ロール紙の巻き緩みが印刷工程で致命傷になる問題

ロール紙の巻き緩みが引き起こす印刷工程の致命的なトラブル

ロール紙は各種印刷工程において重要な役割を果たします。
しかし、そのロール紙が工場や印刷現場で「巻き緩み」を起こした場合、思いもよらぬ致命的なトラブルを引き起こすことがあります。
この巻き緩みは一見些細に見えますが、本格的な印刷現場では見過ごせない深刻な問題につながるのです。

ロール紙の巻き緩みとは何か

ロール紙の「巻き緩み」とは、ロール状に巻かれた紙が本来の適切なテンションで均一に巻かれていない状態を指します。
通常ならロール紙は紙一枚一枚が隙間なくぴったりと巻きついています。
しかし、製造工程や運搬・保管中の振動、湿度変化、または取り扱いミスにより、ロール紙の内部で隙間ができたり、部分的に緩んだりしてしまうことがあります。
この状態で印刷工程に投入してしまうと、さまざまな不具合の原因となります。

巻き緩みが発生する主な原因

製造時のテンション管理不良

ロール紙の製造現場では、巻き取る際のテンション(引っ張りの強さ)が重要です。
テンションが均一でないと、巻き始めや巻き終わり付近あるいは途中での緩みが発生しやすくなります。
急激な速度変化や機械の不調も巻き緩みの原因になります。

保管・運搬の環境変化

ロール紙は紙素材ゆえ湿度や温度の影響を受けやすいです。
高湿度環境や温度変化によって紙内部の膨張や収縮が起こりやすく、巻き緩みのきっかけになる場合があります。
また、運搬時の衝撃や転倒、乱暴な移動は物理的な圧力が加わって巻きが緩む原因となります。

現場での取り扱いミス

ロール紙を取り扱う際、落下させてしまったり、横向きに長時間置きっぱなしにした場合にも巻き緩みは発生します。
また、ロール紙の包装を剥がす時に過度な力を入れてしまうことも、内部に微妙な「ずれ」が生じる原因となります。

巻き緩みが印刷工程にもたらすトラブル

給紙時のジャム発生

巻き緩みがあるロール紙を印刷機にセットすると、紙が正常に送られずに蛇行したり、紙送りが止まる「ジャム」が頻発します。
給紙ローラーの間で紙が詰まり、生産ライン全体のストップというリスクがあります。

印刷品質の著しい低下

巻き緩みは紙送り速度を不安定にします。
紙面にシワやたるみ、形状のムラが発生しやすく、インクの乗りムラや色ズレ、印字のかすれなど致命的な印刷不良につながります。
高品質を求められる商業印刷やパッケージ印刷では、巻き緩み起因の品質低下は大きな損失に直結します。

機械本体の故障リスク

巻き緩みによって誤給紙や紙詰まりが頻繁に発生すれば、印刷機械の部品に余計な負荷がかかります。
これがギアや送りローラーの磨耗、最悪の場合は重大な故障につながるケースがあります。
長期的な目線で見れば、メンテナンスコストや修理費用という経済的損失も無視できません。

巻き緩みを未然に防ぐ管理方法

製造工場でのテンション管理徹底

ロール製紙メーカーでは、巻き取り機の定期点検やテンションセンサーの活用で、巻き緩みが発生しないよう細心の管理を行う必要があります。
製造ロットごとの品質検査時に、巻き状態をスタッフが直接チェックする工程を組み込むと良いでしょう。

適切な保管・運搬方法の徹底

ロール紙は高温・多湿・直射日光を避けた環境下に保管するのが望ましいです。
パレットに積む際も横積みではなく立てて保管することで、重力による巻き緩みリスクを軽減できます。
運搬時も丁寧な荷扱いを重視し、滑らせたり衝撃を与えたりしないことが基本です。

入荷時の巻き状態チェックと現場教育

工場や印刷現場でロール紙が届いた時点で、巻き状態を目視や手触りでチェックする習慣をつけます。
また、教育によって「巻き緩みの重要性」や「正しい取り扱い方法」を作業員全員に周知・徹底させることが重要です。

巻き緩み発見時の対処方法

万が一、現場で巻き緩みに気が付いた場合、速やかにロール紙の使用を中止します。
軽度な巻き緩みであれば、手で巻き直す、小さなロールにカットし直すなどの応急処置も可能な場合がありますが、ほとんどはメーカーや仕入れ先に連絡し、交換やクレーム対応を依頼する必要があります。

また、ずさんな対応で「巻き緩みロール」を無理に使い続けるのは絶対に避けなければなりません。
印刷機械だけでなく、取引先や最終クライアントへの信頼失墜につながりかねません。

巻き緩みによる事故・損失事例

現場では、巻き緩みが原因で数万枚から数十万枚もの印刷物が不良になったという事故報告が複数上がっています。
機械損傷による休止期間が2~3日発生し、取引先への納期遅延が発生した例や、海外案件の輸送途中の気候変動が原因で、現地で全ロール“巻き緩み”となり再製造・再輸送が必要になったというトラブルも稀ではありません。

このような事故は、結果として数百万円~数千万円単位の損失にも直結します。

まとめ:ロール紙巻き緩み管理は印刷品質維持の要

ロール紙の巻き緩みは、現場における些細な手落ちや管理不足から発生することが多い問題ですが、印刷工程においては機械トラブルや品質不良、納期遅延など様々なリスクを孕んでいます。

製造工場からユーザー現場までの全工程で巻き状態の管理を徹底し、発見時は迅速に対応することが高品質な印刷製品の納品、企業の信頼維持につながります。
印刷現場の責任者やオペレーターは、ロール紙巻き緩み管理の重要性を今一度認識し、日々の業務改善に役立てていくことが大切です。

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