防音間仕切りパネルの吸音率試験とオフィス家具での効果検証

防音間仕切りパネルとは?

防音間仕切りパネルは、オフィスや会議室、コールセンター、病院などで使用される防音性やプライバシーの確保を目的とした建材です。
一般的には、騒音や音漏れを防ぐためのパーティションや可動式のパネルが多く、多様なサイズや材質、デザインが存在します。

パネル内部には、グラスウールやロックウールなどの吸音素材が用いられており、音を吸収・遮断する役割を果たします。
設置が簡単でレイアウト変更にも対応しやすい点が、多くのオフィスやワークスペースで導入される理由となっています。

このような防音間仕切りパネルですが、本当に十分な吸音効果があるのかどうか、科学的な吸音率試験によってその効果が検証されます。
また、実際のオフィス家具と組み合わせた時の遮音・吸音性能についても検証が必要とされています。

吸音率試験とは?

吸音率試験は、防音間仕切りパネルがどれだけ音を吸収できるかを数値で表すための試験です。
主にJIS規格(日本工業規格)やISO規格などに基づいて測定されます。

吸音率(α値)は0.0から1.0までの値で示され、1.0に近いほど音をよく吸収することを意味します。
一般的なオフィス用の間仕切りパネルでは、0.5~0.7程度の吸音率が高性能とされます。

吸音率は、パネル素材や表面仕上げ、厚み、構造によって大きく異なります。
そのため、商品選定や導入検討時には、第三者機関での性能試験データを確認することが重要です。

代表的な吸音率試験の種類

吸音率試験にはいくつかの方法があります。
もっとも一般的なのは「残響室法」と呼ばれる方法です。

残響室法では、「残響室」と呼ばれる大きな反響する部屋の中にパネルを設置し、音源から音を出します。
パネル設置前と設置後で残響時間(音の減衰速度)を測定。
減衰速度の違いから吸音率を計算します。

他に「インピーダンス管法」なども使われますが、オフィス家具のパネルなど大型製品では、残響室法が採用されることが多いです。

単位吸音率αと実際の効果

吸音率は周波数ごとに異なった数値が出ます。
例えば低音域(125Hz周辺)、中音域(500Hz~1000Hz)、高音域(2000Hz以上)と分けて評価するのが一般的です。
発生する騒音がどの周波数帯かによって、パネル選びも変わります。

オフィスの話し声や電話音などは、500Hz~4000Hzの中高音域に集中しています。
そのため中音域の吸音率が高いパネルを選ぶことで、快適なオフィス環境が作られます。

防音間仕切りパネルの試験結果例

ここで、市販されている防音間仕切りパネルの吸音率試験結果を例として紹介します。

例えば、厚み40mm、表面布張り、内部グラスウール構造のパネルの場合を考えます。
このパネルを残響室法で測定した場合、性能として
– 125Hz(低音域): 0.25
– 500Hz(中音域): 0.65
– 1000Hz(中音域): 0.80
– 2000Hz(高音域): 0.85
といった数値が得られます。

この結果、話し声や電話音が主な騒音源であるオフィスでは十分な吸音性能が期待できると言えます。

他方、より低音領域(エアコンや機械音)対策が必要な空間では、内部素材の密度増加や、さらに厚みを持たせたパネルにすることで性能向上が見込めます。

オフィス家具での防音パネル効果の検証

カタログデータ上で吸音率が高いパネルであっても、実際のオフィス空間では家具やレイアウトの影響を大きく受けます。
デスクやキャビネット、カーペット、天井材などの存在や配置で、吸音・遮音効果が相乗的に変わるためです。

ここでは、オフィス家具と防音間仕切りパネルの組み合わせにおける効果検証のポイントを解説します。

1. パーティションの配置と高さ

パーティションの設置場所や高さによって、吸音・遮音効果は大きく変化します。
人の耳の高さ、つまりデスクワーク時の座位に合わせて設計されているパネルは、話し声の拡散や通話音の跳ね返りを効率良く抑制できます。

また、天井まで届くフルハイトパネルであれば、単なる吸音だけでなく隣席への遮音性能も格段に向上するため、業務内容に応じた選択が重要です。

2. 家具・什器との組み合わせ

オフィス空間の主な家具であるデスクや収納庫、カーペットも吸音効果を左右します。
大型の収納庫を間仕切りパネルと並べて設置すれば、音の遮断効果が増します。
一方、ガラス天板のデスクやタイルカーペット未使用の床だと音が反射しやすいため、吸音パネル1枚だけでは十分な効果が得にくくなります。

このためオフィス設計時は、パネルの吸音・遮音性能だけに頼るのではなく、他の什器や床・天井材とのバランスも考慮する必要があります。

3. 実験による効果測定

実際のオフィスを模した環境で、防音パネル設置前後の騒音レベル(dB値)を測定する実験が行われています。
たとえば、真ん中にパネルなしのデスクが2列、周囲に壁がない環境の話し声騒音を測定し、次にデスク間に防音パネルを設置して再測定します。

結果として、標準的な間仕切りパネルの場合、隣席への伝搬音圧レベルが5~10dB低減されることが実証されています。
5dBの低減は「体感できる静寂」、10dBでは「かなり顕著な騒音減」と感じられます。

高遮音タイプのパネルやパネル+吸音クロス・吸音パネル併設の高度なタイプでは最大で15dB近い低減も報告されています。

オフィス環境向上のための活用ポイント

防音間仕切りパネルは、単独使用だけでなく他のオフィス家具や内装材と効果的に組み合わせることで、快適なオフィス環境づくりに大きく貢献します。

テレワーク・WEB会議への対応

コロナ禍以降、WEB会議やリモートワークの普及が進んでいます。
その影響で、従来よりも周囲の話し声や作業音がストレスとなるシーンが増えています。
吸音性の高いパネルを設置することで声の反響や外部への音漏れを抑え、オンライン会議の音声品質向上やプライバシー確保にも有効です。

集中ブースや電話ブースでの活用

オープンスペースの一角に電話ブースや集中ブースを設置するケースでは、吸音パネルの天井付きや高背タイプを使うことで更に効果が高まります。
内部に吸音性パネル、外部に遮音パネルという二重構造の組み合わせは、より高いプライバシーと静粛性を確保し、集中力アップをサポートします。

パネルのメンテナンスと耐久性

防音間仕切りパネルの吸音効果は、表面クロスや内部素材が劣化すると低下してしまいます。
定期的なクリーニングや目視点検・部材交換を行うことで、持続的な性能維持が可能です。
導入時にはメンテナンス性や部品供給体制もチェックしましょう。

まとめ:吸音率試験とオフィス家具での防音パネル選定のポイント

防音間仕切りパネルの吸音率試験は、オフィス導入時の製品選定において非常に重要です。
性能試験データは信頼性を担保し、用途や設置環境に合わせた最適なパネル選びにつながります。

また、オフィス家具や内装材との組み合わせを念頭に置いた効果検証により、単なるパネル導入以上の効果が期待できます。
用途や求める遮音・吸音レベルに合わせ、製品仕様や設置方法、レイアウトにも工夫を凝らしましょう。

騒音ストレスのない快適なオフィス環境づくりのため、吸音率の高いパネル選定と、オフィス家具との最適な組み合わせを意識することが大切です。
導入時には必ず、最新の吸音率試験データの確認と、実際の設置環境での効果検証を行いましょう。

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