ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトと雨水浸透性能
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトとは何か
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトとは、再生可能な木質バイオマスを炭化させて作る「ウッドバイオ炭」を骨材の一部に用いた、隙間を持つ(多孔質の)アスファルト舗装のことを指します。
この舗装技術は、近年注目されているサステナブルな建設技術のひとつであり、従来の舗装材料に比べて雨水浸透性能や環境負荷低減、都市のヒートアイランド対策にも効果が期待されています。
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトでは、粒状のウッドバイオ炭をアスファルト合材に混ぜ込むことで、舗装体内部に微細な空隙や通水路が形成されます。
この構造が従来型のアスファルト舗装にはない機能性を生み出し、雨水浸透性や保水性の向上につながっています。
ウッドバイオ炭の特徴とメリット
ウッドバイオ炭は、木質系の廃材や間伐材、木くずなどを炭化処理することで作られます。
この炭化の過程で有害物質を出さず、さらに炭素として固定されるため、CO2削減にも寄与します。
また、ウッドバイオ炭には以下のような特徴とメリットがあります。
高い多孔質性
ウッドバイオ炭は内部にさまざまなサイズの微細な孔(細孔)を持っており、非常に多孔質な材料です。
この多孔質性が、舗装体の雨水浸透や保水効果を高めます。
軽量で耐久性がある
石材や砕石に比べて軽量であるため、施工時の運搬や作業負担を軽減可能です。
また、材料自体は腐食しにくく、耐久性も十分に持ち合わせています。
環境への負荷が小さい
木材資源の有効利用やバイオ炭化による二酸化炭素固定、廃材の有効活用という観点から、持続可能な社会の実現に貢献します。
ポーラスアスファルトの基本構造と利点
ポーラスアスファルト舗装とは、通常の密粒度アスファルト舗装と異なり、粒状骨材の間に適度な空隙を持たせて施工する舗装のことです。
その結果、空隙接続性が高くなり、水や空気の通り道が舗装内部に形成されます。
雨水排水・浸透の向上
ポーラス構造によって、雨が降った際には表面に水たまりが発生しにくくなり、雨水が舗装下にスムーズに浸透します。
そのため、路面のスリップ抑制や都市型洪水、道路冠水のリスク低減に寄与します。
騒音低減効果
舗装表面の空隙がクッション材となり、走行車両のタイヤから発生する騒音を軽減する効果も期待できます。
ヒートアイランド対策
保水機能のあるポーラスアスファルトは、蒸発散による舗装表面温度の低減にも繋がるため、都市部のヒートアイランド現象対策にも有効とされています。
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトの雨水浸透性能
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトの最大の特徴は、その高い雨水浸透性能にあります。
これはウッドバイオ炭自体の多孔質性と、ポーラスアスファルト構造の相乗効果によるものです。
複数の研究や実際のフィールド施工例より、その雨水浸透性能の高さが証明されています。
舗装体内部への浸透メカニズム
降雨時に雨水が舗装表面に落下すると、舗装内部の大きめの空隙に迅速に浸透します。
続いて、ウッドバイオ炭粒子の内部の微小空隙に雨水が保持されることで、一時的な保水機能が発揮されます。
その後、ゆっくりと基層や地盤へと雨水が移動するため、都市排水への負荷のピークを抑え、ゲリラ豪雨への備えとしても有効です。
浸透性能の実測データ
実験室レベルや一部試験施工区間で実測された結果によれば、通常のポーラスアスファルトに比べて、バイオ炭を混合した場合の雨水浸透量は大きく向上します。
初期侵入速度や1日単位の降雨処理能力で、従来品に比べ20~30%以上の性能向上が観測された事例もあります。
また、長期間にわたる雨水浸透性の維持については、バイオ炭の耐詰まり性能の高さが寄与し、通常の植生や微生物活動にも好影響を与えます。
ヒートアイランド対策としてのウッドバイオ炭舗装
都市部では、舗装面の高温化や夜間の輻射熱によるヒートアイランド現象が社会問題となっています。
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトは、高い保水力と通気性により、気化熱効果による表面温度の低減が期待できます。
舗装表面温度の比較
気温35度を超える真夏の条件下においても、バイオ炭ポーラスアスファルト舗装の路面温度は、一般アスファルト舗装に比べて5~10度低いという測定結果も得られています。
これは、降雨後の舗装内部や表面の水が蒸発しながら気化熱を奪うことによるものです。
舗装面に付与されたウッドバイオ炭の多孔質な内部構造が水分の一時保持や蒸発散をサポートし、夏季の道路資材の温度上昇を大幅に抑制します。
施工工程と維持管理のポイント
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトは、基本的な施工方法は一般的なポーラスアスファルト舗装と大きな違いはありませんが、最適なバイオ炭量や骨材サイズ、混合方法などに特有の工夫が必要です。
適切な配合設計
ウッドバイオ炭の配合量は、舗装の使用目的や設置場所、通行する車両重量に応じて調整されます。
一般的には、アスファルト骨材の5%~15%程度をウッドバイオ炭に置換することが多く、この部分が浸透性確保や保水性向上に大きく影響します。
施工と維持管理
通常のポーラスアスファルトと同様、舗装表面の目詰まりを防ぐため、定期的な掃除や洗浄などのメンテナンスが重要です。
ウッドバイオ炭は耐詰まり性・微生物活性化の効果もあり、詰まりへの耐性が高いですが、長期的な透水性能維持の観点からも、適切な保守点検が求められます。
都市インフラへの応用事例と今後の展望
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトは、歩道、公園の園路、駐車場、自転車道、学校や広場など、さまざまな都市インフラや公共空間での採用が広がりつつあります。
エコロジー都市づくりに貢献
この技術は、都市部の雨水管理やグリーンインフラ推進の流れとも親和性が高く、透水性舗装の普及促進やSDGs(持続可能な開発目標)への具体的な貢献例として注目されています。
新たな技術開発と課題
今後は、さらに高性能なウッドバイオ炭製造技術やポーラスアスファルトの耐久性向上、長期間安定した浸透性能・環境性能の維持管理手法など、継続的な技術開発が期待されます。
舗装材料としてのコストや施工性、都市景観との調和など複合的な課題にも取り組みつつ、全国的な普及拡大が見込まれています。
まとめ
ウッドバイオ炭舗装ポーラスアスファルトは、再生可能かつ環境負荷の低い素材を活用し、優れた雨水浸透性能やヒートアイランド抑制効果を持つ次世代型舗装技術です。
これからの都市インフラや地域社会において、持続可能で安心・快適な生活環境の構築を実現するための重要な材料として、その普及がますます期待されています。