- お役立ち記事
- 5年先、10年先のあるべき姿を想像して購買すること
5年先、10年先のあるべき姿を想像して購買すること
今日はコスト削減の戦略の中で
建設機械のコスト削減の取り組み
これについてさらに詳しくお話をしてまいります
アドバンスコースとして
どうやって部品の共通化、標準化を図るかという戦略について
もう少し詳しく話をしていきます
私が実際に2015年から2019年まで
中国の三一重工というところでこの取り組みをしてきました
実際にはコンクリートポンプ車のランプ
色々な形が実際に存在するんですけれども
車両そのものに装着するもの
ランプとしていくつかあります
まず前照灯
それから車内の天井灯
それから側面の警告ランプ
それからバックのブレーキランプ
その他にも様々な照明用のランプが必要となります
特に建設機械の場合は走るとき以上に止まって作業をする時
特に夜間の作業
これ非常に照明というものが重要になります
どうしても深夜の作業になりますと安全性を確保するために
かなりの照度を要求されます
場合によっては建設工事現場の照明というものも
十分に必要になるんですけれども
車両の中で色んな計器を表示する
それから危険を回避するためのランプ
さまざまなものを装着しているんですけれども
車種
小型から大型に至るまで同じであっていいものが
実際に車種が違うことで別々の形状のものが付いていたということがあります
これランプに限らずさまざまなものが
4トン車の小型のタイプから10トン車
さらにもっと大きい車両に至るまで
全部同じタイプでいけるはずなんですけれども
何故か異なっています
コンクリートポンプ車だけではなくて
近隣の工場でクレーン車も作っているんですけど
そこでまた工場が違う、事業部が違うということで
別のメーカーから、別のサイズのものを買っていた
ということがあります
でも実際にそれもわざわざデザインだとかを変える必要がないです
中国の工業基準きちっと
日本でいけば日本のJIS企画のような基準があるんですけれども
変える意味がない必要がないんですけれども
実際に事業部ごとの情報交換がされてなかったというだけで
別々のメーカーから別々の物を買っていたということになります
これを実際に揃えるためには
まず設計段階から情報交換をしていかなければならない
それも単に各事業部ごとの情報交換ではだめで
研究開発本部とかいう組織を作って
中国の各地にある工場の中で
共通で取り組まなければいけないこと
中国の基準があるのであれば
それをクリアしなければいけないっていうのは
各事業部であっても全部共通なので
そういった取り組みをしていかなければいけない
照明に関しては照度の問題だとか耐久性の問題だとか
色々クリアしなければいけない問題はたくさんあります
どんどんどんどんLED化することで寿命が延びているんですけれども
このLED照明に関しても色んな基準があります
それをクリアするためのテストというのは
メーカーを絞って品目、デザイン、設計を絞って
それをテストすればいいんですけれど
これバラバラにやってるとそれごとでバラバラにテストをしなきゃいけないとか
品質のチェックをしなきゃいけないとか
在庫をチェックしなきゃいけないとか
納期完了バラバラでやらなきゃいけないとか
非常に煩雑ですよね
これをどれだけ揃えられるかというのは
まず設計の段階からそれから生産計画
事業部ごとでバラバラで見ているものを全体を見て
揃えていかなければなりません
どこの事業部でどのぐらい生産がある
だから発注先、納入先その数量
そういったものをトータルで管理するという必要があります
だから各事業部ごとで納期管理、数量管理をしているとともに
購買本部で全体的な数量を取りまとめて
メーカーと直接交渉するないしは
複数のメーカー見積もりを比較してシェアを決めるとか
そういった本部と各事業部の役割分担を明確にしなければなりません
実際に各事業部の車両に装着するための細かい設計の調整
できるだけ揃えるためにどこまで譲れるか
という話を事業部間の研究開発部門、設計部門、生産部門で
話し合いをしていかなければなりません
購買部門と研究開発本部さらに生産管理本部
こういった部門で数回話をした上で
それをさらに日頃これだけインターネット、メールのやり取りが
自由にできてる環境の中で、色んなコミュニケーションの手段を持って
常に情報交換をしていくということが必要になります
当然サプライヤーも1社ではありません
何社もあるんですけれどもその中の品質やコスト
様々な比較をした中で
納入地に近い場所の工場の選択
サプライヤーを選ぶというような作業も必要になってきます
今前照灯や警告の表示のランプの話をしましたけれども
もっと難しいのがボディパーツである金属の構造部品
これ鉄鋼メーカーから加工された金属の板、鉄板、鋼板を購入するんですけれども
これに至っては更に大変な思いをしました
ほんのわずかな長さの違い、厚みの違い、幅の違いで
何十種類、何百種類という鋼材を実は買っていました
これを揃えるということを実際に取り組みました
私は購買本部の中で全事業部が買っている鋼板の
データを全部集めて比較しました
そうしたらほんのわずかの厚みの違いだとか長さの違いの理由を
明らかにしたんですけれどもそれは合理的な理由ではなかったです
それは鉄鋼メーカーの生産の都合
これだけのサイズで作れば
これだけのコストでできると
できるだけ を良くするためにこういったサイズでお願いします
そのほんのわずか数ミリの違いの長さだったり
厚みだったりわずかパーセンテージに巻き直すと
ほんの0.何パーセントというわずかな違いの
合理的な理由がありませんでした
本当は揃えられるわけです
だけど揃えるとなると今度は鉄鋼メーカーの再選定だとか
生産する工場の再選定
どこへ収めるかといったこと
細かい調整が必要になってきます
中国の各地、広東省、湖南省そして浙江省それから更に北京だとか山東省
色んな所に工場がある中で
どこまで1つのメーカーでカバーするのか
ないしは複数のメーカーでカバーするのかということを
購買本部が各事業部と話をしながら
最適な条件で供給できるところを選ばなければいけないですし
鉄鋼メーカーの都合
鉄鋼メーカーとしての標準サイズと自分たちの製品のボディパーツの標準と
どこまでギャップを擦り寄せることができるかというのは
研究開発部門
実際に試験をやって耐久性だとか安全性だとか
更には生産の効率だとか、設備の問題だとか
いろんなものを検討した上でクリアできることできないことを全部洗い出した上で
できる方向に調整していかなければいけません
できるだけ揃えるためにサイズや仕様、品質、成分分析
様々なもので条件を揃えるために
最低限クリアしなければいけないという条件をまずは見出します
オーバースペックのものはできるだけ引き下げて
できるだけ足らない部分は引き上げていく
引き上げる分はどうしてもコストアップになりますが
ボリュームのディスカウントによって
サイズやスペックまとめることによって削減ができるのであれば
トータルで見てコスト削減になるのであれば
そこへ揃えていくという作業が必要になります
この切り替えの作業は新製品や改良のタイミングでの設計変更になります
このような取り組み、地道にひとつひとつ潰していく
更に製品をどこまで売れる製品に集約して
売れない製品を生産するのをやめるかという
営業戦略、事業戦略も考える必要があります
両方を考えた上で最適なものを選ぶ
それが購買部門、営業部門、生産部門、総合的に判断して
何が企業のこれからの5年先10年先、あるべき姿であるかを見極めた上で
部品の集約ということを進めていかなければなりません
建設機械に限らず他の工業製品
みんな似たようなことが起きていると思います
少量多品種でどんどんどんどん部品が増えている中で
どこまで集約できるかということを考えるということが大事です
今日はここまでで
建設機械に関する部品の標準化、共通化
私が実際に中国の三一重工で行ってきたことについて
2品目、ランプとそれから金属部品、鋼板
これについて具体的なお話をしました
さらにまだまだ色んな部品ごとでいろんな手法があります
基本的な考え方は一緒ですが
個別で対応する方法が若干違うということがありますので
この先も時間の許す限り細かい説明をしていきたいと思います
是非この動画に対する皆さんの意見
コメントお待ちしております
良ければ高評価のボタン、そしてNEWJIチャンネルの登録もよろしくお願いします
今日は以上になります
資料ダウンロード
QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。
ユーザー登録
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
オンライン講座
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)