製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
今日はコマツの取り組み
その中でもアフターサービス、メンテナンスで
非常に高い評価を受けているKOMTRAXについて説明をいたします
KOMTRAX って何?ということなんですけれども
販売した建設機械にセンサーがついていて
そのセンサーがGPSを使って情報が送られる
どこに送られるかって言うとコマツのサポートセンターです
ここで集まった集計分析されたデータが
動き回ってる建設機械の保守メンテナンスの時期を知らせるということと
全世界のコマツの機械にそれがつけられたことによって
どういう稼働状況にあるかということ
今後の販売予測だとか需要予測、経済予測にまでつながるということ
元々のこのKOMTRAXの発祥となるきっかけは
建設機械が作業してる所って
山の中でなかなか修理、メンテナンスのタイミングわからないということで
コマツのサービスマンが苦労していました
故障してから初めて部品を交換しなきゃいけないということで
サービスマンが修理に行っても必要な部品は何ということで
もう1回部品を取りに行くという無駄な時間
その間稼働できない建設機械は全然稼がないわけなので
非常にお客様からのクレームが
これを解消したいということでじゃあどうしたかっていうと
センサーをつけてエンジンオイルの交換時期を予測しましょう
その中に不純物、金属片が入っていれば
そろそろ汚れていれば
オイルの交換時期だということをそのセンサーがGPSを使って
サポートセンターに情報を提供する
どれだけ稼働しましたねっていう稼働時間だとか
販売してからどのくらい時間が経っているとか
1日どのぐらい稼動してるとか
いろんな情報を吸い上げることによって
そろそろこのまま使い続けると故障になるので
エンジンオイル交換しましょうと予防的なメンテナンスに繋げる
ということにつながって
故障が非常に減るということになった
これが顧客の信頼を得るとともに
いつどういうタイミングで何を交換するか
何を特にエンジンオイルを供給するかというそのタイミング、その量
これをある程度予測することによって
様々なメリットが生まれました
まずいつどういうタイミングで
エンジンオイルやフィルターを供給しなければいけないか
ということが予測できることによって
無駄な在庫がなくなりある程度予測ができることによって
顧客が故障する、稼働率が下がるということが大幅に減り
最適なパフォーマンスで建設機械動くというメリットが生まれました
さらにサプライヤーにおいては購買から
いつどのくらい補修部品用、消耗品用で
エンジンオイルやフィルターが必要だということが分かれば
サービスセンターにそれをいつのタイミングで
どのくらい届けたらいいかっていう計画が立つようになります
そうすると適正在庫量だとか
デリバリーの遅延だとかいろんなものがなくなる
様々なメリットが生まれることによって
非常に効率的な在庫管理ができるようになる
今までの過去の実績から予測して在庫を持っていたものが
確実にいつ、どのタイミングで必ず出荷する必要がある
ということがわかると
それに見合った在庫管理だとかいろんなことが前もって
計画的にできるようになりました
全てそういうわけではないんですけど
既に80パーセント以上の建設機械に装着されているということで
大きな予測を外すということがなくなった分
無駄がなくなり経営の効率化、コスト削減に繋がります
在庫も回転率が高まるということと
長期在庫がなくなることによって
廃棄のロスも大きく減るというようなメリットがあります
このような形で様々な副次的なメリットもあり
さらにメインの売上、信頼を勝ち得ることによって
買い替え需要も確保できて非常に大きなメリットを得た
KOMTRAXというシステムなんですけれども
このKOMTRAXを各社がやはり真似していて
キャタピラーや日立建機も似たようなシステムを構築しています
特に日立建機は親会社が日立製作所という
コンピュータの会社ですから
様々なシステムを自社で開発して管理をしてるということです
そしてアメリカのキャタピラーも同じことをやっています
中国でも真似して私が顧問をしていた
三一重工でも始めたんですけどまだまだ装着率が低いとか
集まったデータの信憑性がないだとか
信頼性が低いので予測した通りにならない
ないしは予測する前に故障してしまうというようなトラブルが発生して
なかなか思うようにいっていないというのが現状です
それに比べると日本は高品位、高品質の緻密な管理をしているので
かなりの精度を高めることによって
顧客からの信頼を得ています
さらに稼働率が分かることによって
経済状況だとか建築工事に関わる
プロジェクトの世界的な需要だとか動きだとかを
予測することによって経済動向がある程度予測できるようになった
ということです
これで今日銀東京よりも早くKOMTRAX の情報が建設機械だけではなくて
建設業界全体の需要、ないしは
国の経済がどういう状況にあるんだってことが早くわかることによって
これが証券会社を通じて投資家に渡って
かなり効果を得てるという話も聞いています
このように今日は KOMTRAX についてお話をしましたけれども
購買にとってある程度、補修部品の需要が見込める
予測が立つということがいかに重要か
ということがわかっていただけたかと思います
さらに詳しい話、ありますけれども
この建設機械業界の様々な購買に関わる話はまだまだ続きます
これ建設業界以外もメーカーにも当てはまる参考になる情報ですので
引き続きこの話をしていきます
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。