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マテ茶は南米を中心に伝統的に飲用されてきたハーブティーであり、近年は豊富なポリフェノールを含む機能性飲料として世界的に注目されている。
ポリフェノールを高濃度で抽出することにより、健康食品、化粧品、医薬部外品など幅広い製品開発が可能になる。
本記事では、マテ茶エキスからポリフェノールを効率良く、高純度に取り出す技術とその最適化ポイントを解説する。
マテ茶はイlex paraguariensis(イレクス・パラグアリエンシス)の葉を乾燥・焙煎して作られる。
主要成分にはクロロゲン酸類、ケルセチン、ルチン、カフェ酸誘導体などがあり、これらが総称してマテポリフェノールと呼ばれる。
抗酸化作用、抗炎症作用、血糖値上昇抑制など、機能性エビデンスが多数報告されている。
しかし、乾燥原料をそのまま浸出しただけではポリフェノール濃度が低く、加工品への応用に限界がある。
機能性表示食品制度の拡充により、明確な健康訴求を行うためには有効成分量の定量化が必須となった。
さらに海外市場、とくに北米やEUではハーブエキスの規格化が進んでおり、ポリフェノール含量何%という明確な指標が求められる。
粉末飲料、サプリメント、エナジードリンク、スキンケア原料など、多様な最終製品で一貫した品質を確保するためには、高濃度抽出と安定化が鍵になる。
最もシンプルでコストが低い。
90〜100℃の熱水に10〜30分浸漬することでクロロゲン酸を中心に溶出させる。
ただし高温はポリフェノールの熱分解リスクを伴うため、抽出時間の短縮と連続フロー化による熱履歴削減が重要。
50〜70%エタノールを溶媒とすることで、疎水性ポリフェノールの溶解度を向上させる。
共溶媒比率を変えることで目的成分の選択抽出が可能になる。
食品用途では残留エタノール基準を満たすため、減圧濃縮やスプレードライにより溶媒除去を行う。
31.1℃、7.38MPa以上でCO₂を超臨界状態にし、エタノールを数%添加して親水性ポリフェノールを可溶化する。
低温かつ酸素非接触環境のため、酸化・熱分解を最小化できる。
設備投資が高いが、溶媒残留がゼロでクリーンラベル訴求が強い。
マイクロ波で細胞壁中の水分子を瞬時に加熱・膨張させ、細胞破壊を促す。
同時に溶媒を循環させれば、数分で高収率が得られる。
ただしスケールアップ時の加熱ムラが課題で、連続式マイクロ波装置の導入が推奨される。
セルラーゼ、ペクチナーゼなどを用い細胞壁を分解し、包埋されたポリフェノールを放出させる。
pH4.5〜5.5、45〜55℃で1〜3時間反応後、加熱失活して抽出液を回収する。
酵素コストと残存リスクを抑えるため、固体酵素の再利用や膜分離による酵素除去が検討されている。
抽出収率は単一の技術だけでなく、原料処理から後工程までの最適化が必要になる。
粒度
葉を2〜3mmに粉砕すると表面積が増大し、溶媒浸透が向上する。
微粉砕し過ぎるとフィルタリングが難しくなるため、目的成分と設備に応じた粒度設定が重要となる。
固液比
一般的に1:10〜1:20(w/v)が推奨されるが、溶媒コストと濃縮工程の負荷を考慮し、1:5まで濃縮する事例もある。
温度と時間
温度を10℃上げると理論上抽出速度は約2倍になるが、熱分解も加速するため、活性残存率を並行測定して最適点を決める。
pH調整
クロロゲン酸は弱酸性で安定なため、pH4〜6で抽出することで安定性と溶解度を両立できる。
アルカリ側に偏ると異性化や褐変が進行する。
攪拌と圧力
攪拌速度を上げると境膜抵抗が低下し、移動速度が向上する。
高圧抽出(1〜5MPa)では溶媒の浸透が促進されるが、装置コストと安全管理が必要。
ポリフェノールは酸素、光、金属イオンにより容易に酸化される。
抽出後の安定化処理を怠ると、有効量が数十%失われることもある。
酸化防止
窒素置換下で作業し、アスコルビン酸やクエン酸を0.1〜0.5%添加することで酸化を抑制する。
マイクロカプセル化
マルトデキストリン、ガムアラビック、デンプン誘導体などでスプレードライ encapsulation すると、光・熱から保護できる。
カプセル直径を制御することで溶出速度や味への影響を調整可能。
乾燥法選択
噴霧乾燥はコストが低いが熱ストレスが大きい。
凍結乾燥は品質保持に優れるがコスト高。
近年は減圧下で温度を50℃以下に抑えられる真空ベルト乾燥が注目される。
ラボスケールで得られた高収率を商業プラントへ移行する際には、連続運転・溶媒回収・安全基準への適合が求められる。
超臨界CO₂設備では、圧力容器指針や防爆規格をクリアする必要がある。
食品用途の場合、FSSC22000などの国際的衛生規格認証が製品化の信頼性を高める。
用途別に見ると、飲料ではBrix調整と風味バランスを考慮し、ポリフェノール量を1杯当たり50〜100mgに設計する事例が多い。
サプリメント粉末では250〜500mg/日摂取を目安に、高純度エキスをカプセルに充填することで1日1〜2粒で訴求可能。
化粧品では抗酸化・抗糖化機能を活かし、3〜5%配合してエイジングケア用美容液に展開されている。
廃液処理も忘れてはならない。
残渣は家畜飼料や堆肥としてリサイクルし、溶媒は多段蒸留や膜分離で回収率95%以上を目指すことで、環境負荷とコストを同時に削減できる。
マテ茶エキスからポリフェノールを高濃度で抽出する技術は、熱水、有機溶媒、超臨界、マイクロ波、酵素処理など多岐にわたる。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、原料特性・最終用途・コスト・環境負荷を総合的に評価して最適なプロセスを選択することが重要である。
今後は、AIによる抽出条件の最適化、グリーンソルベントの採用、連続式プラントのIoT化が進み、さらに高効率でサステナブルな生産が期待される。
マテポリフェノールの健康機能エビデンスが蓄積するにつれ、機能性表示食品や海外市場での需要は拡大し続けるだろう。
研究開発と商業化の両輪を加速させることで、マテ茶の潜在価値を最大限に引き出し、次世代ウェルネス産業をリードする素材として定着させたい。

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