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メンテナンスで儲けるための購買活動とは

メンテナンスで儲けるための購買活動とは

今日は建設機械で日本のトップメーカーコマツのコスト削減の取り組みの具体的な話について説明いたします。

コマツの利益につなげるアフターサービス

インターネット上にすでに公表されてることなんですけれども、私が顧問をやっていた中国の三一重工が常に気にしていた、競争相手、コマツや日立建機ということなんですけれども、このコマツも一時はいちじは非常に厳しい状況という時代もありました。 

今はかなり業績も堅実になっているということで基本的な考え方、事業に対する考え方は非常に素晴らしく、さらに建設機械以外の企業の購買にも通ずるものがありますのでぜひ知ってほしいです。そして、そこから得るものがあれば参考にしてほしいなと思います。 

コマツは基本的にはまずサプライヤーとの関係、特に重要なサプライヤーに関しては無理な値下げの要求はしない。それから注文のキャンセルを禁止してるという基本方針があります。かつてこれを禁止していなかった時期に、無理な値下げや注文をキャンセルすることによってサプライヤーとの信頼関係が崩れてしまいました。その時はコマツの業績も非常に悪かったんですけど、今はこれをなくす、さらにコマツはサプライヤーとの関係で緑会と称して重要なサプライヤーとの間で密にコミュニケーションを取るという組織があります。この中では色々な情報の共有だとか安全、労働関係、それから専門技術者の育成だとかいろんな形でコマツがサプライヤーを支援しているということがあります。

コマツは建設機械の会社は皆共通なんですけれども、ディーラー、販売、その先の保守、メンテナンスに力を入れています。新製品の販売以上にアフターサービス、保守点検、消耗品の供給、修理、こういった部分でのアフターサービスによる売上というものが非常に大きいです。そのため、アウターサービスに供給するための部品の調達、購買の仕事は非常に重要です。

新製品以上に重要なのは、部品の販売です。実は利益が出ます。新製品だと製品の値下げだとか、いろんな販売促進で利益は薄いですが補修部品、保守点検、メンテナンス、 必ず交換しなければいけないエンジンオイルだとかフィルターとかこのようなものに関しては確実に利益が出るので、どれだけ正規のディーラーから純正品を供給するかこの体制を築くかということが重要になってきます。

このようなアフターサービス、メンテナンスに関しては自動車業界も一緒ですし、他の機械メーカーについても同じことが言えると思います。

このようなアフターサービスがどれだけ売り上げを立て、 利益を確保できるかということが これからのもののあり方、企業の考え方になっていきます。新製品の販売とともにアフターサービスでどれだけ売上、利益を出していくかということが大事です。

ハイクオリティな商品とサービスで次の需要を得る

まだまだ中国の私の顧問をしていた三一重工に関してもここの部分が非常に弱いです。  

特に中国のマーケットは保守点検、部品の交換が 純正品、メーカー保証ではない安いものが出回ってしまっていてそれをお客様が勝手に交換してしまったり、純正品じゃない部品をつけることによって本体をダメにしてしまうというケースが非常に多いです。そして製品の寿命を短くしてしまうということがあります。

その考え方の背景には新製品をできるだけ早いタイミングで買い替えてもらうために既存品の耐久性を上げすぎないという考え方です。あまり長すぎると新製品が売れないという考え方なんですけれども、日本とか欧米の考え方は逆です。できるだけ長く使ってもらいアフターサービスでしっかり利益を出す。長いこと使っていただいたという信頼関係でもって次の買い替え、需要を狙うという考え方です。 

中国は新規の顧客開拓メインで次から次へと新しいお客様に新製品を売って儲けるという考え方がまだまだ体質的に変わっていません。なのでそこへの興味が実は非常に薄い。だけど我々日本企業が中国のメーカーと戦って勝つためにはそれではダメです。高品位のものを出来るだけ長く使ってもらい、それで修理、メンテナンス、主要な補修部品や消耗品を交換してもらいながら常にハイパフォーマンスの状態を保ってもらうということが大事だと思います。

まさにコマツはそういう取り組みを実際にしていて、補修部品を供給するサプライヤーとは常に密に、さらに在庫の管理だとか、仕様が変更になるとか、設計が変わるとか、モデルチェンジがあってもその補修部品を供給し続ける。大体5年から、さらに長いものに関しては10年ぐらい、販売終了後も部品の在庫をし続けてお客様に提供するという体制も整っています。

さらにそれで過剰な在庫にならないように、過去の出荷の実績をデータ分析した上で最適な在庫量、重要な品目を剪定した上で倉庫に保管するという体制を持っています。いかにここで無駄な部品を長期在庫しないかという考え方です。 

購買部門としてはどこまでサプライヤーにその部品、販売終了後の補修部品を供給してもらうかという体制、信頼関係を構築した上でそれを維持するということが大事なんですけれども、そのようなことを続けるということが日本のマーケットでは非常に重要です。

これはコマツに限らず日立建機や、コベルコ、住友など様々な建設機械それから自動車業界も同じですし、他の機械だとかいろんな設備のメーカーも同じような考え方を取っていると思います。

ぜひこの考え方、すでに皆さん実行されてると思うんですけれども、そこにさらに何がまだ無駄があるのかとか、利益や売上を伸ばす余地があるのかを考えた上で購買部門としては適切な原材料、部品の供給。そのための過去の実績、今後の見通しというものを正しく判断し、そのビッグデータを将来的には人工知能で解析して省力化した上で自動発注という形につなげていって欲しいと思います 。

今日はここまでになりますけれど、さらに私が三一重工の参考としてきたコマツの取り組みについて色々なポイントをこれからも解説していきます

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