ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントと衣料CO₂削減

ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントと衣料CO₂削減

ペットボトルリサイクルと地球環境への影響

世界中で問題となっているプラスチックごみ、その主な原因の一つがペットボトルです。
大量生産・大量消費されるペットボトルは、使い捨てられると自然界で分解されにくく、海洋汚染や生態系への悪影響が懸念されています。
この問題を解決するために、リサイクル技術の進歩が求められてきました。
ペットボトルのリサイクルは、プラスチック廃棄物の減少と資源循環型社会の構築に欠かせない取り組みといえます。

従来、ペットボトルは主にペットフレーク化して再びボトルやトレーなどに再生されていましたが、近年ではより高付加価値な繊維やフィラメントへの活用が注目されています。
このような技術革新が、サステナブルな社会への転換を後押ししています。

トウモロコシ繊維フィラメントの特徴と優位性

トウモロコシ由来の繊維であるPLA(ポリ乳酸)は、植物を原料としたバイオマスプラスチックの一種です。
この繊維は自然界で分解しやすく、焼却処分しても有害物質をほとんど出しません。
さらに、トウモロコシは毎年収穫できる再生可能資源のため、持続可能な繊維供給が可能です。

ペットボトルリサイクルで得たPETと、バイオマス由来のPLAを組み合わせてできるフィラメントは、衣料用途で従来の石油系ポリエステルに代わる新しい選択肢となります。
この技術によって、繊維産業が持続可能で環境負荷の小さいものへと変化していきます。

製造プロセス:ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントとは

ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントの製造プロセスは次のような流れになります。

1. ペットボトルの回収・分別・洗浄

回収された使用済みペットボトルは、異物やキャップなどを取り除くために分別・洗浄されます。
ここで不純物を徹底的に除去し、クリーンなPETフレークを得ることがリサイクル品質を高めることにつながります。

2. トウモロコシ由来樹脂(PLA)の調達

トウモロコシからデンプンを抽出し、これを糖に分解、その後発酵工程を経て乳酸を生成します。
この乳酸を重合して得られるのがポリ乳酸(PLA)です。
PLAは高い生分解性、低炭素フットプリントが特徴です。

3. ペットボトル由来PETとPLAのブレンド

得られたPETフレークとPLAペレットを、フィラメント押出機で混合・加熱溶融し、均一な混合物として押し出します。
この工程では、両者の特性を最大限引き出す配合や、繊維強度・伸縮性の調整が不可欠です。

4. 押出とフィラメント化

溶融混合物をダイスから細い糸状に押し出し、急冷することでフィラメント(長繊維)に成型します。
その後、引き伸ばし工程で強度を上げたり、必要性に応じて撚りを加えて独特の風合いを付与します。

5. 最終製品への転用

出来上がったフィラメントは、織物や編み物の原材料となり、衣料やバッグ、靴などの最終製品に加工されます。

衣料業界におけるCO₂削減効果とは

衣料業界は、原材料生産から最終製品に至るまでの工程で大量のエネルギーを消費し、多くのCO₂を排出してきました。
石油由来のポリエステルやナイロンの生産は特にこの傾向が強く、地球温暖化の大きな要因となっています。

ペットボトルリサイクル、そしてトウモロコシ由来PLAを原料としたフィラメントを使用することにより、以下のCO₂削減効果が期待できます。

廃棄物の削減によるCO₂抑制

従来であれば焼却や埋立てされるペットボトルを原料として再利用することで、廃棄時に排出されるCO₂の削減につながります。
また、焼却処理に比べてリサイクルの方が、総合的なCO₂排出量は格段に少なくなります。

石油資源の使用量削減

ペットボトル再生PETおよびトウモロコシ由来PLAの利用により、新規石油由来プラスチックの生産量・消費量が抑制されます。
これにより、原油採掘・輸送・精製に伴う温室効果ガス排出量も減少します。

バイオマス由来材料によるカーボンニュートラル効果

トウモロコシ(植物)は大気中のCO₂を吸収して成長します。
PLAを燃焼・分解した際に排出されるCO₂は、その生育過程で吸収された量と等しいため「カーボンニュートラル」となります。
つまり、地球規模で見ればCO₂排出ゼロに近づける仕組みです。

エネルギー消費の最適化

リサイクルPETやPLAの生産プロセスは、石油由来原料を新規生産するよりもエネルギー使用量が低く済みます。
製品ライフサイクル全体で見ると、CO₂排出量は大きく削減できます。

ペットボトル×トウモロコシ繊維ファッションの今後

近年、リサイクル繊維やバイオマス繊維が注目される中、アパレル業界でもこうした新素材の導入が急速に進んでいます。
消費者もサステナビリティ意識が格段に高まっており、「エコな服」を選ぶ人が増えています。

これまでのリサイクル繊維は、手触りや見た目で石油由来素材に劣る場合もありましたが、ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントは技術革新により、しなやかで着心地の良い製品が作れるようになりました。
高品質でファッション性も高いアイテムを作ることが可能なため、多くのブランドが積極的に導入しています。

また、製造履歴(トレーサビリティ)が明確化しやすいため、消費者も安心して選択できます。
「この服は何本分のペットボトルがリサイクルされてできたのか」を消費者に示すことで、エコ活動の“見える化”にも役立っています。

課題と今後の展望

一方で、課題も存在します。
例えば、回収・分別のためのコストやインフラ整備、品質管理、PLAとPETの最適なブレンド比率の追及、技術力の向上などです。

また、リサイクル原料の安定供給と、衣料品廃棄後の再リサイクル(クローズドループ)の仕組み作りも求められています。
持続可能なライフサイクルを実現するには、製造・流通・消費・リサイクルを一体化した社会全体の協力が不可欠です。

今後は、排出ガス低減を数値で示したライフサイクルアセスメント(LCA)の導入や、分解性や機能性をさらに高めたハイブリッド素材の開発が期待されています。
また、政府の補助金や規制強化もあいまって、ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントは、より多くの場面で利用が進むことでしょう。

まとめ

ペットボトルリサイクル押出トウモロコシ繊維フィラメントは、廃プラスチック問題の解決とCO₂削減を両立できる注目素材です。
高付加価値な衣料品やファッショングッズに幅広く展開され、サステナブルなモノづくりと消費文化を牽引します。

私たち一人ひとりが、再生素材を活用した製品を選択することや、リサイクル活動に参加することで、持続可能な社会の実現に貢献できるのです。
今後も、環境配慮型素材への関心を深めながら、自分自身のくらしや消費行動を見直していきましょう。

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