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カシ材は硬質で美しい木目を有し、寺社建築や家具用材として古くから重宝されてきました。
しかしリグニンやタンニンが豊富である一方、吸湿性も高いため、長期的な屋外曝露では腐朽菌やシロアリの被害を受けやすいという弱点があります。
従来は銅系薬剤や合成防腐剤による加圧注入処理が主流でしたが、環境負荷や薬剤溶出のリスクが顕在化しつつあります。
熱分解処理とは、木材を160〜240℃の高温環境下で数時間加熱し、同時に窒素ガスなどを導入して酸素を遮断する改質技術を指します。
熱によりヘミセルロースが分解し、木材内部の親水性官能基が削減されることで、吸水率が大幅に低下します。
この結果、腐朽菌が生育するために必要な含水率(25〜30%)を長期にわたり下回る状態が維持され、防腐性が飛躍的に向上します。
1. 予乾燥:人工乾燥炉で含水率を10%以下に調整。
2. 昇温過程:1時間あたり10〜15℃の速度で200℃前後まで昇温し、内部応力を緩和。
3. 熱分解保持:ターゲット温度で2〜4時間保持して化学変成を促進。
4. 冷却・コンディショニング:窒素置換状態で温度を100℃以下に降下させ、最後に防裂剤を噴霧。
熱分解処理によってヘミセルロースが減少し、栄養源を失った腐朽菌は増殖できません。
さらにセルロース結晶化度が上昇し、細胞壁の空隙率が縮小することで、水分や腐朽菌の侵入路が物理的に制限されます。
同時にpHが酸性側へ移行し、腐朽菌が好む中性環境から外れるため、生物劣化を二重に抑制します。
サーモオークの抽出成分を用いた選択摂食試験では、未処理材に対して摂食質量が70%以上低下したとの報告があります。
これは熱分解によって生成した有機酸やフェノール類が忌避物質として機能していると推測されています。
薬剤注入と比較すると、熱分解処理は下記の優位性を示します。
・薬剤溶出の心配がなく、幼児施設や水辺空間でも安全に利用可能。
・処理後の色調が深い褐色になり、高級感を演出。
・加工後の塗装密着性が高く、再塗装サイクルが延伸。
一方、欠点として曲げ強度が10〜15%低下するため、梁材や構造部材に使用する際は断面寸法の再設計が必要です。
国内外の事例から、カシ材への熱分解処理は以下の用途で高い評価を得ています。
含水率が安定し狂いが少ないため、床鳴りや反りが減少。
無塗装でも15年以上の使用実績があり、メンテナンスコストを大幅に削減します。
焼杉とは異なり煤の付着がなく、軽快な色彩と木目を保持。
紫外線による退色は避けられませんが、グレーイングを許容するデザインであれば無塗装仕上げが人気です。
金属やプラスチックと比較して触感が温かく、夏季の熱吸収も低いことから公共ベンチへの採用例が増加。
フェノール系抽出物質の防虫効果で薬剤散布回数を半減できます。
研究機関の試験では、200℃・3時間処理したカシ材の耐朽指数は未処理材の4.5倍に向上しました。
曲げヤング係数は12%低下に留まり、デッキやルーバー用途において設計許容範囲内でした。
接着性はポリウレタン系接着剤で80%以上の木破壊率を維持し、集成材化も可能です。
熱分解処理は電気炉またはガス炉を用いるため、エネルギー起源のCO2排出が課題です。
しかし薬剤製造や廃棄時の環境負荷がゼロに近い点、廃棄木材を燃料として炉内加熱に再利用できる点を考慮すると、ライフサイクル全体では従来薬剤処理よりCO2排出を25%削減できます。
コストは原木1m³あたり2.5〜3.0万円と、薬剤注入より約1.2倍高いものの、再塗装や薬剤メンテナンス費用を含めると10年スパンで逆転するケースが多いです。
・現場切断部は防水エッジシールを施し、吸湿端面を保護する。
・ステンレスまたは高耐食コーティングビスを使用し、酸性化した木材による金属腐食を防止。
・200℃以上の高温で処理した材は脆性が増すため、小径釘の斜め打ちは避ける。
カシ材は国内で安定供給が可能な広葉樹であり、熱分解処理との組み合わせにより国産材の高付加価値化が期待されます。
また、処理温度制御や前処理薬剤とのハイブリッド技術を導入することで、曲げ強度低下を最小限に抑えつつさらに高い防腐性能を実現する研究も進行中です。
森林資源循環と脱炭素要求が高まるなか、カシ材サーモウッドは屋外木質市場で中核的な選択肢となるでしょう。
熱分解処理を施したカシ材は、吸水率低減と化学組成変化により防腐性能が大幅に強化されます。
薬剤溶出のない安全性と高級感のある外観を兼ね備え、デッキ材や外装ルーバーなど屋外用途が確実に拡大しています。
コスト面でも長期ライフサイクルで優位性が高く、今後の標準仕様として普及が期待されます。

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