投稿日:2024年1月26日

半導体と集積回路の違いとは?基礎から学ぶ半導体の物理と電気的性質

半導体と集積回路は、コンピュータや電子機器の中で重要な役割を果たしていますが、その概念や特性にはいくつかの違いがあります。ここでは、半導体と集積回路の基本的な概念とそれらの物理的・電気的性質について学んでいきましょう。

まず、半導体とは、電流を通す能力が他の物質と比較して中間の性質を持つ物質のことを指します。半導体は、シリコンやガリウムアーセニドなどの特定の元素から作られた結晶であり、非金属と金属の中間の伝導度を持ちます。一般的な半導体の特徴としては、温度による伝導度の変動や電圧による電流の制御が可能であることが挙げられます。

一方、集積回路は、半導体上に電子回路を集積させたものであり、コンピュータや携帯電話などの電子機器に不可欠な要素です。集積回路は、トランジスタやダイオード、抵抗器などの電子素子を半導体上にパターン化し、複数の素子を一つのチップ上に集めることで、小型化や高集積化を実現しています。

半導体の物理的性質については、主に伝導帯と価電子帯という2つの帯(エネルギーバンド)が関係しています。半導体中の原子は、結晶構造によって規則的に配置されており、その外側の電子はバンド中に存在します。伝導帯は、外側の電子がエネルギーを吸収して高いエネルギーレベルにジャンプした状態を指し、価電子帯は、外側の電子が最も低いエネルギーレベルにある帯を指します。

半導体が導電性を持つためには、伝導帯と価電子帯のエネルギーバンド間のエネルギーギャップが小さいことが必要です。このエネルギーギャップを克服するために、外部からエネルギーを供給することで、伝導帯に電子が移動し、電流が流れることが可能になります。また、半導体中に不純物を添加することで、伝導度を調節することも可能です。

集積回路は、半導体の物理的性質を利用して構築されます。絶縁体やシリコン酸化膜を使って素子間を絶縁し、トランジスタやダイオードなどを微細なパターン化で配置することで、複雑な回路を作り出します。また、集積回路は、数百から数十億の素子を一つのチップ上に集めることができるため、高性能な電子機器を小型で低コストに実現することが可能です。

以上が、半導体と集積回路の基本的な概念と物理的・電気的性質についての説明です。これらの技術は、現代の電子機器産業において重要な役割を果たしており、今後もさらなる進歩が期待されています。

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