投稿日:2022年10月11日

続編!BMWの生産・販売計画に基づく原材部品の調達について

今日はBMWの営業データ 

そして工場の生産計画 

それに合わせて購買がどのように原材料部品を調達するか 

という話の続きをしようと思います 

実際には私がBMWで日本のローカルパーツを調達する 

ということをメインにしていました 

例えばアルパインのナビゲーション 

これは当然グローバルでドイツ本社が世界各国のBMWの車両に装着する 

ナビゲーションをアルパイン以外の 

BMW、三社購買が主なので 

ヨーロッパの電装品のメーカー 

それから日本でいけばパナソニックやパイオニア 

ソニー、アルパイン 

こういったところの比較検討した上で 

アルパインが選ばれているわけなんですけれども 

アルパインになるまでは 

パイオニアCDチェンジャーを供給していたり 

ソニーがラジオを供給していたり様々な形で 

日本の優秀なメーカーがBMWのサプライヤーとして 

原材料部品を供給しています 

  

実際には日本で装着されるナビゲーション 

このナビゲーションなんですけれども 

私が当初まだ数百台しか装着されていないオプションとして 

1台50万円近くもする高いナビゲーションから 

実際には最終的に私が退職する頃には全車標準装備になって 

年間3万数千台のナビゲーションを 

アルパインから買うということを 

ずっと仕事としてやってきたわけなんですけれども 

その間に最終的には 

アルパインから購入するナビゲーションの価格は 

十分の一まで下がりました 

下がってて当然です 

数百台のとボリュームから3万数千台まで2桁増えたので 

価格もそれなりに下がって然るべきと 

その間に様々な工夫もしてきました 

いかに福島県のいわきから届けられるんですけれども 

この往復のコストを減らす、ダメージをなくす 

そしてその通い箱と言われるナビゲーションを入れたケース 

これをいかに効率よく納品した後は 

空で返すというわけにいかないので 

いかに折りたたんで積載効率を高めてトラックの運送費用を 

低く抑えるか 

それから私、実際にいわきの工場も訪問したんですけれども 

生産は流れ作業のコンベアー式からセル方式に変えた時代でした 

実際には1台1台のナビゲーションを完成品にさせることによって 

組み立て作業員とモチベーションが上がると 

かえってその方が生産効率が上がるということで 

人件費の削減になるというような取り組みをしていました 

  

実際には生産ラインは 

ここから入っちゃダメと言われたのが 

BMWの生産ラインの横にダイムラーですとか他の輸入物の生産ライン 

さらにはその先にはホンダだとか 

日本の自動車メーカー用のナビゲーションを 

生産しているというラインがありました 

当然生産数量、メーカーごとでだいぶ違います 

そしてお客様、自動車メーカー 

これによってもかなり購入数量が違うので 

生産ラインの形状も随分違うんですけれども 

輸入車はそれ程の販売台数がない 

国産から比べてということですけど 

そうなるとセル生産方式が意外と功を奏して 

生産効率が上がるということが 

コスト削減につながったということがあります 

  

これ具体的に注文が入ってからオーダーになるまで 

苦労したのは標準装備になるまでは 

オプションでアフターサービスの後付の場合だったり 

新車でパッケージでナビゲーションを装着したものを 

営業企画がキャンペーンで売るとか 

様々な施策があった時に 

じゃあそのデータをどれだけ集約して集計したものを 

新車整備センターに届けるための 

発注指示書 

これをタイムリーに出せるか 

なかなか難しいです 

キャンペーン、春から100台ナビゲーション装着します 

ということが決まってから 

通常の生産計画とはがらっと変わって 

それをもう1回組み直してもらわなければいけない 

キャンペーンに間に合わさなければいけない 

当然BMWだけではなくて他の 

自動車メーカーにも供給しているということであれば 

どれだけで優先して作ってもらうかっていう話 

さらにはキャンペーンでパッケージで 

少しでも利益出したいので 

少しでも量産効果で 

安く作れないかというような交渉をしたりとか 

不具合があってはいけないし 

ソフトウェア、全輪の地図が最新版であってほしいので 

地図の新しいロムは間に合わないから 

それ後でお客様に送るとか 

さまざまなイレギュラーな業務が発生します 

そういった個々の別々のデリバリーだとか 

パッケージでソフトが届かないとかということになった 

細かいコストのアップをどれだけ抑えて 

無駄なくこの仕事をこなすか 

というのは当然、購買部門だけではなくて 

営業企画やアフターサービス部門さまざまな部門 

そして最後にはパーツセンターから 

整備のディーラーを通じて 

お客様に届けるという配送の体制 

こういった削減をどれだけ効果的にするかということは 

日々の原材料部品、補修部品をディーラーのサービス工場に 

届ける中に混載させるかとか 

抜け漏れなくすか、数量間違いなく行うか 

そういった地道な努力は完全なオンラインの 

自動発注システムでもやっぱり限界があるわけで 

どこまで人がそれをリカバーしながらサポートしていくか 

これでミスを減らすかということが現実だと思います 

これだけ様々なネットワークシステムを駆使してでも 

実際に日々起きていること 

販売促進のために計画が変更になることもいっぱいあります 

営業部門では競合他社がこういうキャンペーンを打ってきたから 

急遽これを取りやめてこれでいきます 

というふうに決まってから 

その後のアクションが早いです 

このようなアクションがいかに早く起こせるか 

ミスなく、ロスなく仕事ができるかによって 

販売、受注の数量の差になって現われてきます 

購買はどこまでそれに対して貢献できるか 

協力できるか、ほしいといったものを欲しいだけ 

欠品なく、過剰なく、供給できるかということになっていきます 

  

実際にはオンラインの画面の中で 

色んなことがどんどんどんどんできてしまう訳ですけれども 

それだけではやっぱり足らない 

直接やっぱり会って話して交渉するという場面も実際には多いです 

どれだけそのアルパインの人との信頼関係を日頃、築いていられるかによって 

緊急の話があった時にすぐ動いてくれるか、くれないか 

当然購買だけではなくて 

パーツセンターですとかアフターサビス部門ですとか 

エンジニアリング部門とかそういったところの 

部門の人たちとの協力があって初めて成し遂げる成果です 

このような形でBMWでは顧客の情報を補修部品を含めて 

生産計画が決まってから 

購買部門がパーツセンターと連携を取りながら 

数量を決めて発注をします 

定期的な価格の見直し 

当然年間どれだけ売れるんだという 

数量に基づいた価格の交渉 

本体の部分についてはドイツ本社が 

グローバルで交渉をしていて後はローカルで 

日本の話をするということです 

このような様々なことをやっている 

というのがBMWの 

営業データを生産計画 

その生産計画に基づいて購買が調達するという連携の話になっていきます 

これはまた別の角度から違った話をぜひまた別の機会に 

させてほしいなと思います 

今日はここまでになります 

  

是非こういった考え方、発想 

自分たちの会社の製品や原材料の調達で 

全てこのように活かせるとは限りませんけれども 

参考になる部分は是非取り込んで 

いただいて、いいとこどりしていただいて 

自分たちの業務に活かしてほしいと思います 

 

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