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東南アジア・中東市場で伸びる製品カテゴリと日本企業のチャンス

目次
はじめに―今、東南アジア・中東市場が熱い理由
近年、東南アジアおよび中東市場は、世界の製造業各社にとって新たな成長フロンティアとして存在感を高めています。
特に日本の製造業は、少子高齢化による国内市場の縮小や原材料高騰といった課題に直面しており、海外市場開拓の必要性に迫られています。
このような中、経済成長著しい東南アジア・中東地域は、供給サイド・需要サイドの双方から極めて大きなビジネスチャンスを提供しています。
本記事では、20年以上の現場経験を持つ筆者の視点から、東南アジア・中東市場で今まさに伸びている製品カテゴリ、日本企業にとっての勝機、現地バイヤーやサプライヤーのリアルな動向、そして昭和型アナログ取引から脱却しつつある最新トレンドについて、深掘りしてご紹介します。
成長を支える東南アジア・中東の市場構造とは
人口構造の若さと急速な都市化
東南アジアのASEAN主要国は、いずれも人口ピラミッドの「底が広い」若年層中心の人口構成を持っています。
インドネシアやベトナム、フィリピンは今後も人口増が続く予想で、労働力が豊富です。都市人口も増加の一途を辿り、中間所得層が急増しています。
一方、中東主要国もサウジアラビアやUAEを中心に新興都市開発やインフラ整備が進み、高付加価値製品への需要が高まっています。
外資誘致と産業政策の現場インパクト
両地域とも外資誘致や産業多様化政策を進めており、進出日本企業にとっては工業団地や税制優遇といった魅力も多いです。
現地バイヤーは、より高度な製造技術や省人化・省エネ化設備、日本品質を求める傾向が強まっています。
伸びている製品カテゴリ―現地の実情とバイヤーの声
1. 工場自動化・省人化関連機器
日本製自動化機器(ロボットアーム、搬送装置、画像検査装置、IoTセンサー等)は、東南アジア諸国の人件費上昇や技能不足に応える形で強い需要があります。
特に、バイヤーは「現地工員のトレーニング工数が抑えられる」「日本の品質管理ノウハウがパッケージ化されている」と高評価を与えています。
2. 環境・省エネルギー関連製品
中東は再生可能エネルギー拡大の流れを背景に、高効率モーター、太陽光発電用部材、排ガス規制対応装置などに注目が集まっています。
バイヤーからは「長期的なTCO(総所有コスト)を下げたい」「世界基準の省エネ規制に備えたい」という声が増えています。
日本企業は蓄積した環境対応ノウハウを活かせるチャンスがあります。
3. 食品・医薬品・日用品の包装機械および関連素材
人口増・生活水準向上に伴い、東南アジア・中東の食品、ヘルスケア、日用品、コスメ市場が急成長中です。
衛生管理や追跡トレーサビリティ、持続可能な素材(エコパッケージといったグリーン包装)のニーズも高まっています。
「日本企業と組むことでGMP・HACCP基準を満たす工場を目指したい」というバイヤーの声も現場でよく聞きます。
4. インフラ関連機械・建設資材
都市化、新規プロジェクト増加の波で、建設・土木機械、インフラ資材の需要が旺盛です。
特に洪水対策用ポンプや制御システム、高耐久な産業資材などが評価されており、「日本製は現場で壊れにくい」「施工後のフォローが手厚い」とよく指摘されます。
日本企業のチャンスはどこにあるか
技術力と現場密着型ソリューションの提供
日本企業の強みは、きめ細やかなカスタマイズ対応力と現場主義にあります。
東南アジア・中東市場のバイヤーは、「単なるスペック競争ではなく、“現場で役立つ”工夫や、アフターサポートの充実」を重視しています。
日本企業は現地法人やパートナー企業を活用したサービスネットワークを武器にしやすい特長があります。
品質保証・トレーサビリティ強化のニーズ
とくに中堅・中小サプライヤーにとっても、日本品質を保証することで受注機会が広がっています。
現場目線で「納品後に現地スタッフが即時対応可能」「各工程履歴のトレーサビリティを見える化してほしい」といった要望にも応えやすい体制づくりがポイントです。
標準化・部品共通化の流れ
多くの現地バイヤーが「短納期・低コスト」を志向するなかで、仕様の標準化やグローバル共通部品供給など、アナログな“カスタム至上主義”からの脱却が求められています。
日本企業もモジュラー設計や現地アッセンブリー、現地サプライヤとの協業に踏み出す動きが加速しています。
昭和型アナログ業界の変貌―現場もデジタルへ
バイヤーが変わる:調達のデジタル化・選定プロセスの変革
これまで人脈・慣習に依存した取引が主流でしたが、現地でも調達プラットフォームや電子調達システム導入が進みつつあります。
「製品比較やサプライヤ評価をオンラインで可視化できるようにしたい」という現地バイヤーの動きに合わせ、日本企業もデジタル営業基盤を強化する必要があります。
ローカル人材の積極活用と現地主導型PJの拡大
東南アジア・中東の多国籍現場では、ローカルスタッフが主導するプロジェクトも増えています。
日本企業には、現地スタッフ向け教育、権限委譲、現地語での技術資料整備など“現場の自立性”を高める支援が期待されています。
これからのバイヤー・サプライヤーに求められる発想
バイヤーに必要な力は「現地目線のバランス感覚」
コストだけではなく、品質・納期・サービス・将来性という全体最適を見据える判断力が求められます。
特に、市場環境が変動する局面では、「新規サプライヤーの開拓」や「BCP(事業継続計画)視点」が益々重要となります。
サプライヤーは「パートナー型」の価値提供を
単なる応札姿勢ではなく、「現地要員の短期集中トレーニング」「故障時遠隔・即時対応」「省エネ効果・TCO低減の提案」など、バイヤーの改善目標に“寄り添う”提案型の営業が効果的です。
また、グローバルコミュニケーション力や、現地文化に配慮したアプローチも競争力のカギになります。
まとめ―新たな地平を開拓するために
東南アジア・中東市場で伸びているのは、自動化機器、環境対応製品、先進的なパッケージングおよびインフラ機械です。
これらの市場で成功するためには、現地目線を持ち、デジタル化・標準化・パートナーシップ型の関係構築が不可欠となります。
昭和型の「人頼み」「根回し重視」から一歩先へ。ラテラルシンキングで誰も切り拓いていない課題を現場から発見し、グローバル競争の波をチャンスへと変えていきましょう。
あなた自身の「現場力」と日本企業ならではの誠実なものづくり精神が、これからの成長市場において、強力な武器となるはずです。
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