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ブラジルナッツは豊富なセレンとクリーミーな風味が特徴で、近年はピーナッツやアーモンドに続く次世代のナッツバター原料として注目を集めています。
しかし、実際にバターへ加工すると、口当たりがザラつきやすく油分の分離も起こりやすいという欠点があります。
この主因は、ナッツ自体の硬度と脂質構成に加え、従来の常温粉砕では摩擦熱が生じやすく、微粉化が不十分になるためです。
低温粉砕(Cryogenic Grinding)は、原料を液体窒素やドライアイスで急速冷却したまま粉砕する加工技術です。
温度をマイナス100〜196℃まで下げることで、油脂を含む食材を硬化させ、熱変性や酸化を抑えながら微粒子化できます。
香りや栄養素の損失が少ない点が評価され、スパイス、茶葉、コーヒー豆などで実績があります。
1. 高脂質でも溶出しにくい
2. 粉砕熱による焦げ・酸化臭が発生しない
3. 微粒化により油分が均一に分散し、滑らかさが向上する
ブラジルナッツの含水率が高いと、急冷時にクラックが入り粉砕ロスが増えます。
そのためロースト後に1〜2%程度まで乾燥させる前処理が重要です。
ナッツ粒を搬送スクリューに投入し、液体窒素を直接スプレーして-120℃以下に到達させます。
この温度帯で油脂がガラス転移を起こし、硬度が大幅に向上します。
冷却ラインの出口でハンマーミル、ピンミル、またはジェットミルを用いて短時間で微粉砕します。
粒径は平均10〜20µmまで到達し、常温粉砕の約1/5に縮小可能です。
粉体を真空パージ室で窒素置換しながら常温へ戻すことで、結露を防ぎつつ酸化を最小化します。
微粉化したパウダーをペースト化する際は、ロータリーミキサーで高せん断混練を行います。
粒子が細かいため油脂がパウダー表面を均一に覆い、粘度が下がりやすく滑らかさが大幅に改善します。
最終挽きとしてコロイドミルを通すと、粒径2〜5µmの超微粒子分散が得られ、舌触りは市販ピーナッツバターと同等以上になります。
レーザー回折式粒度計でD90を10µm以下に保てるかが重要です。
常温粉砕ではD90が50µmを超えることが多く、ザラつきの原因になります。
回転式粘度計でせん断応力と粘度曲線を取得すると、低温粉砕バターはせん断薄化が穏やかで、スプレッド性が約25%向上します。
5段階評価で「滑らかさ」「口溶け」「油のにじみ」を測定すると、低温粉砕品は滑らかさ4.7/5、油にじみ1.2/5と良好な結果が得られます。
低温粉砕ラインの初期投資は、小規模でも1,500万円前後と常温粉砕の約2倍です。
しかし、粉砕ロスの低減と製品差別化による販売価格アップで、年間100t生産の場合は2.5年程度で償却可能との試算が出ています。
また、液体窒素のランニングコストは1kg当たり15〜20円ですが、原料ロス低減と酸化防止による賞味期限延長で相殺しやすいです。
液体窒素は空気分離装置で生成され、副生成物である酸素も同時利用できるため、製造過程全体で見ると環境負荷は低いとされます。
さらに常温粉砕で発生する焦げ臭による廃棄ロスが減ることで、食品廃棄物の削減にも寄与します。
・機能性訴求:高セレン・高オレイン酸の健康志向でプレミアム価格帯に需要が集中
・ヴィーガン・非乳製品市場:植物性プロテインドリンクやデザート向け原料として注目
・グルテンフリー菓子:微粉化パウダーをそのまま生地に練り込めるため焼成後の食感が向上
投入量が多すぎると冷却が追いつかず、粉砕中に油分が滲み出ます。
ライン試運転で最適スループットを確認してください。
極低温で結露が起こると粉体が固まりやすいです。
排気湿度を30%以下に管理し、搬送ラインをPTFEコーティングすると解消します。
マイナス温度帯では揮発成分が凝縮しやすいですが、常温復帰時に飛散する場合があります。
シールタンク内でゆっくり昇温させ、窒素置換を継続してください。
ブラジルナッツバターの滑らかさを向上させる鍵は、粒径の大幅な微細化と油脂の均一分散にあります。
低温粉砕技術は従来の熱を伴う粉砕と比較して、官能品質・栄養保持・酸化抑制のすべてで優位性を示します。
投資コストはかかりますが、製品付加価値の向上と市場拡大を考慮すると導入メリットは大きいです。
今後、ナッツバター市場が多様化する中で、低温粉砕ブラジルナッツバターは「滑らかさ」と「健康価値」を両立させた次世代プレミアム製品として、確固たるポジションを築くでしょう。

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