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Pythonによる画像処理技術の基礎と深層学習による画像認識プログラミング
目次
はじめに
Pythonは、手軽に利用できるプログラム言語として、多くの分野で活用されています。
その中でも、画像処理技術はAIや機械学習の進化によって注目を浴びています。
特に深層学習による画像認識プログラミングは、製造業においても製品検査や品質管理の効率化に寄与しています。
本記事では、Pythonによる基本的な画像処理技術と、深層学習を利用した画像認識のプログラミングについて解説します。
Pythonの画像処理ライブラリ
Pythonには幾つかの有名な画像処理ライブラリがあります。
その中でも、特に使用頻度の高いライブラリとして、OpenCV(Open Source Computer Vision Library)、Pillow、scikit-imageがあります。
OpenCV
OpenCVは、コンピュータビジョンと画像処理のための強力なライブラリで、多くのアルゴリズムと機能を提供しています。
画像の入出力から、フィルタリング、エッジ検出まで、様々な処理を効率的に実行することができます。
OpenCVはその速度と効率性から、リアルタイム画像処理においても有用です。
Pillow
Pillowは、画像編集ライブラリであり、画像の回転、リサイズ、フォーマット変換などが容易に行えます。
シンプルで直感的なAPIを持っているため、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
Pillowは、JPEG、PNG、GIFなど、さまざまな画像フォーマットに対応しています。
scikit-image
scikit-imageは、科学技術計算用のPythonライブラリであるSciPyの一部として開発されました。
データ解析や画像の詳細な解析に適したツールを提供しており、特に画像のセグメンテーションや特徴抽出に強力です。
科学研究や教育向けのプロジェクトで多く用いられる傾向があります。
Pythonでの画像処理の基本
Pythonを使用した画像処理の基本的な流れを理解することは重要です。
ここでは、基本的な手順として、画像の読み込み、表示、変更、保存について解説します。
画像の読み込みと表示
まずはPythonで画像を読み込み、表示する基本を抑えましょう。OpenCVを用いる場合、以下のようなコードで画像を読み込んで表示できます。
“`python
import cv2
# 画像を読み込み
image = cv2.imread(‘path_to_image.jpg’)
# 画像を表示
cv2.imshow(‘Image’, image)
cv2.waitKey(0)
cv2.destroyAllWindows()
“`
このコードでは、`cv2.imread()`関数で画像を読み込み、`cv2.imshow()`関数で表示します。
`cv2.waitKey()`と`cv2.destroyAllWindows()`は、ウィンドウの保持と終了を制御します。
画像の変更(リサイズ、回転)
画像のリサイズや回転は非常によく利用される操作です。以下はOpenCVを用いたリサイズと回転の例です。
“`python
# 画像のリサイズ
resized_image = cv2.resize(image, (width, height))
# 画像の回転
center = (width // 2, height // 2)
matrix = cv2.getRotationMatrix2D(center, angle, 1.0)
rotated_image = cv2.warpAffine(image, matrix, (width, height))
“`
ここでは、`cv2.resize()`関数を用いて画像のリサイズを行い、`cv2.getRotationMatrix2D()`と`cv2.warpAffine()`関数を用いて画像の回転を実現しています。
画像の保存
変更後の画像を保存するには、`cv2.imwrite()`関数を使用します。
“`python
# 画像を保存
cv2.imwrite(‘output.jpg’, processed_image)
“`
この関数では、保存するフォーマットを指定することで、JPEGやPNGなどの形式で画像を保存することができます。
深層学習による画像認識
深層学習は、画像認識の精度を飛躍的に向上させ、製造業の品質管理や自動化プロセスに革命をもたらしています。
ここでは、Pythonを用いた深層学習による画像認識の基本を解説します。
深層学習のフレームワーク
Pythonには多くの深層学習フレームワークがありますが、特にTensorFlowとPyTorchが有名です。
TensorFlow
TensorFlowは、Googleが開発した深層学習のためのオープンソースライブラリです。スケーラビリティに優れているため、産業用途の大規模なモデルに頻繁に用いられます。KerasというAPIを用いることで、より手軽に深層学習モデルを作成することも可能です。
PyTorch
PyTorchは、Facebookが開発したライブラリで、動的グラフの採用により柔軟性の高いモデル作成が可能です。研究分野やプロトタイピングで好んで使用される一方で、実用的なアプリケーションへの移行も容易です。
画像認識モデルの学習と評価
画像認識モデルの構築には、画像データの準備、モデルの構築、学習、評価のプロセスが含まれます。以下に、ごく基本的な流れを示します。
1. **データの準備**: データセットをトレーニングデータとテストデータに分割します。
“`python
from sklearn.model_selection import train_test_split
train_data, test_data, train_labels, test_labels = train_test_split(data, labels, test_size=0.2)
“`
2. **モデルの構築**: TensorFlowとKerasを用いた基本的なCNN(Convolutional Neural Network)の構築例です。
“`python
from tensorflow.keras.models import Sequential
from tensorflow.keras.layers import Conv2D, MaxPooling2D, Flatten, Dense
model = Sequential([
Conv2D(32, (3, 3), activation=’relu’, input_shape=(64, 64, 3)),
MaxPooling2D(pool_size=(2, 2)),
Flatten(),
Dense(128, activation=’relu’),
Dense(num_classes, activation=’softmax’)
])
“`
3. **モデルのコンパイルと学習**: モデルをコンパイルし、トレーニングデータを用いて学習させます。
“`python
model.compile(optimizer=’adam’, loss=’categorical_crossentropy’, metrics=[‘accuracy’])
model.fit(train_data, train_labels, epochs=10, batch_size=32)
“`
4. **モデルの評価**: テストデータを用いてモデルの性能を評価します。
“`python
test_loss, test_acc = model.evaluate(test_data, test_labels)
print(‘Test accuracy:’, test_acc)
“`
深層学習モデルの実務への応用
深層学習による画像認識技術は、製造業の現場において多くの可能性を秘めています。
品質検査の自動化
製品の品質検査において、深層学習を用いた画像認識は、欠陥検出や寸法測定の自動化に大きな力を発揮します。
従来の目視検査よりも高精度であるため、生産効率の向上とコスト削減につながります。
予防保全の向上
機械の状態を画像を通じて監視し、異常を検出することで、故障を未然に防ぐことが可能となります。
これにより、ダウンタイムを最小限に抑え、生産効率の向上を図ることができます。
製造ラインの自動化
画像認識技術を活用することで、製造ライン全体の自動化が可能となります。
例えば、部品の自動分類やパッキングに画像認識を用いることで、人的エラーの削減とオペレーションの高速化が期待されます。
まとめ
Pythonによる画像処理技術と深層学習を用いた画像認識は、製造業のさまざまな分野において革新的な変化をもたらしています。
本記事では、基本的な画像処理手法から深層学習の実装までの流れを解説しましたが、この技術の実用化には、各々の業界や用途に応じた適切なデータセットと継続的な精度向上が求められます。
一度導入されたシステムは、さらなる技術の発展や効率化を見据えて、最新のトレンドを常に追い続ける必要があります。
製造業の発展に向け、Pythonと深層学習を駆使した新しいソリューションの創出を期待しています。
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