ウレタンゴムで硬度が出すぎ歩留まりが落ちる問題

ウレタンゴムで硬度が出すぎ歩留まりが落ちる問題

ウレタンゴムの硬度と歩留まりの関係性

ウレタンゴムは、その優れた物理特性と弾性を活かした部品や製品の製造に広く利用されています。

しかし、製造工程において「硬度が出すぎる」という問題が発生すると、製品が設計通りの性能を発揮できないばかりか、歩留まりの悪化やコストの増大を招くことがあります。

ウレタンゴムの硬度が管理値以上となり、それが原因で不良品が増える現象は、多くの現場でよくある課題です。

本記事では、ウレタンゴムで硬度が出すぎて歩留まりが落ちる要因と、その具体的な対策を徹底的に解説します。

ウレタンゴムの基本特性と用途

ウレタンゴムは、優れた弾性と耐摩耗性、耐油性、耐薬品性を持つ高分子素材です。

そのため、産業用ロールやパッキン、車両部品、工業機械の部品など、幅広い分野で使用されています。

特に、摩耗や衝撃が多い現場で重宝されており、製品ごとに求められる硬度や伸び、引張強度などの仕様が細かく規定されます。

ウレタンゴムは発泡体とは異なり、密度に応じて柔らかさや硬さが調整できる材料です。

要求される硬度範囲の中で安定した品質を確保することが、製造上の重要なポイントとなります。

歩留まりとはなにか?

歩留まりとは、製造工程において規格通りの製品が得られる割合、いわゆる良品率を示す指標です。

ウレタンゴム製品では、配合や硬度、寸法精度、表面状態など様々な要素が歩留まりに影響します。

設計値の硬度以上に仕上がったものは「規格外品」として除外されるため、そのままコスト増や納期遅延の大きな要因となります。

特に硬度がネックとなる場合は、不良品の発生率が上昇し、歩留まりを顕著に悪化させるため、早急な原因追及と対策が求められます。

ウレタンゴムの硬度が出すぎる主な原因

配合ミスによる硬化剤過剰

ウレタンゴムは、主剤、架橋剤、軟化剤、添加剤など複数の成分を混合しモールド成型や注型成型で製品化します。

特に硬化剤(架橋剤)が規定値より多く混入されると、架橋反応が進みすぎて硬度が必要以上に高くなってしまいます。

計量・攪拌工程での取り違い、スケールの誤差、不十分な撹拌など初歩的なヒューマンエラーが原因となるケースが多いです。

反応温度・硬化温度の制御不良

ウレタンゴムは温度の影響を大きく受けます。

通常、所定の温度帯で反応(架橋)を進めることで、設計通りの硬度が得られます。

しかし、加温が過剰であったり、硬化炉や金型の予熱が高すぎたりすると、想定以上に硬度の高い製品となることがあります。

特に冬場や気温が低い時期は温度管理が難しくなり、オペレーターの経験やカンに頼るケースが増え、再現性が低下する要因となります。

原料ロットのばらつき

ウレタン原料にはロットごとに微妙な成分差が存在します。

供給メーカーが変わった場合や、同じメーカーでも生産バッチの違いによって硬さへ影響することもあり得ます。

とくに硬度が厳格に規定される用途の場合、毎ステップでロット試験や事前確認を行うことが重要です。

可塑剤・添加剤の配合不足

可塑剤やフィラー(充填剤)は、ウレタンゴムの柔軟さや加工性、硬度を調整するために加えられる添加物です。

これらの配合ミスや抜けがあると、材料本来のしなやかさが損なわれ、硬い製品となります。

自動計量機や配合計量管理システムの導入でヒューマンエラーが防止できるため、品質安定化に有効です。

ウレタンゴムの硬度測定と規格管理

ウレタンゴムの硬度はショアA硬度計やデュロメーターなどで計測されます。

成型体の表面に同じ荷重を与え、針が沈み込む量から数値化されるシンプルな方法ですが、素材の温度や表面状態によって若干のばらつきが生じます。

また、小型部品の場合や形状が特殊な場合は、測定が困難となりがちです。

そのため、測定方法・測定箇所の標準化や、ロットごとに代表サンプルを設定するなど、実務的な工夫が必要です。

混錬や成型条件、測定タイミングなどをきちんとマニュアル化して再現性を確保することが、硬度トラブル低減のカギとなります。

歩留まり低下により発生するリスク

歩留まりが落ちてしまうと、製造現場にはさまざまなリスクや弊害が発生します。

まず、原材料のムダにつながり、材料手配や在庫管理が非効率となります。

さらに、歩留まり改善のための再作業や再投入が発生すれば、生産コストが増大し、納期にも影響を及ぼします。

また、忙しい現場では不良解析や再試作に人員を割く余裕がなくなり、品質保証活動が形骸化しやすくなります。

顧客先での製品トラブルやクレームにも直結する危険性が高くなるため、歩留まりは製造業の収益を左右する最大級の管理指標であると言えます。

ウレタンゴムの硬度を安定化させる対策

①材料配合と工程管理のマニュアル化

配合表や工程指示書を細かく整備し、管理値や許容範囲を明記しておくことが基本です。

原材料の内容や配合比率が都度変わらないよう、バッチ単位での記録も残しましょう。

人手による配合や調整に頼る部分は、二重チェックや自動記録を推進します。

②自動計量・ミキサーの活用

近年、原材料自動計量機や自動撹拌システムの導入が進んでいます。

こうしたIoT機器の活用により、計量エラーやミキシングのバラツキが大幅に低減できます。

設備投資には一定のコストがかかりますが、中長期的な歩留まり改善と品質安定化の効果は非常に大きいです。

③温度センサーと熱管理の強化

ウレタンゴムの硬度トラブルは、温度変化への過敏反応が大きな影響を持ちます。

反応槽や成型ライン、硬化炉には多点の温度センサーを設置して、工程管理を可視化しましょう。

温度逸脱時にはアラームが鳴るようにすることで、不適正な製造条件を事前に察知できます。

④原材料ロット管理と受入検査の重視

同一製品・同一工程であっても、原材料メーカーやロットが変われば物性が変わることがあります。

そのため、ロットごとに事前確認や受入試験を怠らず、異常値が見られる場合には即座に変更する判断をしましょう。

また、新ロット導入時には並行生産・並行検査の期間を設けて品質変動を見極めるのがポイントです。

⑤試作段階での徹底的な評価

新設計・新規配合での立ち上げ時は、実機生産前に必ず十分な試作検証を行いましょう。

試作段階で硬度バラツキや硬すぎる傾向が見られる場合は本生産に移る前に原因究明・修正を徹底します。

また、評価試験や摩耗試験、圧縮永久歪みなども実施し、硬度だけにとらわれないトータル特性の確認が肝要です。

まとめ:歩留まり改善のために

ウレタンゴム製造現場における「硬度が出すぎて歩留まりが落ちる問題」は、非常に頻発する製造トラブルの一つです。

その要因は、原材料配合、工程温度、計量精度、ロット管理、ヒューマンエラーなど複数絡み合って発生します。

歩留まりの低下は、コスト増、納期遅延、不適合品のリスク増大という深刻な結果を招きます。

こうした課題を解決するには、工程ごとのマニュアル化、管理強化、設備投資やIoTの活用、原材料ロット管理の徹底が鍵となります。

また、現場スタッフの教育やチームワークの向上も非常に効果的です。

品質トラブルを最小限に抑え、安定した歩留まりでウレタンゴム製品を生産することが、現代の製造業に求められる競争力の土台となります。

今一度、自社のウレタンゴム硬度管理体制を見直してみましょう。

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