投稿日:2024年8月25日

放熱パテと放熱ギャップフィラーの選び方と効果

はじめに

製造業において、機器やデバイスの熱管理は安定した製品性能を維持するために不可欠な要素です。
放熱パテや放熱ギャップフィラーは、特に密閉された筐体や高性能の電子機器において、熱を効率的に逃がすための重要な材料です。
今回は、放熱パテと放熱ギャップフィラーの基本的な特徴、選び方、そしてその効果について詳しく解説します。

放熱パテの特徴と用途

放熱パテの基本構造

放熱パテは、熱伝導性のある材料とバインダー(接着剤成分)を組み合わせた複合材料です。
熱伝導経路を短くし、熱を効率的に拡散させる役割を担います。
放熱パテは一般的に、金属粉(アルミニウム、銅など)が添加されており、これが熱伝導率を高くする要因です。

用途例

放熱パテは主に、以下のような用途で使用されます。

– 発熱部品とヒートシンクの間のギャップを埋め、熱を効果的に伝達するため
– 電子基板や他の熱感度の高いコンポーネントに直接塗布し、熱の分散を図るため
– 筐体全体の熱管理や局所的な熱管理のために

長所と短所

放熱パテの長所と短所を理解することは、その選び方に直結します。

– 長所
– 高い熱伝導率を実現
– 柔軟性があり複雑な形状にも塗布可能
– 固まった後も一定の柔軟性を保持するため、振動や衝撃に強い

– 短所
– 長期的な信頼性が低く、定期的なメンテナンスが必要
– 乾燥や硬化に時間がかかる
– 特定の条件下で劣化しやすい

放熱ギャップフィラーの特徴と用途

放熱ギャップフィラーの基本構造

放熱ギャップフィラーは、柔軟で低圧の圧縮可能なシリコンベースの材料が多く使用されています。
この材料は、異なる機器や部品間の空隙を効果的に埋めるためのものです。
その名の通り、「ギャップ」を埋める特性があり、熱伝導性が高いことが特徴です。

用途例

放熱ギャップフィラーは主に、以下のような用途で使用されます。

– 電子機器内の部品間のスペースを埋めるため
– ヒートシンクと電子部品の間の隙間を効率的に埋め、熱の移動を促進するため
– 大型の組み立て用品やモジュールの放熱対策として

長所と短所

放熱ギャップフィラーの長所と短所も、その選定には重要なポイントです。

– 長所
– 高い圧縮性があり、さまざまな形状や大きさの空隙を埋められる
– 長期にわたって安定した熱伝導性を保持
– 振動吸収性があり、機械的なストレスに強い

– 短所
– 比較的高価
– 重量がある場合、取り扱いが難しいことも
– 素材によっては、高温環境での耐久性に欠けることがある

放熱パテと放熱ギャップフィラーの選び方

用途に応じた選定

まず初めに、放熱パテと放熱ギャップフィラーのどちらを選ぶかは、具体的な用途に依存します。
例えば、発熱部品とヒートシンクの間のギャップを埋めるだけなら、放熱ギャップフィラーが効果的です。
一方で、デバイス全体の涼しげな動作を確保するための広範な用途なら、放熱パテの方が適している場合が多いです。

熱伝導率

放熱材料の選定において、熱伝導率は非常に重要な要素です。
放熱パテや放熱ギャップフィラーの熱伝導率は、商品ごとに異なりますので、これを確認することが大切です。
より高い熱伝導率が必要な場合、アルミニウム系や銅系の添加剤が入った製品が適しています。

環境条件への適合

製品が使用される環境条件も選定の一因となります。
高湿環境や高温環境で使う場合には、耐湿性や耐熱性を考慮することが必要です。
また、振動が多い環境では、柔軟性や衝撃吸収性が重要な要素となります。

施工性

特に現場での施工のしやすさについても考慮が必要です。
放熱パテは工程がやや煩雑であるため、高精度を要求される製品には不向きな場合もあります。
放熱ギャップフィラーは取り扱いが容易な場合が多く、効率的な作業を実現します。

コストパフォーマンス

最後に、コストパフォーマンスも重要な選定要素です。
放熱パテと放熱ギャップフィラーは価格もさまざまですので、性能だけでなく予算に応じて適切な製品を選ぶことが大切です。

実際の効果とその測定方法

効果の評価方法

放熱効果を正確に評価するためには、いくつかの指標や測定方法があります。

– 熱抵抗値:これは材料の熱伝導の効果を示す重要なパラメータです。
放熱材料の熱抵抗値が低いほど、熱伝導性能が高いことを意味します。

– サーマルイミジング:赤外線カメラを用いて、実際の温度分布を可視化します。
これによって、熱の分布や放熱効果を具体的に確認することができます。

実際の使用事例

放熱パテや放熱ギャップフィラーの効果を具体的に示すために、いくつかの使用事例を紹介します。

– ケースA:放熱パテを用いたヒートシンクの改善
ある電子メーカーでは、CPUの温度が高いため、ヒートシンクとCPUの間に高性能な放熱パテを使用しました。
結果として、CPUの温度が10度低下し、性能が大幅に向上しました。

– ケースB:放熱ギャップフィラーを用いたデバイスの冷却
ある自動車メーカーでは、電気自動車バッテリーの熱管理が課題でした。
放熱ギャップフィラーを大量に使用することで、バッテリーの温度制御が効率化され、バッテリー寿命が延びました。

まとめ

放熱パテと放熱ギャップフィラーは、電子機器やデバイスの効率的な熱管理に不可欠な材料です。
それぞれの特徴や用途、選び方を理解することで、より効果的な放熱対策が可能となります。
現場での実際の条件や要求に応じて適切な材料を選定し、製品の性能や信頼性を高めることが重要です。

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