製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
今日はちょっと旬な話をいたします
昨日、今日と日本の自動車メーカーで
大きな話が2つありました
一つは三菱自動車の軽のバンのリコールの話
もう一つはホンダのアメリカの現地法人が
アメリカの大手自動車会社GMと共同で開発をする
という話
購買にとって非常に大きい、重たい話なので
ぜひ皆さんにお届けしたいと思いますし
この件については購買の立場から
この情報をどう普段の自分の仕事に活かすか
ということも考えてお話をしたいと思います
まず一つ目のリコールの話
これはエンジンの一部分の耐久性に関わる話です
リコールとなってしまった原因がどこにあるのか
どうして走ってる途中で
エンジンが止まってしまって
動かなくなってしまうというリスクがあるのか
そういう故障が起きてしまったのか
これは非常に難しい話ですね
背後にある原因というのは
ギリギリまでのコスト削減
それからギリギリの研究開発、スケジュールの
もういっぱいいっぱいのところで
どんどんどんどん新製品を出していかなきゃいけない
燃費を向上させなきゃいけない
排気ガス規制もクリアしなきゃいけない
いろんな規制や基準があって
その中でも車は軽量化しなきゃいけないし
利益を出さなきゃいけないんで
原価低減は行わなければいけない
じゃあ品質は、耐久性はどこまでOK?
どうしても会社の利益を確保するために
調達する原材料、部品の品質
理想を追うと
どんどんどんどんコストアップになってしまうところを
どこで線を引いて OKを出すの
この判断が非常に難しい
さらに設計変更だとか
改良のために形状を変えるとか素材を変えるとか
いろんな取り組みをしている中で
本当にこの形状やこの組み合わせ
この設計で本当に長距離長時間走って
問題ないのかっていうテストもやってはいるんですけれども
果たして本当にそれで十分かどうか
本当にギリギリのところを狙った結果としての
リコールだと思うんですね
購買部門が
研究開発部門や生産部分、設計部門、営業部門から言われて
これだけのコストで調達してください
と言われた時に
どこまで自信を持って
これで大丈夫ですと言えるかどうかです
サプライヤーが自信を持って
この原材料、部品で間違いなく
普通に車検を通して8年、10年動きます
故障ないです、事故もないですと言えるかどうかですよね
みんなギリギリのところで追い込まれて
このコストでこれでやるんだったら
どうしてももうこれで作るしかないよね
そういうことがあった結果
そのギリギリのところで
それではやっぱりだめだったね
っていう結果が出てしまった
そのためのリコールだと思うんですよ
最初
あれ故障があるね?不具合があるね?
組み立ての問題だったんだろうかとか
いろんなところでダメージがあったんだろうかとか
いろんなことを原因を究明しながら
改良改善はずっとし続けてたと思うんですけれども
だんだんそれが積み重なってこれ限界だね
だからいつどの
タイミングでリコールを届け出るかというのも非常に難しい
品質管理部門の責任も重たいと思います
決断も非常に大事だと思います
早めに決断をしないと
走行中に止まってしまって
エンジンが再稼働しないとなると
これ高速道路で起きたら非常に危険ですよね
というように人の命が
かかわる原材料、部品の仕様、設計、購買部門だけの責任ではありません
どれだけみんながこの責任を
分担し合って
事故を防ぐ、再発を防止する
さらなる改善策を取るかっていうことになると思います
是非普段自分が調達している原材料、部品が本当にこれでいいだろうか
値下げの要求が本当に妥当なんだろうか
いろんなことを考えながら
仕事をしていると思うんですけれども
もう一回見直しをしてほしいなと思います
それからもう一つ
ホンダとGM
なんでこういうことをしようとしているのか
これはネットの記事にはありましたけれども
コスト競争力を高めるということがこのホンダとGMの結びつきの
基本的な目的の一つと書かれていました
実際にアメリカ地域限定となっているんですけれども
ホンダとGMが組んで戦う相手は
どこにいるかっていうと
テスラとか中国がこれから進出しようとしてきていて
日中それから中米の政治的な関係で
今なかなかうまくいってませんけれども
今後、電動化がどんどんどんどん進んでいく中で
中国のbydだとか
いろいろなところが台頭してくる
それに迎え撃つ対抗策
事業戦略だと思うんですね
実際にアメリカでも
テスラという電気自動車ありますけれども
ホンダもGMもこれからのハイブリッドや電動化に
先頭に立って開発する力があるかどうか
一社だけでできるかっていうと
非常に微妙な
生産数、生産効率を高めるためには
それだけボリュームが増えれば当然つくわけで
一社よりも二社で組み合わさったほうが
確実に戦いに勝てるね
という判断だったと思うんですね
でもこの二社のボリュームだけで
本当に勝てるかっていうのは
疑問だと思うんですね
他にいろんな共同開発のアライアンスの戦略を探ってたと思うんですけれども
各社やっぱりいろんな戦術を練っていて
人的なつながりだとか
技術的なつながりとか
もう水面化でいろんな形が行われている中で
どうやって自分たちが生き残るかっていうのは非常に難しい時代に入ってます
BMWとトヨタも86とZ4で
共同開発
プラットフォームを共有化したっていうことになったんですけど
結局上に乗せたボディの部分とかエンジンの部分とか
全然トヨタとBMWのレベルが違い過ぎて
共通ができたのは一部だけだった
この2つのボリューム合わさるだけで
このニッチなスポーツカーの分野の競争力って
ものすごくつくはずだったんですけれど
必ずしも成功とは言い難い状態です
今回のGMとホンダの結びつきというのは
本当に真剣にやっていかないと
生き残れないギリギリのとこだと思います
アメリカ限定というのは
私のものの考え方からするとまだまだ小さい
本当にそれで10年後、20年後
生き残っていられるだろうか
っていうことは厳しいと思います
できればグローバル
全世界レベルで
それも二社の結びつきではなくて
もう少し大きいレベルで
地球の環境の未来を考えて
自動車メーカー全体で電動化なのかハイブリッドなのか水素自動車なのか
さらにもっと違うものなのかっていうことも含めて
共同で取り組む部分があっていいと思うんです
競争する相手は自動車じゃないですよね
家電製品だったり
全く違う別の交通システムだったりすると
競争相手は自動車メーカーではなくて電気メーカーだったり
予想もつかない会社が
競争相手になったりします
実際日本のトヨタで
静岡県の裾野でやる実験には
パナソニックだとか
いろんなところが組み合わさって
共同で取り組んで開発をしていきます
先日も自動運転の話で
いろんな企業が共同で取り組もうとしています
もっともっと自由な発想で電気メーカー
例えば
GEとGMとホンダとか
ないしはボーイングだとか
更にはシーメンスとかキャノンとか
いろんなところといろんな形で組み合わさって
次の新しいサービス、製品
開発してていいと思うんですよね
それには
いろんな準備が必要だと思うんですけれども
昨日今日飛び込んできたニュース
これで購買部門がやるべきこと
これだけいろんな企業の購買部門が一緒になって
取り組むという話あるのであれば
自分たちがどこと一緒になって取り組むことが
ドラスティックな
コストダウン、業務の効率化につながるかということを考えて
時間のかかるプロジェクトに関しては早くに着手をして、準備をして
取り組んでいってほしいなと思います
そんなことを感じましたので
是非このニュースを
自分たちの仕事に活かしてほしいと思います
三菱自動車のリコール
ホンダとGMの共同開発
これは全く違う
購買にとっては両極端な
攻めの情報と守りの情報と品質に関わる情報と
ボリュームでディスカウントを目指すグローバルな大きな話
両方、昨日今日続けてありました
非常に興味深いところですね
こういった日頃の
購買に関わるいろんなニュースも
どんどんどんどん情報として
お伝えしていきたいと思います
お伝えするだけではなくて
そこから何を自分の仕事に活かすかっていう情報の活かし方
それについても私はコメントをしていきたいと思いますので
これからも
ぜひこのNEWJIチャンネルで私の話、それから代表者の話を聞いて
学んでいってほしいと思います
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。