ポリエステル軽量生地の透過率測定とインナー用途検証

ポリエステル軽量生地とは

ポリエステル軽量生地は、化学繊維のポリエステルのみを原料とし、非常に薄手かつ軽量になるよう織られた生地です。
高い強度や耐久性、しわになりにくい特性を持ちつつ、水分をほとんど吸収しないという性質があります。
薄くて軽いため、主にアウター、スポーツウェア、下着、裏地、インナー素材など、幅広い用途で活用されています。

軽量化により、生地自体が柔らかくなり肌触りもソフトになるため、特にインナーやアンダーウェアの素材として注目されています。
しかし、その薄さゆえに生地の「透過率」——どの程度光や物が透けるか——が大きな課題となります。

ポリエステル軽量生地の特徴

ポリエステル軽量生地には以下のような特徴があります。

1. 軽量性

グラム数(g/㎡)が非常に低いものが多く、着用時に重さをほとんど感じません。
極薄タイプだと30g/㎡程度の超軽量生地もあります。

2. 優れた耐久性と形状安定性

ポリエステル繊維は摩耗に強く、耐久性があります。
また、型崩れやシワになりにくいです。

3. 水分の吸収性が低い

ポリエステルは合成繊維の中でも吸湿性が低く、肌に汗をかいてもサラッとした感触を保ちやすいです。

4. 速乾性

水分を吸収しにくいため、洗濯後の乾燥が早いのも大きな特徴です。

5. 機能性加工がしやすい

防水加工、抗菌加工、撥水加工などさまざまな機能を後加工で付与できます。

透過率とはなにか

透過率(transmittance)は、特定の波長の光や放射線が材料を透過して進む割合を表した値です。
日常的には「どれだけ物が透けて見えるか」を示す指標ともいえます。
一般的には「可視光透過率」が重視され、0~100%で表現されます。
値が高いほど、明るい光が透けやすくなります。

インナー用途や下着素材では、透けにくさ=透過率の低さが重要視されます。
白や淡色の軽量ポリエステル生地は透過率が高くなりがちなので、使用場面によって適正な選択が求められます。

ポリエステル軽量生地の透過率測定方法

透過率の測定には様々な方法がありますが、主に次の2つが利用されます。

1. 標準光源による分光光度計測定

分光光度計を使い、可視光の波長範囲(380~780nm)での透過率を測定します。
生地のサンプルをセットした上で標準光源を当て、光がどの程度透過したかを計測します。

この測定値は「全光線透過率」「拡散透過率」などの表記でデータ化されます。

2. 目視・バックライト法

より簡易的に、生地を白紙や肌色の台紙、またはバックライト上に乗せて「どれほど向こうが見えるか」で透過感をチェックします。
こうした方法は主観的ですが、実際の着用感に近い「透けやすさ」と関連が深いです。

透過率の測定事例

実際のポリエステル超軽量生地(例えば30g/㎡程度の平織布)で透過率を分光光度計を用いて測定した場合、可視光部での全光線透過率は60~80%に及ぶことが多いです。
これは「白い薄手カーテン」や「薄い下着」と類似の透過率です。

色が濃かったり、織りが密であれば(同じ重さでも)透過率は下がり、黒色や黄色等では30~50%程度まで下がるケースもあります。
逆に白色・ホワイト生地は80%まで上昇する場合もあります。

組積織・ニットとの比較

組織密度が高いタフタやオックス、またはニットでも厚み・糸密度が高いものは、同じポリエステルであっても透過率は低下します。
逆に、極薄のメッシュやチュール状の素材は透過率90%を超すこともあります。

透過率がインナー用途に及ぼす影響

インナーやアンダーウェア用途の場合、透過率が高すぎると「肌が透けてしまう」ため、単体使用では抵抗があると感じる方も多いです。
特に白や淡色の超軽量ポリエステルでは、肌の色や下着のラインがはっきりと見えてしまうことがあります。

ファッション性・着用感への配慮

見た目の問題以外にも、透けてしまうことで心理的な不快感を感じることもあるため、インナー用途では「適度な透け防止」が必要となります。
また、光の当たり方・角度・下地色でも透過率や見え方が大きく変わることから、現場での評価・サンプル確認も重要です。

インナー素材としての適正評価・検証

ポリエステル軽量生地がインナー用途に適しているかを評価するポイントは多数あります。

1. 透け防止性

生地の透過率が高すぎないかを測定または目視で確認します。
インナーとして単体で使う場合には、透過率60%以下、理想としては40%~50%程度以下が目安です。
透過率が高い場合は、「下地に同色の肌着を重ねる」など対策が求められます。

2. 肌触り・伸縮性

直接肌に触れるため、刺激の少ないソフトなタッチや、適度な伸縮性が求められます。
ポリエステルはファブリックの加工方法によって触感が大きく異なるため、サンプル確認が推奨されます。

3. 吸湿速乾性

インナー素材には水分の吸収・発散のバランスが重要です。
ポリエステルは速乾性には優れますが、吸湿性(汗を吸う働き)はやや低いため、吸汗加工混紡やウォッシャブル加工、親水仕上げなど機能加工が有効です。

4. 耐洗濯性・衛生面

日常的に洗濯して清潔に管理できる性能。防臭・抗菌加工の有無も近年重視されています。

ポリエステル軽量生地インナー用途のメリット・デメリット

メリット

軽さ・速乾性・形状安定・耐久性・コストパフォーマンスの高さが大きなメリットです。

デメリット

薄手のものは透けやすくなるため、下着の色やライン、肌色が表に響きやすい点です。
また、汗をかいた際に若干べたつくこともありますので、用途に適した加工(吸汗・消臭など)と組み合わせることが推奨されます。

透過率とカラー選択・デザインの工夫

透過率が高くなるポリエステル軽量生地でも、カラー選択やデザインの工夫により透けを目立ちにくくすることができます。
例えば、ベージュや肌色の近いトーン、生地に織柄や小さなドットを加えるなどが有効です。

また、2枚重ねや裏打ち、ポリエステル・コットンの複合素材を用いるなど、目的や用途に応じた設計がなされています。

まとめ・今後の技術動向

ポリエステル軽量生地は、その手軽さとファッション性、機能性によりインナー用途でも有力な候補となっています。
生地選びの際には、透過率の測定値やサンプルでの透け感確認が非常に重要です。

今後は、より高機能かつ「透けにくい」「肌触りが良い」「消臭や抗菌にも優れる」軽量ポリエステルの開発が進んでいくと予想されます。
新しい加工技術や改良素材を積極的に取り入れることで、より安心して使えるインナー用ポリエステル軽量生地が広がっていくでしょう。

ポリエステル軽量生地選定時には、透過率測定とともに、「自分の求める機能・着用シーン」を十分に検討することが快適なインナー選びのポイントになります。

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