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ポリウレタンはイソシアネートとポリオールの重縮合によって得られる可塑性または弾性に富む高分子です。
同じポリウレタンでも分子量の大小により物性、加工法、用途が大きく異なります。
一般に数万〜数十万の分子量をもつものを高分子量ポリウレタン(以下、高分子量PU)、数千程度までを低分子量ポリウレタン(以下、低分子量PU)と呼び分けます。
高分子量PUは鎖長が長く、分子同士が絡み合う「エンタングルメント」が多いため、高い機械強度と耐摩耗性を示します。
弾性回復が良く、引張応力‐ひずみ曲線での破断伸びも大きいです。
一方、低分子量PUは鎖長が短く流動性が高いため、液状またはワックス状で存在することが多いです。
硬度や機械強度は低下しますが、可撓性や粘着性、自己接着性に優れ、コーティングやバインダーに適します。
高分子量PUの多くは熱可塑性です。
加熱により軟化し、冷却で再び固化するため、射出成形や押出成形など一般的なプラスチック加工が可能です。
低分子量PUはエポキシやアクリレートと同様に硬化剤との反応で三次元架橋を形成させ、硬化後は熱硬化性樹脂として機能させるケースが多いです。
ポリウレタンの分子量はポリオールの官能基数と当量比、触媒量、反応温度で制御できます。
高分子量PUを得るには官能基比を厳密に 1:1 に近づけ、高分子化を妨げる末端基を残さないことが重要です。
分子量分布を狭くすることで機械物性のばらつきを低減できます。
低分子量PUを設計する場合は、官能基比をずらして末端にイソシアネート基や水酸基を残し、後工程で硬化剤と反応させる仕様にします。
また、短鎖ジオールを組み込み「ソフトセグメント」と「ハードセグメント」の相分離を制御することで、低分子量ながら自立膜を形成できる物性も付与できます。
高分子量PUには加工安定剤や滑剤を添加し、溶融粘度を低減させることがあります。
UV 安定剤や酸化防止剤を併用すると熱履歴による分解を抑えられます。
低分子量PUには可塑剤や増粘剤を加えて塗工性を調整し、架橋反応の際に揮発分が残らないよう選定することが重要です。
ペレット状に造粒した高分子量PUを加熱シリンダーで 180〜230℃に溶融し、金型へ射出します。
金型温度を 30〜60℃の範囲に保つと表面光沢が向上し、ショア A 70〜D 70 の広い硬度帯を一体で成形できます。
過度なせん断は分子鎖切断を招くため、スクリュー回転数と背圧を低めに設定するのがコツです。
ホース、チューブ、シート、フィルムに多用されます。
高分子量PUは吸湿性が高く含水率 0.02% 以上で気泡が入るため、乾燥機で 80℃×4 時間以上の予備乾燥が不可欠です。
ダイス温度を樹脂温より 5〜10℃低く設定すると口金での膨れを防ぎ寸法精度が向上します。
燃料タンクやエアダクトなど厚肉中空体に適用されます。
パリソン段階での垂れを抑えるために高分子量かつメルト強度を高めたグレードを選定します。
熱可塑性PUシートを 140〜160℃で予熱し、真空引きで金型に吸着させ成形します。
自動車内装の表皮材や医療用パッドなど大判製品に向きます。
二液型の低分子量PUを脱泡後、金型に流し込み常温または加熱硬化させます。
複雑形状や肉厚品をボイドなく成形でき、ショア A 20 から D 80 まで硬度調整が容易です。
硬化収縮が小さく寸法安定性が高い点がメリットです。
イソシアネート側とポリオール側を高速ミキシングヘッドで混合し、金型に高圧注入するプロセスです。
充填時間が数秒と短く、大型バンパーやインスツルメントパネルに採用されます。
微発泡させて軽量化しながら高衝撃強度を実現できます。
低粘度の二液型PUを混合即時にスプレーし、構造物表面に皮膜を形成します。
硬化が数秒なので垂れがなく、橋梁や屋上防水、タンク内面ライニングなど大型施工に適します。
ISO 側を過剰にすると脆化、OH 側を過剰にすると耐水性低下を招くため、温調と計量ポンプの校正がポイントです。
ワックス状プレポリマーを 80〜100℃で溶融後、基材に塗布し冷却で一時固化させ、後工程で湿気硬化させる方式です。
電子部品の封止や木工用接着剤で普及しています。
弾力性と耐摩耗が最重要のタイヤ、ベルト、ローラーには高分子量PUが適しています。
厚み方向圧縮に強いセルラー材には高分子量PUのマイクロセルラー発泡体が採用されます。
自動車外装塗膜のチッピング抵抗向上、スマートフォンの衝撃吸収フィルム、繊維用コーティングには低分子量PUが加工の自由度で優位です。
また、医療分野では体液適合性に優れるポリカーボネート系低分子量PUをカテーテル内壁コーティングに用います。
エステル系 PU は加水分解しやすく、白化や強度低下が生じます。
耐加水分解性を要求される場合はエーテル系、シリコーン変性系を選定し、成形品には防湿パッケージを施すと効果的です。
射出成形では加熱滞留による分解ガスで焦げが生じます。
シリンダー温度を下げ、樹脂交換時にパージ材を使用して分解物を除去することで解決します。
低分子量PUの二液混合比がズレると硬化不良とベタ付きが発生します。
定量ギアポンプの脈動を抑え、現場温度を 20〜30℃に保つことで粘度差を小さくし精度を確保します。
近年はバイオマス由来ポリオールを用いたポリウレタンが注目されています。
高分子量PUでは糖由来ポリオールを 10〜30% 置換しカーボンフットプリントを削減する試みが進んでいます。
廃 PU のマテリアルリサイクルは難しいものの、加水分解でオリゴマー化しポリオールとして再利用するケミカルリサイクルが研究されています。
また、熱可塑性ポリウレタンの粉砕リペレットは射出成形用の低荷重部品として再利用可能です。
高分子量ポリウレタンは高い機械強度と熱可塑性を活かし、射出や押出といった量産加工に適します。
低分子量ポリウレタンは流動性と反応性を武器に、注型や塗布、スプレーなど多彩な成形法で活躍します。
用途、要求物性、生産性を総合的に評価し、分子量と成形方法を最適化することで、ポリウレタンの可能性を最大限に引き出すことができます。

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