高精細印刷における網点制御技術とカラーバランス調整

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高精細印刷の概要

高精細印刷とは、通常の175線程度の刷版よりも細かい線数や独自のスクリーン処理を用い、写真やグラデーションを肉眼では網点が判別しにくいレベルで再現する印刷技術です。
近年は240線や300線に代表される高線数AMスクリーンに加え、20ミクロン前後の微小ドットをランダムに配置するFMスクリーン(確率変調方式)が実用化し、写真集や高級パッケージ、化粧品カタログなどで採用が進んでいます。
高精細印刷最大の課題は、網点のサイズや配置が微細になるほど、刷版出力から印刷機搬送までのわずかな誤差が色再現に直結する点です。
そこで重要になるのが網点制御技術とカラーバランス調整です。

モアレやロゼッタの低減

高線数化すると、従来のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの角度差から生じるロゼッタパターンが視認されにくくなります。
しかし異なるスクリーン角度が干渉するとモアレが発生しやすくなるため、RIP設定や紙送り方向の補正を適切に行う必要があります。
FMスクリーンは角度概念がなくモアレフリーですが、そのぶんドットゲイン管理がシビアになります。

網点制御技術の種類

AMスクリーン(従来方式)の進化

AMスクリーンではドット間隔が均一でサイズのみを変化させ濃度を制御します。
高精細印刷では240線以上の高線数を用い、細いドット形状で滑らかな階調を得ます。
ただしドットが小さくなるほどドットゲインが増大するため、線数と印圧、用紙銘柄のバランスを取る工程設計が欠かせません。

FMスクリーンとハイブリッドスクリーン

FMスクリーンは微小ドットをランダムに配置し、面積率で濃度を表現します。
粒状感がなく鮮鋭度が高い一方、ハイライト再現がシビアで、インキセットや水量が不安定だとトーンジャンプが起こります。
解決策としてAMとFMを領域ごとに切り替えるハイブリッドスクリーンが登場し、人物肌などはAM、風景の濃度域はFMという使い分けが可能になりました。

CTPとRIPによる網点生成

高精細印刷ではCTPのレーザースポット径が大きな要素です。
10μm以下のスポット径と高出力安定性により、20μm級のFMドットも崩れずに出力できます。
RIP側ではスクリーンライブラリとアングル設定を統一し、ジョブごとの誤差を最小化します。
線数や幾何補正パラメータをプリセット化して運用すれば、版出力段階での再現ブレを抑制できます。

網点の正確な再現とドットゲイン対策

版材と露光条件の最適化

サーマルCTP版では露光エネルギーが高すぎるとドットが太り、低すぎると欠けます。
高精細印刷用に感度の高い低グレイン版材を選定し、露光時の温度変動を±0.5℃以内に維持することでドット形状が安定します。

転写工程での圧力管理

ブランケットや圧胴の表面硬度が不均一だと転写効率が変化し、部分的な色ムラが発生します。
高精細印刷では標準より0.05mm低めのアンダーカット調整により転写圧を最適化し、網点潰れを防ぎます。

測色機による網点面積率の測定

ドットゲインカーブを正確に把握するために、分光式測色機で網点パッチを連日測定します。
取得した数値をRIPのカーブ補正へフィードバックすれば、刷版補正に頼らず実印刷条件で網点面積率を一定に保てます。

カラーバランス調整の重要性

グレー階調の安定とG7メソッド

高精細印刷では微妙な色ズレでも肉眼で識別されやすいため、グレーバランス制御が鍵になります。
G7メソッドはCMYのトーンカーブを調整し、中間濃度領域でニュートラルグレーを再現する手法です。
測色器を用いてニュートラルポイントを定義し、RIPでグレーバランスカーブを生成すれば、用紙や印刷機が変わっても色味を迅速に合わせ込めます。

ICCプロファイルとデバイスリンク

写真やCGデータを正確に変換するため、プリプレスでは高精細専用のICCプロファイルを使用します。
CMYK→CMYKのデバイスリンクプロファイルを用いれば、リリティックブラックや補色置換を制御しながらTAC(総インキ量)を制限できます。
これによりハイライトの粒状感を抑えつつ、シャドーは締まりのある黒を実現します。

インキ濃度とウォーターバランス

インキキーにより濃度を一定にしても、湿し水が過多だとドットが溶解してカラーバランスが崩れます。
濡れ性の高い湿し水処方と疎水性を持つ高濃度インキを組み合わせ、印刷速度に合わせた最適なpHと導電率をキープすると安定します。

制作ワークフローでの実践ポイント

プリプレス段階

レイアウトアプリでの画像解像度は出力線数の2倍が目安です。
300線AMスクリーンなら600dpi、FMなら400dpi程度で十分です。
多色特色を含む場合はオーバープリントプレビューでノックアウトエラーを確認し、分版PDF/X-4を作成します。

プレス段階

印刷機のキャリブレーションチャートを毎朝刷り、ドットゲインと濃度を確認します。
シリンダー温調装置やプレートクランプの汚れを除去し、フィーダーの紙揃え精度を確保すると見当ズレが減少します。

ポストプレスと品質検証

高精細印刷では製本時の押し傷が画質劣化として顕在化しやすいため、ラミネートやスコアニスで表面保護を行います。
抜き加工の際は微小なカッティングバリが印刷面に目立つため、刃型のメンテナンスを徹底します。
最終検査では200倍ルーペと分光測色機で網点形状とΔEをサンプリングし、規格値内に収めます。

まとめ

高精細印刷を成功させるには、網点制御とカラーバランス調整を一体で最適化する必要があります。
CTPの高解像度化とRIPのスクリーン設定管理により、崩れのない微小ドットを形成し、ドットゲインを抑制します。
さらにG7やICCプロファイルでグレーとカラーバランスを整え、プレス工程の圧力、インキ濃度、湿し水条件を標準化すれば、写真やグラデーションも忠実に再現できます。
品質検査を継続的に行い、得られたデータをフィードバックすることで、再現性の高い高精細印刷ワークフローが構築できます。

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