド固定金具が有効です。

表面仕上げ

高温処理により色調は濃い飴色〜チョコレートブラウンへ変化します。
紫外線による退色を抑えたい場合、顔料系の屋外用オイルステインを1回塗布してください。
塗布しない場合でも木材の寸法安定性は維持され、経年でシルバーグレーへ自然変色します。

メンテナンスと耐用年数の実例

北海道の公共歩道橋に敷設された高温熱処理ヒバデッキでは、積雪寒冷条件下で12年間、反り幅1mm以下を維持しています。
年1回の簡易清掃のみで、防腐・防蟻薬剤の再塗布は行っていません。
関東の戸建てバルコニーでも、10年経過時点で割れ本数は全体の3%未満にとどまり、従来乾燥材に比べて補修コストが40%削減されました。
メンテナンス周期は、表面美観を重視する場合は2〜3年で再塗装、自然変色許容なら5年間はノーメンテナンスで問題ありません。

コストと環境面の比較

熱処理コストは1m³あたり2〜3万円程度で、原板価格と合わせるとウリンなど輸入ハードウッドの7割前後に収まります。
加圧注入処理と異なり、薬剤の溶出や焼却時の有害ガス発生がなく、エコデッキとして自治体案件にも採用されやすいです。
加工工程での二酸化炭素排出量は、アルミや樹脂複合材の約1/5で、建築物のLCA評価に貢献します。

よくある質問

Q1 熱処理によって曲げ強度が下がると聞きましたが安全ですか

A1 曲げ強度低下は10〜15%程度で、比強度はウエスタンレッドシダーと同等です。
適切な根太ピッチを採用すれば、歩行荷重や家具荷重に十分耐えます。

Q2 シロアリへの効果はありますか

A2 ヒバの精油成分と熱処理による含水率低下で、シロアリ摂食率は未処理スギの1/20以下に抑えられます。
ただし高温多湿地域では基礎周りの物理的防蟻対策と併用すると安心です。

Q3 接着加工や塗装に影響はありますか

A3 熱処理で表面が疎水化するため、ウレタン系接着剤や耐候型ウレタン塗装が推奨されます。
オイルステインは浸透性がやや落ちるため、希釈率を高めて2回塗りしてください。

まとめ

高温熱処理はヒバ材の含水率と吸放湿性を大幅に改善し、屋外デッキにおける寸法安定性を向上させます。
反りや割れを抑えつつ、ヒバ固有の香りと美観を長期維持でき、メンテナンス負担も軽減します。
輸入ハードウッドに比べ価格競争力があり、薬剤レスで環境負荷が小さい点も魅力です。
適切な設計と施工を行えば、20年以上使える国産木材デッキとして、住宅から公共施設まで幅広い用途で活用できます。

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